
※「TVアニメ版リリス」引用:『新世紀エヴァンゲリオン (ニュータイプ100%コレクション)』
現在(2020/04/26)YouTubeの株式会社カラー公式チャンネルにて『エヴァンゲリオン新劇場版』が無料公開されていることから、新規のファンも増えていると思います。
『エヴァンゲリオン』は、語られていない設定や、SFアニメを見慣れていないとわかりにくい設定が多くあります。
そのような部分を解説していこうと思います。
今回、解説していくのは『地下(ターミナルドグマ)にいる巨人は一体誰なのか?TV版と新劇場版の違い』です。
ただ、『エヴァンゲリオン』の考察には
- 公式で既に答えが出ているもの
- 他の設定や劇中のキャラクターのセリフから察することができるもの
- 筆者の妄想に近いもの
があります。
特に『新劇場版』はまだ未完ですので、あくまで自分の中の「一つの見方」として読んでいただければ幸いです。
TV版、旧劇場版は間違いなく『リリス』。

TV版、旧劇場版の地下(ターミナルドグマ)にいる巨人はリリスです。
これは公式の設定で「アダムと呼ばれていたが、実はリリスだった。」ということになっています。
しかし、なぜ多くの人は「リリスをアダムと勘違いしていたのか?」
TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン第24話 最後のシ者」にて、ターミナルドグマの「リリス」に到達します。
しかし、『アダム』から生まれた存在である渚カヲルですらリリスの目の前に行くまで、リリスをアダムだと思い込んでいました。
なぜ気づけなかったのか?
それは「リリスの外見はアダムに偽装されていた」からです。
新劇場版に登場するのは恐らく『リリス』

地下にいる巨人が、リリスなのかアダムなのかあやふやになってしまう理由として、『新劇場版』のリリスの見た目(仮面の違い)変更にあります。
新劇場版では地下にいる巨人を、キャラクター全員が、最初からリリスだと認識していました。
しかし、リリスの顔(仮面)は、TV版&旧劇場版でのゼーレのマーク(黙示録の仔羊)ではありませんでした。
リリスについている仮面は、他の使徒(サキエルやゼルエル)についている仮面と似たようなデザインになっています。
そして月にいるMark.06の中身の巨人が、ゼーレのマークの仮面をつけています。
ということは『新劇場版にて、地下にいる巨人はアダムなのか?』『月にいるのがリリスなのか?』そう思ってしまいそうです。
しかし、個人的にはそれはミスリードだと思っています。
新劇場版ではリリスをアダムと騙す必要がない。
「新劇場版の地下にいる巨人が、リリスからアダムになった。」という説がミスリードだと思う理由としては、
「キール議長(ゼーレの中心人物)の発言に、Mark.06とリリスを別物として発言している。」
(ゼーレは、ゼーレマークの仮面がついた巨人をリリスと別物として考えている)
「新劇場版では第一使徒である渚カヲルが違和感なくMark.06を使用している。」
(新劇場版で第一使徒(アダムとしての立ち位置)になったカヲルくんは、中身がリリスだったらまっさきに気がつくはず。)
といったものが上げられます。
そもそもTV版の世界では、世界やNERV一般職員(ミサトやオペレーター、パイロット達)を騙すための大義名分として『リリスをアダム』だと偽る必要がありました。
しかし、新劇場版の世界ではセカンドインパクトやゼーレの計画する人類補完計画の詳細が、TVアニメ版、旧劇場版と違うのではないかと思います。
TVアニメ版、旧劇場版でゼーレがついた嘘
ゼーレがやりたい『人類補完計画』は、全人類がひとつになる(心も体も)という計画です。
しかし、それがバレたら止められてしまいます(一般人からしたら全人類安楽死計画と変わらない)。
とはいえ、使徒達が妨害してくるから、ゼーレだけでは対処できません。
ネルフ(ミサトやパイロット達、職員)の人達に協力してもらうために「アダムは悪者の親玉で、子供達と出会うと人類が滅亡する」ということにしました(※全てが嘘ではない)。
セカンドインパクトの真相
さらにゼーレは昔、アダムを自分たちの手に収めるための研究で人類を滅亡させかけました。
(実験は成功してアダムを胎児の状態まで戻した)
その件でミサトを含める色んな人達に迷惑をかけました。
そんなことが知られたら職員の士気に関わります。
だから「アダムはまだ生きている。使徒と出会ったら全人類滅ぶよ。」という嘘をついたのです。
リリスは『人類補完計画』に使う重要な部品です。だからこそ、ゼーレはリリスをネルフに守ってもらわなければならなかったのです。
新劇場版では嘘をつく必要は無い。
新劇場版ではそもそも『使徒』の定義が大きく変更されていると考えられます。
アダムではなくアダムスと呼ぶ、総数の変更、第一使徒が渚カヲル、天使の名前がついていない等、変更された部分が多数あります。
上記の考察は↓
さらにセカンドインパクトの詳細も明らかにされていません。
しかし、少なくともリリスをアダムと偽る必要は無くなったのは事実です。
新劇場版の世界ではアダムはアダムスとなって複数体になりました。
『リリス』の存在理由も変わってしまったのだと思います。
そのため、TVアニメ・旧劇場版の世界では「アダムの仮面」をリリスにくっつけて、外見を偽装する必要がありましたが、新劇場版ではその必要がなくなったというのがポイントになります。

さらに『エヴァンゲリオン新劇場版:序』の原画集にはゼーレマークの仮面をつけた初期のリリス案がありますが、使徒の仮面をつけたリリスに修正されています。
(使徒の仮面をつけた巨人は「リリス本体」とかされています。)
わざわざ「リリス本体」と書かれているのは、『リリス』は魂と体を分離されており、魂は綾波レイの中に入れられています。
(魂と体が両方揃わなければ、リリス本来の力は引き出せない)
それでは「リリス」は新劇場版でどんな立ち位置になったのか?
今後の記事で解説&考察していこうと思います。
それでは次の記事で!