
興行収入3億ドルを突破した“ゴジラKOM”こと『ゴジラ キングオブモンスターズ』が、ついにNetflixにて配信開始されます。
2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』から続く“モンスターバースシリーズ”の中核となる作品であり、これからのゴジラの可能性を示してくれた作品でもあります。
“怪獣映画”というと、なかなか近寄り難いイメージがありましたが、新しいアクション映画のジャンルとしてのイメージをつくってくれました。
従来のゴジラファンに加えて、ハリウッドゴジラからゴジラシリーズを観始めた方も多いようです。
しかし、“ハリウッドゴジラ”、“モンスターバースシリーズ”といっても種類は多く、1998年にもハリウッド版のゴジラがあったりと新規のファンの人には全容がわかりにくいです。
そこで今回はハリウッド版ゴジラ、モンスターバースシリーズについて、世界観や設定についての解説をしていきます。
目次
- 配給ワーナー配給、レジェンダリー制作。約束された勝利の怪獣映画。
- まるでクトゥルフ神話。モンスターバース世界の歴史と映画の立ち位置。
- いつまで続く?モンスターバースシリーズはこれでおしまいなのか?
目次
ワーナー配給、レジェンダリー制作。約束された勝利の怪獣映画。
モンスターバースシリーズは、『ランペイジ巨獣大乱闘』を制作したワーナーブラザーズが配給、『パシフィック・リム』を手掛けたレジェンダリーエンターテインメントが制作をしています。
怪獣の3Dモデルやモーションキャプチャ、街の破壊描写が洗練されています。
怪獣とはどういうものなのか、その在り方について日本の怪獣をリスペクトしていて、どのシーンも観ていて気持ちがいいです。
ちなみに、1998年にもハリウッドでゴジラが公開されていますが、モンスターバースの世界とは一切関係ないので、モンスターバースシリーズを楽しみたいという方は、ひとまず置いておいて大丈夫です。
モンスターバースシリーズの始まりである『GODZILLA ゴジラ』は、もともと日本であったのゴジラの3D作品をつくるという企画が頓挫し、レジェンダリーに話が行ったという過去があり、信頼できるパートナーシップを結んでいるようです。
上記でも少し触れましたが、1998年公開のハリウッド版ゴジラが大不評だったがために、往年のゴジラファンは『GODZILLA ゴジラ』を観て一安心しました。
この『GODZILLA ゴジラ』の成功を機にモンスターバースシリーズの世界は広がっていくことになります。
まるでクトゥルフ神話。モンスターバース世界の歴史と映画の立ち位置。
モンスターバースとは、モンスターとユニバースを掛け合わせた造語であり、様々な作品のキャラクターがひとつの作品の世界観に合わせて登場する公式のクロスオーバー作品という意味です。
ただ、モンスターバースシリーズの世界観や設定を、映画の内容だけで、すべて把握するのは難しいと思います。
パンフレットや設定資料集を買っている人なら別ですが、これから観ていこうという人は先に設定を知っていた方が、より映画を楽しめます。
そこで年表を元に、各モンスターバース作品の解説と設定の解説をしていきます。
◼️約46億年前 地球が誕生。
◼️約2億年前 地球は強力な放射線におおわれており、巨大生物達が地上を支配していました。世代交代を重ね巨大生物達は自然の一部となっていましたが、放射線レベルの低下につれて巨大生物は地球の空洞・地下世界へと活動領域を移していきました。
ゴジラ、コングを含めた巨大生物達はその氏族を持っており、この頃から縄張り争いや覇権争いがありました。
◼️紀元前11世紀 ゴジラ族の一体がムートー族が交戦、古代人によって記録が残されており、『GODZILLA ゴジラ』に登場した怪獣ムートーとの因縁はここから。
◼️1944年 第二次世界大戦勃発、米軍戦闘機パイロットのハンク、日本軍戦闘機パイロットのグンペイ が髑髏島に墜落し、現代人が多数の巨大生物、未知の生物を発見します。
◼️1945年 日本に原爆投下。この放射能の影響で怪獣シノムラ、そしてゴジラが覚醒してしまう。ゴジラによってシノムラは撃退されるが表向きの歴史では無かったことにされています。
◼️1946年 未確認生物、巨大生物の調査を行う特務研究機関MONARCHが設立。
放射線実験中にシノムラとゴジラを再度呼び起こしてしまい、水爆実験を名目に殺そうとするも失敗。
◼️1973年 ベトナム戦争の終戦。MONARCH調査隊が髑髏島へ調査に向かう。これが『キングコング: 髑髏島の巨神』のお話です。
◼️1999年 フィリピン諸島にて、ゴジラ族の骨格化石が発見。これは、過去にムートー族と戦った個体であり、骨にはムートーのメスが繭となって寄生していました。
同時期に日本の原発施設がムートーのオスに襲われる事件が発生。ここから『GODZILLA ゴジラ』の物語が始まります。
◼️2014年 サンフランシスコにてゴジラと2体のむートーが対決。ゴジラによってムートー2体は倒されたものの、街の破壊は凄まじく、民間人に犠牲者を多数出しました。
後に、「サンフランシスコの惨劇」と呼ばれたこの戦いは、禍根を残し『ゴジラ キングオブモンスターズ』に登場したラッセル一家はこの惨劇によって息子を亡くしました。
◼️2019年 MONARCH機関のラッセル博士によって造られた、巨大生物と意思疎通を図る装置オルカが起動。
ここから『ゴジラ キングオブモンスターズ』の物語が始まります。
オルカはナチュラルテロリストによって悪用され、最凶の巨大生物『ギドラ』を深い眠りから目覚めさせてしまいます。
ギトラはいわゆる宇宙から来た外来種であり、秩序のために怪獣達を支配してきたゴジラと違い、地球を自分にとって居心地のいい環境に変えるために怪獣達を支配します。
この装置によって引き起こされた事件によって巨大生物達はさらに活性化していき、人類は今後、巨大生物との共存を余儀なくされていきます。
◼️2021年 オルカ事件による影響で髑髏島にも巨大生物が襲来。生態系とコングと共生してきたイーウィス族が被害ににあいます。
◼️2024年 MONARCHによるコングおよび巨大生物の地下世界への移送計画が浮上。
しかし、この時期を境にゴジラが突如人類文明に牙を剥くようになってしまいます。そしてここから『ゴジラVSコング』の物語が始まります。
以上がモンスターバースシリーズ世界の歴史です。勘のいい人はお気づきかもしれませんが、クトゥルフ神話にインスピレーヨンを受けていることがわかります。
地球には人類誕生前から巨大な支配者達がが存在して、覇を競い合っていた。時には地球の外から来た生物とすら戦い、地球の秩序を守る
支配者達が好き勝手やってるクトゥルフ神話と違うのは『ゴジラ』と言う存在です。
ゴジラはいわゆる管理職のような役目で、やんちゃする怪獣達の仲裁役、お仕置き役なのです。ここら辺のゴジラの苦労話が『ゴジラ ドミニオン』というコミックで描かれているので、映画以上の話を知りたい!という方はぜひ読んでみることをおすすめします。
いつまで続く?モンスターバースシリーズはこれでおしまいなのか?
日本のゴジラとレジェンダリーのゴジラ大きく違うのは、放射能がエネルギー元になるだけで、放射能が原因で生まれたわけじゃないという部分です。
反核のメッセージが薄れてしまうという意見もありますが、個人的にはハリウッドゴジラはこれで大正解だと思います。
この設定があることによってどんな怪獣を後出ししても、矛盾がでませんし、なんなら核に影響を受けた日本のゴジラと戦わせることだってできます。
ただ、残念ながら『ゴジラVSコング』で東宝とレジェンダリーの契約は切れており、今後の展開は今のところなしということになっています。
さらに東宝は東宝で、ゴジラのユニバース化を構想しているという噂もあります。
それはそれで楽しみですが、個人的には、モンスターバースシリーズの生み出したゴジラを神話のように描く手法は、怪獣をどんどん後出ししても設定的に矛盾しない最高の設定だと思うので、このまま続けて欲しいです。
ここで忘れてはいけないのが、ゴジラの知名度を令和の時代でここまで上げてくれたのはゴジラ モンスターバースシリーズだということです。
Netflix 他、Hulu、Amazonプライムビデオでも視聴可能なので、まだ未視聴の作品があるという方は、ぜひ今後のゴジラシリーズをより楽しむためにも観てみることをおすすめします。