今回は漫画・アニメ『チェンソーマン』屈指の名(迷)シーン【ファミリーバーガー】について、考察&解説していきます。
狂気的でありながらギャグシーンとして成立しており、数あるチェンソーマンの名(迷)シーンの中でも海外人気のかなり高いシーンです。
そんなファミリーバーガーについて、元ネタや裏話、伏線について考察&解説説していきましょう。
スプラッタ表現の塊なのになぜか笑えてしまうあのシーン…。
目次
ファミリーバーガーとは?ブラックすぎるハンバーガー屋
登場作品 | チェンソーマン | シーンの俗称 | ファミリーバーガー |
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登場キャラ | 真チェンソーマン 東山コベニ |
ファミリーバーガー回 | 単行本10巻 第85話“超跳腸・胃胃肝血” 第86話“デートチェンソー” |
ファミリーバーガーとは、漫画・アニメ『チェンソーマン』に登場する架空のハンバーガーショップです。
地獄での闇の悪魔との邂逅してから、公安をやめてしまった東山コベニが働いているのと、お客に商品を提供する際に独特な歌と「ファミリー!」という掛け声を奇妙なポーズとともに披露するのが特徴的です。
“ファミリー”バーガーという名に恥じぬアットホームな雰囲気があり、店員はみんながよさそう…ですが目のハイライトが皆消えており、「ファミリー!」の掛け声や給仕の際に笑顔がぎこちないコベニに対して暴力で笑顔を強要したりと、ブラック企業な一面が随所のコマに見られます。
アットホームな職場…よくネタにされているけど、このシーンでトラウマが蘇ってしまったという人も少なくないようです。
惨劇のハンバーガーショップ。真チェンソーマン襲来とコベニの受難。
ファミリーバーガーのシーンは単行本10巻、第85話“超跳腸・胃胃肝血”という回にあります。真チェンソーマンは地獄で襲い掛かってくる悪魔を皆殺しにしてマキマを瞬殺した後、デンジとの微かな思い出をたよりにファミリーバーガーへとやってきました。
「一回でいーから腐ってねえハンバーガー食ってみてえよな」
この願いをかなえるため、真チェンソーマンとなったポチタはハンバーガーショップであるファミリーバーガーへとやってきました。いきなり現れた悪魔に店内は騒然としますが、真チェンソーマンとなったポチタは、自分たちの気に入らないものは一瞬で真っ二つにしてしまうため、従業員たちはおとなしくチェンソーマンにハンバーガーを提供しようとします。
しかし、パワハラを受けたばかりのコベニは、いきなりの状況に更に気が動転してしまい、ハンバーガーを提供しようとチェンソーマンに近づくたびに転んでトレーをひっくり返してしまいます。
ミスするたびに従業員達が殺されていき、やっとの思いでハンバーガーを提供した後、コベニはデンジの「女とデートしたい」という願いの為に連れていかれてしまいます。
そもそもチェンソーマンがファミリーバーガーへとやってきたのは、コベニが「たすけて」と願ったからであり、半分は身から出た錆ですが、せっかくの就職先を潰されて、チェンソーマンとつるんだせいでマキマにも目を付けられるのはちょっとだけ可哀そうですね。
編集者からのNGを乗り越えたファミリーバーガー。ファミリーバーガーの元ネタは?
『チェンソーマン』の中でも屈指の血の気が多いシーンですが、ファミリーバーガー回ですが実は元ネタがあったり、裏話があるようです。
『チェンソーマン』作者の藤本タツキ先生はファミリーバーガー回を実在のお店であるマクドナルドでやろうとしていたそうです。
林士平氏が1番ネームを見てびっくりした回がファミリーバーガー回で、最初マクドナルドの実名出すつもりって藤本先生が言うから実名出すとなると危ない事はNGですよって言ったのに自信満々で大丈夫っていうからネーム見たら普通に店長死んでたって話が藤本タツキの狂気!って感じでよかった
— なこ⛅ (@naco0614) June 27, 2021
スプラッタ表現が多分に含まれているうえ、パワハラ、暴力表現もある描写なので担当編集者の林氏にネームを出した際にNGを出されていたそうです。
もし実名を出してやっていたらどんなクレームがくるか恐ろしいですが、マクドナルド版はマクドナルド版で、リアルな風景で面白そうな画になりそうだとも思います。日常が一瞬で壊れる感じがより際立ちますね。
元ネタ①掛け声の元ネタはアイス屋さん?“コールド・ストーン・クリーマリー”。
ファミリーバーガーのハンバーガーショップとしての元ネタはマクドナルドなら、あの掛け声はなにが元ネタでしょうか?笑顔を強要する幹事は、”スマイル”を売りにしているマクドナルドをブラックネタにしているとわかりますが、掛け声は謎です。
ファンの一部では、あの掛け声の元ネタは有名なアイスクリーム屋の”コールド・ストーン・クリーマリー”ではないかと言われています。
元ネタ②なぜいきなりモーニング娘?「超超超いい感じ」→「超跳腸・胃胃肝血」
ファミリーバーガー回のサブタイトルは「超跳腸・胃胃肝血(ちょうちょうちょう、いいかんじ)」です。
これは『モーニング娘』の楽曲『恋愛レボリューション21』の歌詞の一部「超超超いい感じ」をもじったものだと考えられます。カップ焼きそばのCMで有名な楽曲ですね。
確かにこの回は、超跳腸・胃胃肝血といった感じで腸や血がぶちまけられまくり、真チェンソーマンも絶好調な回ですが、なぜいきなりモーニング娘が絡んでくるのか?
それは、2009年にニコニコ動画に投稿された一つの動画『マックのポテト揚げるやつの音ってモー娘の曲に似てね?』というのが元ネタではないかと思います。
これならなぜコベニがハンバーガーショップで働いていたのかも、もともとマックでこの話をやりたかったのかも、ファミリーバーガーのコラボメニューにドリンクとポテトしかないのかも説明できます。
藤本タツキ先生は映画や芸術作品のオマージュも好きですが、“コケピー”などネットミームやスラングなども大好きみたいなので、今後もこういうサブタイトルのような細かいところも見逃せませんね。
まとめ。次の標的はコベニの弟。ファミリーバーガーの再来はあるか?
今回は『チェンソーマン』においてやたら人気のあるスプラッタギャグシーンの’ファミリーバーガー回”について考察&解説しました。狂気的でグロくて見ていてつらいパワハラ描写があるのに、なぜか笑えてすっきりするお話なのが魅力的です。
二部ではコベニは登場していませんが、その血縁者と思われる人物が登場しているので、ファミリーバーガーの再演とは言わずともそれにまさるスプラッタギャグ回があるとうれしいです。
以上まとめると
- ファミリーバーガーは『チェンソーマン』に登場する架空のハンバーガー屋。
- ファミリーとは名ばかりのブラックな職場
- 商品提供時の独特な歌と掛け声、奇妙なポーズが印象的。
- ファミリーバーガーのテンポの元ネタはマクドナルド。
- 歌や踊りの元ネタははコールド・ストーン。
- サブタイトルの元ネタはモーニング娘の「恋愛レボリューション21」をネタにしたニコニコ動画『マックのポテト揚げるやつの音ってモー娘の曲に似てね?』
藤本タツキ先生の裏話は変わった話ばかりで面白いですね。いつか本当に『アオイホノオ』のような作者に焦点をあてた、学生時代や漫画執筆時の漫画が読みたくなります。
ファミリーバーガー回は一歩間違えればただの胸糞シーンになってしまうのにギャグとして成り立っている面白い回なので、またファミリーバーガー回のような狂気ギャグ回を本編で読めることに期待したいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。