【風の谷のナウシカ】蟲使いとは?ナウシカと森の人ファースト。解説&考察についての記事をご覧いただきありがとうございます。
この記事では『風の谷のナウシカ』の考察として、“蟲使い”について考察・解説していきます。
今回は宮崎駿監督が漫画家として描き上げた傑作『風の谷のナウシカ』に登場する『蟲使い』のの強さや出自、作中での扱いや活躍を解説&考察していきます。
目次
蟲使いとは。超能力者が王の宗教国家。
登場作品 | 風の谷のナウシカ |
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巻数 | 全7巻 |
作者 | 宮崎駿 |
巻数 | 全7巻 |
名称 | 蟲使い |
“蟲使い”は、宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』に登場する蟲を使役する部族で、異様な文化や生活様式から社会的差別を受けつつも、その特異な能力を活かして様々な役割を果たす一方、最も邪悪な一族の末裔とも見られています。
アニメ映画版『風の谷のナウシカ』には登場せず、漫画原作版のみの登場ですが、序盤から終盤まで物語の中心とまでは言えませんが、かなり重要なポジションにいるキャラクター達です。
蛆のような蛞蝓のような蟲を使役しており、蟲を使った探査能力の高さから、主に索敵、警備部隊としてクシャナの部隊では使われていました。
蟲を使役する術や旧世界の遺産を拾ってくることから、ペジテやドルク、その他小国ともそれなりの関係を保っているようですが、その文化や生活様式が異様なことから作中では被差別部族として描かれています。
印象的なセリフ 「俺たちはナウシカの守り人だ」「腐海と暮らすの俺たち平気だ」
汚くて卑しい。蟲使いの死体漁りの文化。
みんなが怖がり忌み嫌う“蟲”を好き好んで使い、戦地や腐海で探し物や死体漁りを行うことから作中での立場はかなり低いです。
貿易において対等な交渉はしてもらえず、傭兵として雇われても周りから距離を置かれています。
また風呂に入る習慣もない文化の部族のため体臭もきい…。
トルメキアや土鬼といった超大国では、その能力を買われてある程度の保護や協力を受けていますが、差別されています。
現実でも海外や宗教によっては、死体漁りは殺人並みの重罪になることもあり、日本でも昔、動物の皮を加工したり戦地の遺品回収商人は差別されていた歴史もあるため、宮崎駿監督らしい現実味のある部族だと思います。
また、死体漁りで得た宝石などの貴金属で飾った瘴気対策用のマスクをかぶっており、生活に必要な蟲を含めた全てをすべて背負って移動する文化も持っています。
蟲使いの作中での活躍。ナウシカと森の人ファースト。
愚直で欲深く、野蛮で卑しいイメージを持たれており、実際その通りで、野蛮で卑しい一面を持っています。
その反面、腐海や蟲に対しリスペクトをし、火を捨て腐海の中で自給自足している“森の人”を神聖視し、彼らの前では素直に言うことに従う信心深い一面も持っています。
また、自分たちを損得感情なしで対等に扱ってくれたナウシカとは良好な関係を築いています。
ナウシカが世界を救うため墓所へ向かった際は、自分たちの家族ともいえるほど愛情を注いでいる蟲を殺してまでナウシカの旅についていきました。
祖先は?最も邪悪な一族の末裔?
アニメでは“最も邪悪な一族の末裔”と巨神兵が呼ばれていますが、漫画版ナウシカの中で最も邪悪な一族の末裔は“蟲使い達”かもしれません。
かつては十一の氏族がいたとされる、蟲使いの祖先は森の人や工業都市ペジテにも繋がっているかもしれません。
『風の谷のナウシカ』の世界は終末、人類の黄昏の時代を描いています。
火の七日間といわれる大戦争のあと、人類は衰退したものの、映画や漫画の世界よりも、もうちょっとましな次期があの世界にはありました。
巨神兵の火が世界を包んでも、人類はしぶとく大多数が生き残っており、中には旧世界の文明を高水準で保っている国もありました。
その国は高層建造物、航空機、車のようなもの、衣食住すべてが火の七日間前の人類の文明の絶頂時代の遺物があり、それを再現することもできたようです。腐海の毒や蟲をも退けるものもありました。
中には、ナウシカが使うエンジンが付いた凧のようなものもあったり、風の谷のような鉄より丈夫で軽い蟲の殻を加工する技術も当たり前のようにありました。
しかし、そんな風の谷やその他小国と比べたら、奇跡のような幸せがある国でも争いが耐えませんでした。
物資が枯渇したのか、欲が出たのか蟲の死骸や抜け殻から殻をとるのに飽き足らず、生きた蟲を殺してまで資源を奪い合うようになってしまいます。
それが王蟲の怒りにふれ、大海嘯となって国を王蟲が埋め尽くし、高水準の旧世界の技術も文明も王蟲に喰いつくされ消え去ってしまいます。
ここからまたナウシカ世界は大きく文明が後退して、腐海ももっと広がり生き地獄のような世界になってしまったのです。
そして、こんな大事件を起こした国民達の末裔が森の人であり、蟲使いであり、風の谷の住民達でもあるのかもしれないのです。
風の谷とも繋がりが?実は同じ祖先かも。
ナウシカや風の谷の民、森の人と蟲使いは仲良くやっていましたが、それは当然のことだったかもしれません。
彼らの、“蟲の殻を加工する技術”、“エンジンがついた凧”、“腐海歩きの術”、これらが共通している文化としてあるのがかれらの一族です。
また、蟲使いの長の鎧と風の谷の王室に飾られている、代々受け継がれてきたジルの鎧も構造やデザインがよく似ています。
もともと、同じ国民が思想も生き方も一度はバラバラになったけど、世界の危機にもう一度一致団結して窮地に立ち向かう姿は、少年漫画の様に熱い展開ですね。
まとめ。蟲使いをアニメで観たい。
ドルク兵も欲しいし、蟲使いも欲しい。
ナウシカと墓所へ行くときversionの蟲使いのフィギュア化待ってます! https://t.co/8TQIdbv0DX
— アリスケ (@walking_planets) February 25, 2023
強欲で卑しくて愚かで、おまけにくさい。
作中でも異様な存在として描かれている彼らですが、個人的には鎧のデザインも文化も魅力的で、大好きなキャラクター達です。
文明が滅亡した後、過去の遺物とか漁りながら過酷だけど、美しい世界をめぐる宮崎駿監督の夢がナウシカに反映されていると思いますが、同じように個人的にもそんな世界がきたら、なんとなく蟲使いのような生き方がしたいです。
以上まとめると
- 蟲使いとは宮崎駿氏の漫画「風の谷のナウシカ」に登場するとある部族。
- 特定のキャラクターではなく、蟲を使役する部族。
- トルメキアやドルクなど一定の国に属さず、傭兵や死体漁り、腐海でとれた遺物を売る商人など生き方は氏族によって様々。
- アニメ映画版「風の谷のナウシカ」には登場せず、漫画原作版のみの登場。
- 蟲を使役する術や旧世界の遺産を拾ってくることから、トルメキアやドルクとも交易があるが良好な関係ではない。
- 文化や生活様式が異様なことから、作中では被差別部族として描かれている。
- ナウシカ、森の人ファーストで彼らの前では素直に言うこと従う。
- 漫画版ナウシカの中で最も邪悪な一族の末裔は「蟲使い達」かもしれない。
- かつて十一の氏族がいたとされる
- 蟲使いの祖先は森の人や工業都市ペジテにも繋がるかも。
『シン・ナウシカ』でも『風の谷のナウシカ2』でも『クシャナせっ記』でもなんでもいいからアニメで蟲使いが観たいです。
『君たちはどう生きるか』以降の宮崎駿監督の考えはまだわかりませんが、宮崎駿監督の考えた設定の中でも蟲使いの設定はかなり秀逸だと思うので、アニメでヌルヌル動く姿を見せてほしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。