2019年12月14日、TOKYO DOME CITY HALL円谷プロダクションが開催した「TSUBURAYA CONVENTION 2019」のオープニングセレモニーにて2021年公開予定の「シン・ウルトラマン」に登場するウルトラマンのデザインが公開されました。
2021年に『シン・ウルトラマン』が公開されると発表されてから、キャストは1部発表されたものの、肝心の『ウルトラマン』のデザインが未公開のままでした。
そんな中、とうとう全貌をお披露目した『シン・ウルトラマン』に登場する『シンウルトラマン』のデザイン。
しかし、違和感や怖さを感じる人も多いようです。
そこで今回は、『シンウルトラマン』のデザインについて感じる違和感を徹底解説していこうと思います。
『シン・ウルトラマン』のストーリーを予想、考察した動画もあげています!ぜひよければ観てみてください。
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『シンウルトラマン』のデザインから感じる違和感
公開された『シンウルトラマン』の写真は、映画のカットのようです。湖のほとりにたたずむウルトラマン。異様な光景であるのにもかかわらず、ずっと前からいたかのようなたたずまい。
この写真を観て、『怖い』とかんじる方も多いようです。
違和感その1・背筋が伸びたウルトラマン
なかでも多くの方が気になっているのは、ウルトラマンが棒立ちだということ。
ウルトラマン(初代)と言えば、猫背のファイティングポーズが有名ですが、シンウルトラマンは棒立ち。
もちろん棒立ちなのは、このカットだけかも知れません。怪獣と戦う時や映画の盛り上がりのシーンでいつものファイティングポーズをみせてくれる可能性は大きくあります。
それでも、このなんとも言えない棒立ち感には衝撃を受けた方が多かったようです。
何より大切な新作映画のビジュアル公開で、このカットを持ってくるというのが、さすが庵野監督&樋口監督という感じです。
普通の広告のように、戦闘シーンや主人公勢ぞろいのカットを下手に見せてしまうのではなく、ただキャラクターだけを観せるというのが『シン・ゴジラ』の時の広告の仕方に似ています。
違和感その2・消えたカラータイマー
これは多くの方が気づいていることですが、ウルトラマンの象徴とも言えるカラータイマーがありません。
これは『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』作品の美術総監督として、「ウルトラマンシリーズ」の礎ともなった成田亨さんが、 1983年に描かれた絵画『真実と正義と美の化身』がコンセプトとなっているそうです。
映画『シン・ウルトラマン』の企画・脚本を務める庵野秀明監督は、「この『真実と正義と美の化身』の美しさを何とか映像にできないかという想いが、 今作のデザインコンセプトの原点だ。」と語っています。
庵野監督と言えば、自作のカラータイマーを自分の胸に付けていたこともある程のウルトラマン好き。
その思い出でもある『カラータイマー』を自ら無くす選択をするほど、『真実と正義と美の化身』への立体化の思いが強いようです。
庵野監督のウルトラマン映画のルーツを解説している記事はこちら。
さらに、見て頂きたいのがこの写真。
これは初代ウルトラマンの変身シーンのカット。有名な写真ですが実はこのカットインのウルトラマンにはカラータイマーは付いていないんです。
なぜならデザイン要請された成田亨さんは、ストーリー上の都合である、「弱点がなければつまらない」というデザインには無関係のカラータイマーが気に入らなく、巨大化するウルトラマンの人形にはカラータイマーをつけませんでした。
ということは『シン・ウルトラマン』に登場する『ウルトラマン』は、完全無欠のヒーローとして描かれるのでしょうか?
庵野監督はどんな強いものを描く時でも、必ず弱点を描きます。『シンウルトラマン』にはどんな弱点がつくことになるのか?
3分超えるごとに、ウルトラマンから人に戻れなくなっていく。
なんてのは、なしにしてほしいですね。笑
違和感その3・消えた背びれ。
ウルトラマンのキーパーツは、『カラータイマー』だけではありません。ブーツや背びれ、目の覗き穴など。
成田亨さんは、そういったデザイン上、仕方ないものによって、自分のデザインしたウルトラマンがコンセプトから遠ざかっていくのを嫌がっていました。(ファンとしてはそれはそれで趣があって好きですが、)
しかし、『シン・ウルトラマン』では『ウルトラマン』をCGで描きます。
特撮とは違い、『人が入る着ぐるみ』としてのウルトラマンではなく、『ウルトラマン』という生命体としての『ウルトラマン』が、『シン・ウルトラマン』で動く姿が、今から楽しみです。
今回公開された『シン・ウルトラマン』に登場する『ウルトラマン』のデザインですが、どことなくCタイプ顔という感じがします。
〇タイプというのは、初代ウルトラマンで特撮という性質上、ウルトラマンの着ぐるみが複数作られました。
その中のCタイプにかなり顔が似ている気がします。「BタイプやCタイプより、Aタイプが好き。」というファンは多くいます。
というのも『Aタイプ』は、初期案のコンセプト「喋るウルトラマン」を実現するために、顔が軟質素材出できているため肌がボコボコしており、口も開く予定だったものを無理やり閉じているので、どこか違和感があります。
そこからBタイプへと改善され、さらにCタイプへと移り変わっていきました。
三体目のウルトラマンスーツと言うだけあって、『Cタイプ』のウルトラマンは、覗き穴が見えにくかったり、「みんなが思い浮かべるウルトラマン」としてのデザインが極まっています。
ウルトラマンの大ファンである庵野監督は、てっきりマニアックな『Aタイプ顔』を選ぶかと思いましたが、「『美の化身』としてのウルトラマンを描く」という挑戦もあってからか、『シンウルトラマン』は『Cタイプ』っぽい顔つきになっています。
しかし、監督は庵野監督&樋口監督。どんな予想外のことをするかわかりません。ウルトラマンの仮面が取れて中の顔が出てくるなんてこともあるかもしれません。笑
これからも『シン・ウルトラマン』についての解説や考察記事を上げていこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
それでは次の記事で!