今回は『新世紀エヴァンゲリオン』において他の特撮・アニメと角の違いを見せつけた最高の設定“ATフィールド”について考察&解説していきます。
“ATフィールド全開”、“ATフィールド中和”なんて言い方を耳にしますが実際に何をやっているのか?またATフィールドの正体とは…。
目次
ATフィールドとは。何人にも侵されざる聖なる領域。
登場作品 『A新世紀エヴァンゲリオン』他エヴァンゲリオンシリーズ。『スーパーロボット大戦』等。
名称 | ATフィールド |
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正式名称 | Absolute Terror Field |
登場作品 | 『新世紀エヴァンゲリオン』、『スーパーロボット大戦』など |
概要 | オレンジの八角形が層をなすバリア。使徒とエヴァンゲリオンのみが展開可能。 |
機能 | 光波、電磁波、粒子を遮断し、あらゆる兵器や物理的干渉を防ぐ。 |
応用 | 精神汚染を引き起こす光波に変える、器のように形成し中に虚数空間を造りだすなど。 |
関連するキャラクター | シンジ、レイ、アスカ、ミサト、カヲル |
人類補完計画との関連性 | ATフィールドを消すことで、人間同士の心の壁を取り去り、他人という概念を消す。 |
象徴性 | 人間の心の壁、イチジクの葉。 |
イチジクの葉との関連性 | イチジクの葉はATフィールドの象徴で、ネルフのマークにもなっている。 |
ATフィールドとは、アニメ・漫画『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する、オレンジの八角形が層をなすバリアです。相転位現象を起こすフィールド境界を形成し、あらゆる兵器や物理的干渉を防ぎます。
正式名称は、“Absolute Terror Field、直訳で日本語訳で絶対恐怖領域、正式名称は絶対不可侵領域です。使徒と汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンのみが展開可能なバリアとされていますが、一部その原理を解析して、兵器や発電機として使っている場面もあります。
ATフィールドの活躍、応用。精神攻撃から虚数空間まで。
同じATフィールドでも様々な使い方や能力があります。
ATフィールドが強力であれば光波、電磁波、粒子すら遮断できるような力場が発生します。さらに、一部の使徒は、本来一枚しか張れないはずのATフィールドを何枚も重ねて、同時に展開することができます。
加えてATフィールドを精神汚染を引き起こす光波に変える使徒や、ATフィールドを器のように形成し、中に虚数空間を造りだす使徒まで現れました。
また、ATフィールドはATフィールドをもって破る事ができます。
酸性物質とアルカリ性物質の正負電荷イオンのように、お互い反発し合うからこそ、打ち消し合うことで攻撃を通すことができます。
ATフィールドの正体とは。渚カヲル曰く心の壁?
シンジ「A.T.フィールド!?」
カヲル「そう、君たちリリンはそう呼んでるね。何人にも侵されざる聖なる領域。心の光。リリンも分かってるんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だという事を」
シンジ「そんなのわからないよカヲル君!」
以上のセリフは「新世紀エヴァンゲリオン 第24話 最後のシ者」より引用したものになります。
アニメ版のエヴァといえば、人間の心について深堀される描写が多くあります。シンジだけではなく、レイやアスカ、ミサトもみんな他者と自分の関係に悩む様子が細かく丁寧に描かれています。
自分が傷つかないように、他人と距離を置くのも心の壁。逆にどんなに仲が良くても、別の個体である以上、自分と他者の間には真に分かり合う事ができない心の壁があります。
カヲルの言っている事が本当であれば、ATフィールドは人間にもあるということになります。
ATフィールドと人類補完計画の関係。
人類補完計画の目的や思想なども含めて解説しようとすると色々説明しなければなりませんが、「何をするのか」だけであれば簡単に説明可能です。
人類補完計画についての詳しい考察はこちら
結論、人類補完計画とは、ATフィールドを消すことです。
人間同士の心の壁、つまりATフィールドを取り去る「アンチATフィールドで地球を包んで、他人という概念を消そう」というのが人類補完計画です。
これを考えたのは、陰キャなのか陽キャなのかよくわかりませんね。究極の陰キャのような究極の陽キャのような…。
ATフィールド(心の壁)とは、イチジクの葉である。
余談になりますが、ATフィールド(心の壁)が人類に生まれた瞬間があるとされています。
それは、旧約聖書「創世記」に記されています。
エデンの園には生命の樹と善悪の知識の木が生えており、神は園にいる動物達に、その木になる実を決して食べてはいけないと言っていました。
しかし、蛇に唆されたアダムとイヴは神の戒めに反して果実を食べてしまいます。
人間は、知恵を手に入れたかわりに、エデンの園を追い出されてしまいます。
知恵を手に入れ、無垢な獣ではなくなった2人はお互いの個体差を認識してしまい、裸であることに恥じらいを感じて、イチジクの葉で陰部を隠しました。
このイチジクの葉こそ、ATフィールドではないかと思います。
イチジクの葉といえばネルフのマークにもなっていることで有名です。
イチジクの葉が半分なのは、使徒が保有しているS2機関(生命の実)さえも手に入れる目論みがあることを暗示しているのではないかと思います。
まとめ:ATフィールドという神舞台装置。
ATフィールドはまさに神舞台装置だと思います。
ATフィールドという設定があるだけで、使徒という巨大な怪獣とエヴァというウルトラマンが戦う理由が出来ます。
特撮やアニメにおいて巨大ロボットが戦わなければならない理由をつけるのは大変です。
理由付けが適当だと「それ戦闘機でよくね?」「それ核ミサイルでよくね?」になってしまいます。
その点ATフィールドは、巨大ロボットと怪獣が戦う理由、物語を深くみせる神話との繋がり、最終話へ続く伏線と色んなものを解決しているまさに神設定だと思います。
以上まとめると
- ATフィールドとは、オレンジの八角形が層をなすバリア。
- 原理は不明だが相転位現象を起こす境界を形成し、あらゆる兵器や物理的干渉を防ぐ。
- 使徒と汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンのみが展開可能とされている。
- 一部その原理を解析して兵器や発電機として使っている場面もある。
- ATフィールドとは心の壁のこと。
- 人類補完計画とはATフィールドを消して他人との境界を無くすこと。
- ATフィールドとは心の壁であり、心の壁とはイチジクの葉かもしれない。
個人的にATフィールドは設定も描写も大好きです。ビームや弾丸をカキンッと跳ね返すのがかっこいい…。
他の漫画のバリアのような、何か絶対無敵のものというより、破れないこともないけど破るためには工程があるというのが、SFチックで痺れます。
そもそもエヴァをなぜ人造人間と言って人間であることを強調していたのかと言えば、もしかしたらパイロットのATフィールドをより増幅させるためだったのかも…。
親と不仲だったり親がいないパイロットがわざとエヴァのパイロットに選ばれていたのは、ATフィールド(心の壁)の強さを重視していたのかもしれませんね。
以上最後までご覧いただきありがとうございました。
ATフィールド心の壁とはイチジクの葉かもしれない。ATフィールドがわかれば人類補完計画もわかりやすくなる??【エヴァンゲリオン】考察&解説。