2020年、ついに『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開されます。
2020年6月27日公開という、日付まで明らかとなり、各種前売り券の発売が決定されました。
第一弾の特報映像が公開された頃は「公開延期するんじゃないか?」という心配が、エヴァファンの間でささやかれていました。
しかし、日にちも確定され、前売り券も発売されると決まった今では、公開延期はよほどのことがない限り、ありえないでしょう。
心配されてたのにも理由があり、前作『エヴァンゲリオンQ』が公開されてから『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開までに、約8年もの月日が立っているからです。
良い作品が生まれるのなら、長く時が経ってしまうのは仕方がないと思っています。
ただ、長い時間が空いてしまうことで、『エヴァンゲリオン』という作品を忘れてしまっている人もいれば、新しく観始めた人もいます。
そんな人たちへ向けて、少しでもエヴァを楽しんでいただけたらと思い、前回の記事から『エヴァンゲリオンの用語解説』を始めました。
前回は『人類補完計画』についての解説&考察。今回は『インパクト』についての解説&考察をしていきたいと思います。
前回の記事はこちらです↓
目次
理解すれば、アニメから映画まで楽しめる。『インパクト』の意味。
エヴァンゲリオンは、専門用語がとにかく多いです。ただ、名前の印象が強いのが特徴的ですよね。
セカンドインパクトに関しては、「インパクト」って言っちゃってます。
『人類補完計画』人類を補完するって何?
『セカンドインパクト』2回目の衝撃って何?
一見、謎の言葉のように聞こえて、何か含みのある気がするエヴァ用語は、とても魅力的に思えます。
パワーワードとも言える「エヴァ用語」は、さまさまな漫画やアニメで、パロディのネタが作られました。そのおかげで、「言葉だけは知ってる」という人も多く、エヴァの多くの人への認知へと繋がりました。
まずは、知っている人も知らない人もアニメ版の『セカンドインパクト』について解説していきたいと思います。
海の色以外は、ほぼ同じだった?『アニメ版セカンドインパクト』
南極で起きた人類史上最大の災害。西暦2000年9月13日に発生したその災害は、謎の大爆発をおこした。
それに伴い全世界で地震や津波、地殻変動や地軸の変動が起きてしまった。
人間の住める環境は減り、多くの生物や植物が(豚、牛、鶏含む)が死んだため、全世界が食糧難に陥った。
災害をきっかけに、世界各地で戦争が勃発。東京にも新型爆弾が投下された。この時点で世界の人口は、災害前の半分になってしまった。
徐々に復興はされたものの、日本では海面の上昇による沿岸都市の消滅。
地軸の変動による日本列島全土の亜熱帯化が起き、四季はなくなり年中「夏」のみとなった。
爆心地である南極大陸は消滅しており、辺り一体は生命体が一切存在しない『死の世界』となってしまった。
要するに世界は、まるっきり別物になってしまったということ。
隕石の落下による事故が原因とされ、教科書にも上記のことしか説明されていません。
しかし、それは『NERV』の上位組織であり、世界を裏から操る秘密結社・ゼーレによって情報操作されたものです。
実際に起こった災害や紛争は事実ですが、大爆発が起こった理由は隕石の衝突ではなかったのです。
各国の偉い人達や、NERVの一部の人間には「葛城調査隊による巨人(第1使徒アダム)との接触」が原因と説明された。
しかし、それすらも本来の事象とは異なっていて、インパクトは「人間の手によって意図的起こされた」のです。
より厳密に説明すると、上記で説明したことはあくまで「起きることを知っていた」ことであり、ゼーレや碇ゲンドウの指示で、葛城調査隊が行ったアダムをロンギヌスの槍で、卵の状態に戻す儀式でした。
その際に発生する、莫大なエネルギーによって災害が起きただけで、本来の目的は完遂されていました。
しかし、なぜこの『インパクト』を『セカンドインパクト』と呼ぶのでしょうか?セカンドがあるということは、ファーストがあるということです。
ファーストインパクトとは?元々地球は使徒のもの。
ファーストインパクトに関する説明で、注意して欲しいことがあります。それは考察で補間している部分があるということです。
そもそも、明確にインパクトがなんなのか公式から説明されたことはありません。
アニメ放送当時からの、キャラクターのセリフや設定、公式から与えられたほんのちょっとの説明、実際にある宗教や関連事象から、できるだけ正解に寄せて、解説していきます。
もしかしたら『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』にて、新事実が公開されるかもしれないのでご注意ください。それでは解説へ。
地球が生まれる随分前から、宇宙には人間が考える神のような生命体が存在した。
彼ら(神のような生命体)は、「月」と呼ばれる箱の中に、体と魂が分かれた状態で収まっている。
そして、その箱を開けるものとしてロンギヌスの槍と共に宇宙を漂流していた。(※ロンギヌスの槍は封印することも出来れば、封印を解くこともできる)
彼らは、漂流の果てに付着した惑星に生命体を発生させることを目的としている。さらに、地球にも漂流してきた。
地球には、白き月アダム(神のような生命体の1人)が漂着し、個として生き延びることができる生命体、『使徒』を生み出した。
アダムは自分の子である、『使徒』を15体生みだした。
生み出された『使徒』は、まだ覚醒しておらず、卵の状態だったが、そこにもうひとつの「月」がやって来てしまった。
本来彼らは、ひとつの惑星にひとつの生命体しか移住しない予定だったが、後から来た黒き月リリスは地球に衝突。これが『ファーストインパクト』である。
白き月は、衝突による衝撃で地球から押し出され、地球の衛星『月』となった。
本来の地球の支配者である『使徒』は卵のまま、眠りについたままの状態で、リリスが生命体を生み出してしまう。
生み出された生命体はやがて、第18使徒リリン(人類のことを指す)へと成長。
高度に発達した生命体である人類は南極にて、第1使徒アダムを発見。同時に死海文書(アダムが持っていた、惑星付着後の計画マニュアルみたいなもの)を発見した。
自分達の出生の秘密や、『使徒』という存在を知った人類はアダムを卵の状態まで戻すため、ロンギヌスの槍を使った。
結果、大災害は起きたものの、新たな使徒が生まれること、胎児の状態まで戻すことに成功した。この大災害がセカンドインパクト。
つまり『エヴァンゲリオン』とは人類と使徒の生存競争の物語なのです。
自分の親の敵である氏族を、皆殺しにすれば人間側の勝利なんです。
そこに、ゼーレという組織が『人類補完計画』という、意味がわからない自己満足の計画を持ち込んだために、話がややこしくなっているのです。
ついでに『使徒』の説明をすると、
白き月アダムが第1使徒。黒き月リリスを第2使徒。アダムから生まれた生命体を3〜17使徒。リリスから生まれた生命体(人類)を18使徒と呼びます。
『使徒』という存在を『人間を懲らしめる神の使い』と考察する人いて、あながち間違っていません。ただ、それでは人間まで『使徒』と呼ぶのはおかしいですよね。
『使徒』とは、『地球に来た「彼等」の使い』という意味なのです。
新劇場版のセカンドインパクト。新劇場版特有の赤い大地とは?
実際に起きた災害、地軸の変動や戦争はアニメ版と同じです。
ですが、異なっている点は『南極にアダムが4体存在した』ところと、『海が赤い』というところです。
この2つの異なった点は、新劇場版の世界が、TVアニメ&旧劇場版の世界と繋がっていると考えることで説明がつきます。
旧劇場版では、人類補完計画がついに行われました。
旧劇場版のラストではリリスと9体の量産機、そしてエヴァ初号機によって人類補完計画の儀式が行われました。
しかし、エヴァ初号機の中で、トリガーとなった碇シンジの「寂しくて怖くても、それでも他人のいる世界がいい」という願いによって、儀式は行われたものの、人類補完計画は失敗しました。
人類の魂は記憶を消され、世界が再構築された世界。それが新劇場版の世界観です。
ただし、例外が存在します。
それは、神になった量産機の中にいた9体のカヲル君と、魂を機械化していたゼーレ上層部の記憶です。
その例外だけが、新世界(新劇場版の世界)へと引き継がれました。
つまり、新世界には神が9体存在するのです。
そのうち、4体の神を使ってセカンドインパクトが起こされました。
根拠として、『エヴァンゲリオン破』のカヲル君が月で目覚めるシーンでは、となりに空いた棺桶が4個、逆側には空いていない棺桶が4個あります。
そもそも、ゼーレが見つけた死海文書には、ロンギヌスの槍の使い方などはもちろんですが、『使徒』の襲撃がある事の予知もありました。
聖書ではイエスが、十字架にさらされた時に流れ出た血こそ人類の『贖罪』となります。
ゼーレは、人類補完計画のためにエヴァ初号機を十字架にさらしました。人類補完計画という計画は失敗に終わったものの、人類への贖罪は行われたのです。
エヴァ初号機融合したリリスから流れ出た血こそ、新劇場版での『赤い海』ではないでしょうか?
異論はもちろん認めます。笑
『エヴァンゲリオンQ』では、フォースインパクトという形で人類補完計画が行われようとしました。しかし、これもまた失敗?に終わりました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』では旧作では描かれなかった、本当に新しいエヴァンゲリオンのお話になります。
まだ、インパクトは起こるのか?そういった視点で見ても面白いかもしれません。
それでは次の記事で!