梅雨も明けてとうとう夏が来ます。夏といえば怪談やホラーがつきものですよね。
そんな夏にピッタリのホラー映画『ハッピーデスデイ』について書いていこうと思います。
ビッチな女子大学生が主人公。ハッピーデスデイのあらすじ。
『ハッピーデスデイ』はただのホラーものではありません。
ホラーありコメディあり、ちょっと感動ありの最初から最後まで楽しめる娯楽映画です。
『ハッピーデスデイ』を語る前に、まずはあらすじをどうぞ。
主人公は遊び盛りの女子大学生ツリー。
9月18日ツリーの誕生日の朝は男子寮の知らない男子(カーター)の部屋で目覚める。
昨晩は夜まで大騒ぎしてお酒を飲んでいたため、朝から体調が悪いツリーは介抱してくれたカーターに冷たくあたり、自分の寮へと帰る。
その後は、ルームメイトが作ってくれた誕生日ケーキをダイエットを理由にゴミ箱に捨て、大学の教授と不倫を楽しんだ。
いつも通りの昼を過ごしたツリーは夜、自分のサプライズがあるという噂のパーティに向かう。
パーティ会場に向かう道中、ツリーは大学のマスコットキャラクターのベビーのお面をつけた謎の人物に殺されてしまう。
しかし、ツリーが目覚めるとそこはカーターの部屋だった。
自分が同じ9月18日を繰り返していることを気付き、夜は警戒するものの、結局殺されてしまいまた9月18日を繰り返すことになる。
ベビーのお面をつけた殺人鬼は誰なのか?なぜツリーを殺すのか?なぜループするのか?
ツリーの殺され続ける最悪の誕生日が始まるのだった。
ホラーとコメディの絶妙なバランス。
『ハッピーデスデイ』には、音でびっくりさせてくるようなシーンも少なく、直接的なグロ描写もありません。
ところどころにクスッと笑えるシーンがあり、友達やカップルで観るのにかなりおすすめの映画です。
ホラー映画に登場する女の子といえば、早々に殺人鬼に殺されておしまいだったり、チームの足を引っ張ったり、主人公のイケメン男子に助けられるだけ
だったりとあまりいいイメージがありませんが、『ハッピーデスデイ』の主人公ツリーは、とても魅力的に描かれています。
ツリーは不特定多数の男と寝て、教授と不倫を楽しむ標準的なビッチですが、自分が殺され続けるという現実を受け止め、今日こそは殺されまいとする姿は好感が持てます。
ワンアイデアで終わらない。感情移入できる主人公の背景。
『女の子がタイムループして、殺人鬼に立ち向かう。』
これだけでも十分面白いですが、それだけだと出オチのワンアイデアストーリーで終わってしまいます。
それで終わらないのが『ハッピーデスデイ』です。
ホラー映画は理不尽な状況に立ち向かう主人公に感情移入するからこそ、興奮や不安を感じることができます。
ホラー映画は、登場人物に感情移入できてなんぼです。
しかし、『ハッピーデスデイ』は『ビッチな女子大学生』というなんとも感情移入しずらい設定があります。
これをただ、『ビッチな女子大学生が殺人鬼と戦う』というコメディで終わらせても面白いですが、
それは中盤で終わらせて後半にしっかり主人公ツリーのバックグラウンドを描きます。
※下記ネタバレ注意
ツリーがなぜビッチなのか?それは、過去に母親と死別してしまったからだったのです。
父親とは母親の死が原因で疎遠になってしまい、ツリーは愛に飢えた性格になってしまいました。
正直、「きつい性格の女の子が、実は過去に壮絶なトラウマがあった。」というストーリーはありがちですが、ホラーコメディ映画でちゃんと設定している作品はなかなかありません。
ちゃんと主人公の背景を描くからこそ、終盤にかけてさらに映画にのめり込むことができます。
ホラーコメディというジャンルは最近珍しくはありませんが、ちゃんとホラーもコメディも主人公の成長もバランスを崩さず描くのは至難の技で、それをやってのけた『ハッピーデスデイ』はすごいと思います。
考察要らずの2。『ハッピーデスデイ2U』
なぜタイムループしていたのか?という最大の謎が『ハッピーデスデイ2U』では描かれます。
『ハッピーデスデイ』公開時はいろんな考察がありましたが、どれもハズレでかなりコメディ要素の強い理由でした。
たいていヒット作の2は落ちるものですが、『ハッピーデスデイ2U』の面白さは変わりませんでした。
ただ、ホラーよりも、コメディ要素、感動要素が強めな分、好みはわかれるかも知れません。
1だけでもすっきりと終わるので、ホラーが苦手な人も、変わり種が観たいという人もどちらも手に取りやすい作品だと思います。
『ハッピーデスデイ3』も制作中とのことですので、ぜひ皆さんもこの夏『ハッピーデスデイ』シリーズを観てはいかがでしょうか?