
今回は、漫画・アニメ『チェンソーマン』に登場する【幽霊の悪魔(ゴースト)】について考察・解説していこうと思います。
アニメ『チェンソーマン』が盛り上がる中、ついに全容をみせた幽霊の悪魔(ゴースト)。
デザインも能力も設定も最高にかっこいい…けど、一部では無能扱いされている幽霊の悪魔(ゴースト)について、無能扱いされている理由や、今後の活躍、元ネタについて解説&考察していきます。





幽霊の悪魔には藤本タツキ先生の好きなものやセンスが前面に押し出ているところにも注目です。
目次
幽霊の悪魔(ゴースト)とは。”不気味かっこいい”デザイン。



幽霊の悪魔とは『チェンソーマン』第一部の永遠の悪魔編にて初登場した公安(味方)サイドのキャラクターです。
契約者は退魔4課所属の姫野で、アキ以外の公安職員が狐の悪魔以外を初めて使役しているシーンに、読者はいろいろな想像が膨らみました。
顔は女性のような見た目をしており、黒い長い髪に縫われた口と目が印象的です。
首?のような部分には花が咲き誇っており、顔と体にミスマッチなところが不気味さに拍車をかけています。
首から下は蜘蛛のように手が無数にはえており、その手が自重を支えたり攻撃をします。
普段は手のひらに口が付いているだけで、契約者と会話をしたり右手の力を貸すだけですが、完全顕現すると全身が戦います。





個人的には見た目は大好きですね。人気投票も33位となっており、作者からコメントをもらえていますね。
幽霊の悪魔の能力と契約者は?接触不可能の最強遠隔攻撃。
幽霊の悪魔の契約者は姫野一人だけです。
呪いの悪魔や狐の悪魔のように、他にも契約者がいたかもしれませんが、第1部連載終了時点では他契約者は登場していません。
幽霊の悪魔の能力は、契約代償として右目を食べさせるだけで、不可視・接触不可の幽霊の腕を使うことができます。
幽霊の腕は、攻撃対象に一方的に攻撃することができ、対象は幽霊の腕を触ったり攻撃することができないので、契約者を先にどうにかしなければなりません。
腕一本でしか攻撃できないとなると、対悪魔戦には心もとないですが、対人間・対魔人には最強レベルに強い能力となっており、初見で首を締め上げられると抵抗しようがありません。
また、全身を捧げることで幽霊の悪魔本体が攻撃してくれます。
幽霊の悪魔本体は、巨体で3~4メートルは体長がある上、無数の接触不可の腕が攻撃してくるため、一対一だと弱点を見抜けない限り、並みの悪魔では勝ち目はないでしょう。
幽霊の悪魔の弱さは目が見えないこと?かわりに相手の恐怖心をみて戦う。
『チェンソーマン』に登場する全ての悪魔は、人間の恐怖心と密接な関係があります。
人間の悪魔が冠している名前の存在に対する恐怖心は、悪魔の強さに直結しています。
その点では“幽霊”の悪魔はわかりやすいほど人間の恐怖心を集めやすい名前を冠しています。さらに、幽霊の悪魔はまぶたが縫い付けられていて目が見えないため、かわりに相手の恐怖心をみて戦います。
幽霊の悪魔のデザインや、攻撃方法を見て、恐怖心を感じない人間は現実にはいないので問題はないように感じますが、チェンソーマンの世界には例外が多くいます。
幽霊の悪魔より高位の悪魔の恐怖心は薄いでしょうし、なにより幽霊の悪魔を怖がらない人間を幽霊の悪魔は攻撃することができません。
作中では、姫野が契約していた幽霊の悪魔に対して、恐怖より絆が上回っていたアキに幽霊の悪魔はほぼ無抵抗でやられています。
この幽霊の悪魔の“恐怖心”をみるという設定は、銃やチェーンソーと違って「信じている人しか怖がらない」という、皮肉にも”幽霊”の存在自体の儚さを表していると言えます。
幽霊の悪魔の最期。儚いのも幽霊らしい。
幽霊の悪魔は、姫野の犠牲もむなしくヘビの悪魔に敗れ、サムライソード編の最終決戦では敵としてアキと対面することになります。
未来の悪魔の未来視の能力と、天使の悪魔の特殊な武器で武装したアキも最初は苦戦しますが、弱点を見破られ敗北します。
そして、あまりにもあっさりアキに首を落とされます。
もはや、幽霊の悪魔は姫野の遺志を継いでいて、アキと戦いたくなかったのかなと思ってしまうほどです。幽霊の悪魔の花も考え方によっては、姫野を弔う献花に見えますね。
幽霊の悪魔の元ネタは貞子と伽椰子とフリクリ!?
幽霊の悪魔はのデザインはみての通り、幽霊の代名詞である貞子や伽椰子が意識されていると思います。
あの世界に、リングや呪怨があるかは知りませんが、怪異への恐怖を仰ぐような映画は禁書指定されてそう…。
幽霊の悪魔と言えば、アキに渡した姫野との絆の証である「Easy revenge(気楽に復讐を!)」と書かれたタバコが有名です。
これには元ネタがあり、おそらくアニメ『フリクリ』に登場した「Never Knows Best (ベストな方法はだれも知らないよ)」と書かれたタバコだと思われます。
『チェンソーマン』作者の藤本タツキ先生は、度々『フリクリ』が好きなことを公言しており、「チェンソーマンは邪悪なフリクリを目指している」と語っていたので、このシーンからはリスペクトを感じます。
幽霊の悪魔が無能といわれる理由とは?契約者の姫野が不憫すぎる。
ここまで幽霊の悪魔の能力やデザインについて解説してきましたが、ここからはとうとう幽霊の悪魔がなぜこんなにも無能と言われてしまっているか解説していきます。





姫野とアキ関連のエピソードもよかったし、恐怖心をみるという設定も最高にクール。だけど人気投票で上位にはなれない残念な部分がある?
契約者の姫野を失ったファンの怒りの矛先が幽霊の悪魔に向かっているようです。
無能ポイント①能力が軽く突破される。接触不可能。
幽霊の悪魔さんアニメでも漫画でも首斬られてかわいそう。
顔や首部分には当たり判定があるのが、ゲームのキャラクターみたい。 #チェンソーマン
— アリスケ (@walking_planets) December 3, 2022
幽霊の悪魔の能力のなかで一番強いのは、接触不可能の腕による攻撃でしょう。
パワーやサムライソードもこの接触不可能の攻撃には苦しめられていました。普通に考えたらこっちは触れないけど、あっちは触ってくるというのはまさにチートです。
しかし、作中ではこの強みは何度か破られています。
顔や首には当たり判定があるのか、サムライソードやヘビの悪魔の攻撃をくらっているほか、接触不可能なところしか強みがない腕も、天使の悪魔が作った特殊な武器にはダメージを与えられてしまいます。
永遠の悪魔編ではパワーの首を締め上げて強キャラアピールしたり、遠隔で永遠の悪魔と戦うデンジをサポートして活躍していましたが、そこから物語退場まであまりのあっけなさに、がっかりしてしまった読者も少なくないはずです。
やはり、本来はサポートや奇襲が向いているのかもしれません。
無能ポイント②蛇に負けた上に寝返る。
上記にて姫野先輩を失った読者の悲しみが、幽霊の悪魔に向かっていると書きましたが、筆者としてはそれもしょうがないと感じます。
『チェンソーマン』には多くの悪魔が登場しますが、高位の悪魔達や武器人間の戦いを除いて、普通に悪魔に負けた悪魔は幽霊の悪魔くらいです。
さらに、姫野が自分の体を全て捧げた結果のフルパワー顕現なのに、ヘビの悪魔に飲み込まれたあとは、しっかりフルパワーで顕現しているうえに、裏切って敵になっています。
悲しいのは寝返っても弱いところですが、ここまで弱いとあえて本気で戦っていなかったのかと本気で考えてしまいます。
無能ポイント③怖がられないと何もできない。
幽霊の悪魔の一番無能なポイントは怖がられないと何もできないというところです。
他の悪魔は人間からの恐怖心が少なかったり、無くてもある程度戦えますが、幽霊の悪魔は何も見えなくなってフリーズしてしまいます。
上記でも書いたように、それが信じている人にしか怖がられない幽霊らしくてかっこいい設定なんですが、怖がらない相手には契約者の指示がないと攻撃できないのは、やはり無能だと言われてしまっても仕方がないのかもしれません。
まとめ:幽霊の悪魔は最高にクールなデザインの無能な悪魔。
幽霊の悪魔の活躍は、おそらく永遠の悪魔編とタバコをアキに渡した時がピークでしょう。
デザインも設定も能力も全て深みがあってかっこいいし面白いんですが、活躍が微妙すぎて同情してしまいます。
ですが、幽霊の悪魔関連のエピソードは個人的に『チェンソーマン』の話の中でトップ5に入るくらい好きです。
アキと対面した時の幽霊の悪魔のたたずむ構図や、攻撃シーンの描写はめちゃくちゃかっこいいと思います。
以上まとめると
- 一部で無能扱いされている「幽霊の悪魔」
- 永遠の悪魔編が初登場
- 顔は女性のような見た目、首から下は蜘蛛のように手が無数にはえており、その手が自重を支えたり攻撃をする
- 接触不可能の腕による攻撃が可能
- 幽霊の悪魔は相手の恐怖心をみて戦う
- 幽霊を怖がらない人間を幽霊の悪魔は攻撃することができないという弱点
- 腕は触れないのに顔や首には当たり判定があるし、特殊な武器には本来触れない腕にもダメージが入っている
1部連載終了時点で姫野以外の契約者は登場していませんが、本体が倒されてような描写があるため地獄で転生しない限り再登場はなさそうです。
ただ、あまりにもサムライソード編でのあっけない最期には、なにより幽霊の悪魔本人が納得いってないはずなので、今後地獄が描かれることがあればちょこっとでもいいから登場してほしいですね。