『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の『特報映像2』が、全国の劇場でついに公開されましたね。情報によると、公開は6月だとか。
そんな「エヴァンゲリオン」に対する熱が高まっている中、無料アプリ【EVA:EXTRA】にて、新劇場版『エヴァンゲリオン:序』『エヴァンゲリオン:破』『エヴァンゲリオン:Q』が無料公開したそうです !!
※この記事は過去記事になります。
アニメ・漫画版しか見た事がない人や、エヴァンゲリオンの名前しか知らないと言う人はチャンス!
そんな『エヴァンゲリオン:序破Q』、そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の
「ここに注目すると、さらに『エヴァンゲリオン』を楽しんで観られる!」
というポイントを、いくつかの記事に分けて、紹介していきたいと思います。
ポイント1:新劇場版は、旧アニメ作品の一巡した後の世界を描いている。
新劇場版エヴァンゲリオンを楽しむためには、まず『エヴァンゲリオン』は、新劇場版の前に、アニメ版があったという事を知らなければなりません。
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は
「主人公14歳の碇シンジはある日突然、巨大兵器エヴァに乗らせられ、『使徒』という謎の敵と戦う」
という斬新なストーリーと、主人公や、その周りの登場人物における心情の変化、葛藤が上手に描かれていて、当時は社会現象にもなりました。
人気に伴い、アニメの完結編である『旧劇場版』も公開され、一応の区切りがついた『エヴァンゲリオン』。
そんな中、庵野秀明監督は「エヴァンゲリオンという作品を『ガンダム』の様に、自分以外の若い監督や作家に、これからも新しいエヴァンゲリオンを描いていってほしい。」
という思いがありました。『ガンダム』と言えば、何度もリメイクや、二次創作物が造られてきた、名作のアニメシリーズです。
しかし、『エヴァンゲリオン』の二次創作物の作り手は、なかなか現れません。
やはり、『エヴァンゲリオン』は全体的に、内容に対する理解の幅が広いということが要因の一つ。
そこでまず、『エヴァンゲリオン』とは元々、どんなものなのかを簡単に伝えるための役目として、『新劇場版エヴァンゲリオン:序破Q』を作りました。
『序』、『破』、『急(Q)』とは、脚本の三幕構成を意味する言葉です。
当初の予定では、半年に一本をめどに、ダイジェストでエヴァンゲリオンとは何かを、映画として公開する予定でした。
それと同時進行で、『新しいアニメ(エヴァとは別)』を作っていた庵野監督。
しかし、『新しいアニメ』の製作が難航。やりたい事をやろうとすると、どうやってもエヴァンゲリオンみたいになってしまうと悩んでいました。
そこで、どうせ新しいものがエヴァンゲリオンみたいになるなら、「序破急」をただのダイジェスト映画ではなく、『新しいエヴァンゲリオン』として公開しよう。
という話になり、現在の『新劇場版エヴァンゲリオン:序、破、Q』が制作されました。
この裏話を知っていると、『新劇場版エヴァンゲリオン』を、違う角度でも観られるのでは無いでしょうか?
また、『序、破、Q』は、あくまで旧アニメシリーズと、旧劇場版の似た内容を繰り返しています。
(Qは違うけど、第九のシーンとかね(–;))
「元がダイジェスト作品だったから」ということも、もちろん理由の1つですが、
庵野監督は、意図的にあえて繰り返しているとわかる描写を、『新劇場版エヴァンゲリオン:序破Q』の中に描いています。
それが、『新劇場版エヴァンゲリオン:序破Q』を100倍楽しむポイントの1つです。
ポイント2:碇シンジのウォークマン
『新劇場版エヴァンゲリオン:序破Q』では、アニメシリーズや、旧劇場版とは違った、多くの追加シーンや変更点が描かれています。
その中でも、特に注目して欲しいのは『碇シンジのウォークマン』
正確には、あれはウォークマンではなく、SDATというものです。
碇シンジがSDATを使用するシーンは、Qアニメシリーズからありましたが、
新劇場版では、さらにSDATのシーンが入りました。
さらには、アニメシリーズでは語られなかった『SDATはゲンドウ(父)に貰った』という設定まで、追加されました。
なぜ、新劇場版でSDATを推してくるようになったのか?ここでは、その理由を考察していきたいと思います。
SDAT=人との繋がり、そして物語の進行状態を表している。
『新劇場版エヴァンゲリオン:序破急』では、碇シンジがゲンドウ(父親)の事を思い出すシーンで、SDATのカットが入ったり、アスカと添い寝してる時にもSDATが強調して描かれています。
例えば『新劇場版エヴァンゲリオン:序』の冒頭シーン。
父親ゲンドウに呼び出され、ミサトの迎えを待つシンジが、幼児期以来あっていないゲンドウの事を思い出すシーン。
アニメシリーズでは、「ボストンバッグ」→「泣いているシンジ」。
だったのが
『新劇場版エヴァンゲリオン:序』では『ボストンバッグ』→『SDAT』→「泣いているシンジ」
になっています。
この時点ではSDATは『父のとつながりを示すもの』
ですが、ここからアスカやレイ、カオルとの繋がりの象徴へと変化していきます。
このように、シンジと人との繋がりには、SDATが大きく関わってきています。
繰り返していた楽曲25と26。
シンジは、『新劇場版エヴァンゲリオン:序』と『新劇場版エヴァンゲリオン:破』では、繰り返し楽曲25と26を聞いています。
これは、旧アニメシリーズの最終話25、26話を表しています。
しかし、『新劇場版エヴァンゲリオン:破』で初登場した新キャラクター、『真希波マリ』に出会うことで、楽曲は27へ進み
さらに『新劇場版エヴァンゲリオン:Q』では、『渚カヲル』に『破』で壊れてしまったSDATを直してもらう事で、楽曲は28へと進みます。
このようにSDATは、『人との繋がり』と『物語が新たな方向に向かっている』ことを表しています。
こんなに重要な役目を果たしている『SDAT』に、注目してみるだけでも、『新劇場版エヴァンゲリオン』を、より楽しむことが出来るのではないでしょうか?
最近公開されたばかりの『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の特報映像2にも、シンジがSDATを持つ姿が描いていました。
SDATが次に、何の象徴として描かれるのか、見所ですね!
エヴァを楽しめるポイントはたくさんある
上記で書いた『SDAT』については『エヴァンゲリオン好き』な人の中でも、知らない方が多いのではないでしょうか。
それだけ『エヴァンゲリオン』という作品は、見応えがあり、奥深い作品でもあります。
庵野監督や、スタジオジブリでお馴染みの宮崎駿監督は、描くところ、描かないところ、説明するところ、しないところの取捨選択が本当に上手いです。
逆に上手すぎて、気づかなくても、違和感なく物語を観られます。
『人類補完計画』や『使徒』、『裏死海文書』などの、『エヴァンゲリオン』の用語の意味を知らなくても、戦闘シーンや人間関係の描写だけで、『エヴァンゲリオン』を楽しめてしまうのは、本当にすごい事なんです。
どうせなら、そんな天才クリエーターの傑作作品を、とことん楽しみたいですよね!?
そんな方々に向けて、これからもどんどん『楽しむポイント』についての記事を書いていくので、ぜひ、チェックしてみてください!
それでは次の記事で!