庵野秀明監督が手掛ける、『シン・ウルトラマン』が制作スタート。ゴジラとエヴァ。そして、ウルトラマンが大好きな僕からしたら、ものすごくうれしい発表です。
しかし、「エヴァンゲリオンだけ好き」というファンの一部の方は『シン・ゴジラのせいで新劇場版エヴァンゲリオンの公開が遅れた。』と思っている人も多いです。
そういったファン層は、今回の『シン・ウルトラマン』の製作発表を聞いて、不安になっているのではないのでしょうか?
そこで今回の『シン・ウルトラマン』の発表にあたって、庵野監督作品についての解説。そして今後どういった展開をしていくのか説明していきたいと思います。
目次
庵野監督と言えば『シン・ゴジラ』になった。
庵野秀明監督と言えば、2016年に公開された『シン・ゴジラ』が大ヒット。今まで『トップをねらえ』や『ふしぎの海のナディア』。『新世紀エヴァンゲリオン』などアニメ作品が多かった印象の庵野監督。
しかし、庵野監督は昔からゴジラやウルトラマンなどの大の特撮好き。『ウルトラマン』については、自らがウルトラマン役の自主制作動画を撮っていた程。
『エヴァンゲリオンQ』の製作後、鬱病になっていた庵野監督。盟友である樋口真嗣さんの熱意ある誘い、そして何より特撮映画への熱意から『シン・ゴジラ』の話が進んだそうです。
庵野秀明監督が総監督と脚本を務めた『シン・ゴジラ』は、従来のゴジラファンからも評価され、新たな「ゴジラファン」も増えた作品。
『シン・ゴジラ』のテーマは現実×虚構
現実×虚構とは『ゴジラ』という虚構の存在が現代の日本に現れたらどうなるか。
政府官邸での閣僚会議。東京都民の避難の様子。そして新しいゴジラ。全ての描きかたにベストが尽くされていました。
以前までのゴジラシリーズとは違い、ゴジラは着ぐるみによる特撮ではなく、モーションキャプチャーを使ったCGが使われていました。
ハリウッドのCG程ではありませんが、『ゴジラ』の魅せ方が工夫されており、迫力満点の『ゴジラ』がスクリーンいっぱいに暴れました。
ハリウッドのCGアクションものの予算の相場は300億円程、それに比べ『シン・ゴジラ』は15億円なので、CGっぽくなってしまうのはしょうがないのです。
ビルの倒壊のシーンなど、特撮で撮影されたシーンが所々に存在します。(庵野監督の特撮への愛が感じられる)
CGに予算がかけられなかったからこそ、特撮とCGを組み合わせることで、ある意味「ゴジラ」らしい作品を表現できていたのではないかと思います。
日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督を初めとした数々の賞も受賞。インタビューによると続編もあるとのこと。
『シン・ウルトラマン』は初代風に作られるのではないか
庵野監督は大の特撮好き。最近公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の冒頭10分映像の中には、特撮で使われる技術を模した演出があり、愛がにじみ出ていました。
そして上記でも書いたように、庵野監督は学生時代に自らがウルトラマン役を演じるショートフィルムを撮っています。(ソースはアオイホノオ)
『シン・ゴジラ』の製作関係者は、「庵野監督にとって、シンウルトラマンは特別な作品になる」と語っています。
『シン・ゴジラ』では「現代の日本に、ゴジラが出たらどうなるのか」を描いていました。しかし『シン・ウルトラマン』では、「初代ウルトラマンの世界観が庵野監督によって描かれるのではないか」と言われています。
あくまで個人的な考察というか妄想なんですが、もし舞台が現代日本ではなく、昭和時代を描くのならぜひ『帰ってきたウルトラマン』の世界観に近づけてくれたら、かなり胸熱ですね。
『帰ってきたウルトラマン』は新マン(シンマン)と呼ばれていたぐらいですし、時代背景も【古きよき昭和】という感じがします。(庵野監督作品のグドンとかシャムシエルみたいになりそう)
『シン・ウルトラマン』の出演者一部発表。
現在発表されている出演者には、ドラマ『きのう何食べた?』で活躍中の西島秀俊さん。『シン・ゴジラ』では自衛隊員役で登場していた斎藤工さん。そして最近だと、実写映画『キングダム』で美しすぎる楊端和を演じた長澤まさみさん。
もし、『シン・ウルトラマン』が初代ウルトラマンや従来のウルトラマンシリーズの世界観を描くのなら、『シン・ゴジラ』の自衛隊の役割は、『科学特捜隊』になるだろうと思います。
西島秀俊さんは科学特捜隊隊長ムラマツ役、斎藤工さんがハヤタ隊員、長澤まさみさんはフジ・アキコ隊員を演じるのではないでしょうか。
『シン・ゴジラ』には300人以上の豪華な俳優、女優がチョイ役で出演していました。
上記にもありますが、斎藤工さんは自衛隊員役で数秒間の出演。前田敦子さんは避難民役でワンカットなど。『シン・ウルトラマン』でもそういった豪華俳優、女優のチョイ役も見所のひとつになると思います。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開日は遅れるの?『シンウルトラマン』の公開はいつ?
庵野監督は現在、新劇場版『エヴァンゲリオン』全4部作の完結編にあたる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を製作中。
一作品に対する作り込みや、こだわりが強い庵野監督。
『シンウルトラマン』の製作で『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開が遅れるのでは?そう心配しているエヴァファンの人達も多いでしょう。
しかし、ご安心ください。今回『シン・ウルトラマン』の情報は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開目処が立ったからこそ発表された物です。関係者の方も、「封切りの目処は立った」と語ります。
先の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の特報映像では、公開日は2020年の6月とのこと。そこから数ヶ月後に撮影開始とするなら『シン・ウルトラマン』の公開は2022年辺りでしょうか。
庵野監督にとっての巨人はエヴァではなく『ウルトラマン』
『ウルトラマン』と言うと、子供向けのイメージ強いでしょう。近年のウルトラマンのストーリーは玩具メーカーとの兼ね合いもあり、おもちゃを売り安い話(子供向け)になっています。
そこら辺の大人の事情は仕方のない事で、コンテンツを存続させるのに必要な事です。
話がズレてしまいましたが、確かにどちらかと言えば子供向けの『ウルトラマン』でしたが、ウルトラマンは多くの監督に影響を与えてきました。
スティーブン・スピルバーグや、ギレルモ・デル・トロなど多くの人が影響を受けていました。(もちろんゴジラからも)
昭和のウルトラマンシリーズは一見子供向けに見えて、かなりハイエイジ向けのメッセージが多く存在します。(ウルトラセブンなんかは子供向けではなく大人向け作品です。)
そんな多くの監督に影響を与えてきた『ウルトラマン』。庵野監督にとっても特別な思い入れがあり、『シン・ゴジラ』同様『シン・ウルトラマン』が傑作になる事は間違いないでしょう。
しかし『シン・ゴジラ』公開の時のような、「ゴジラのせいでエヴァンゲリオンが遅れた」など、庵野監督自身をも否定するような心無い言葉が、庵野監督や製作陣に届かない事を願います。
まとめ:エヴァンゲリオン好きこそ、ルーツである『ウルトラマン』を観てほしい!
ウルトラマンとエヴァンゲリオンはかなり似ているところが多いです。
「人型が巨大な敵と戦う」というのもそうですが、エヴァンゲリオンに出てくる『NERV』という組織もそのひとつです。
NERVはウルトラマンに出てくる『科学特捜隊』をかなり意識して作られ、「パリにも同様の施設がある」など似ている部分も多いです。
ウルトラマンにはあまり描かれなかった、主人公属する組織(科学特捜隊)の他組織との連携。そういった細かい描写などが、『エヴァンゲリオン』ではリアルに描かれています。
『エヴァンゲリオン』という対使徒だけでなく、戦争にも使える兵器を持っている組織と、従来の兵器(戦車や飛行機)しか持ってない組織(国連軍)との摩擦や対立部分などが、「現実にエヴァがあったらこうなのかな?」と思えるよう、リアルに描かれています。
こういった虚構を現実に違和感なく混ぜる事が上手い庵野監督。
エヴァもゴジラもウルトラマンも大好きな私は今から『シン・ウルトラマン』が楽しみです。
それでは次の記事で!