今回は漫画・アニメ『チェンソーマン』に登場する【ゾンビの悪魔】について考察・解説していこうと思います。
デンジに明確に敵意を表していた最初の悪魔であり、物語の要所で活躍を魅せた“ゾンビの悪魔”。彼の強さについてヤクザとの関係やマキマとの繋がりも含めて考察&解説していきます。
ホラー、パニック映画では大活躍の“ゾンビ”。バイオハザードをプレイした人の中にはトラウマになった人も少なくないはず。気になる作中での強さは?
目次
ゾンビの悪魔とは。ヤクザとのグレーな契約内容。
名前 | ゾンビの悪魔 |
---|---|
契約者 | ヤクザ・マキマ |
能力 | 人間をゾンビにする |
初登場 | 1話 |
ゾンビの悪魔とは、漫画・アニメ『チェンソーマン』に登場する主人公デンジに敵対的な悪魔です。
デンジに対して特に因縁はありませんが、デビルハンターを強く嫌悪しており、常に人間(特にデビルハンター)の死を望んでいます。
腕や頭のない爛れた上半身の胸に、ボロボロの大きな顔が付いた不気味なデザインをしており、後に出てくる「人型に近いほど人間に友好的」という設定を照らし合わせてみると、人間が大嫌いなことがわかります。
ヤクザは力を得るため、ゾンビはより多くのデビルハンターを殺すため契約したと語っており、利害が一致しているようにも感じますが、ヤクザ側は『力を得る=ゾンビ化し理性を失い人を襲う』ということになっており、ゾンビの悪魔にしか利はありません。
悪魔は絶対に違約できないという設定はあるものの、抜け道やグレーゾーンがあることがわかります。
借金を盾に、弱者から搾取し続けていたヤクザにはふさわしい末路にも感じますが、少し同情してしまいます。
ゾンビの悪魔の能力。強すぎる増殖能力は実は吸血鬼の能力!?
ゾンビの悪魔の能力は“人間をゾンビにすること”です。ゾンビになった人間に噛みつかれるとゾンビになってしまうため、増やそうと思えば軍隊を作ることも可能です。
実は噛んだら増えていくというのは吸血鬼の特徴なのですが、映画での設定や近年のウィルス感染のようなリアルな設定が浸透したことにより、「ゾンビに噛まれた人間もゾンビになる」という能力が備わったようにみえます。
現に作中でサメの魔人や天使の悪魔がゾンビの肉を食べていますが、ゾンビになることはない為、“噛む”という行為は単なる儀式だと考えられます。
これで空気感染や接触感染でゾンビが増えていったら、触れたら増える人形の悪魔以上に強すぎる能力になってしまうので、デンジが武器人間化してからの初めての相手にはちょうどいい相手だったかもしれません。
ゾンビの悪魔の活躍。最強最高の”やられ役”
ゾンビの初登場は『チェンソーマン』の記念すべき1話です。デンジが初めてポチタと融合し”チェンソーマン”となって戦った相手です。
ゾンビの悪魔の戦闘方法は、基本本体は自衛のために戦うだけで、基本は物量作戦になります。なので対人戦のは圧倒的な強さを持っていますが、単体で強力を持っている上位の悪魔に本体を狙われてしまうと弱いです。
造られたゾンビも基本的には人間程度の力しか持っておらず、悪魔化したデンジには全く脅威になりませんでした。
無数のゾンビの上を歩きながらゾンビを殺しまくるデンジの狂気っぷりが最高にかっこいい…けどアニメでは変更されててちょっと残念でした。
ゾンビの悪魔はデンジだけでなく、公安退魔4課の良きやられ役になってくれました。
マキマと契約したゾンビの悪魔。戦力増強にはもってこい。
ゾンビの悪魔は、サムライソード編にて公安退魔課に全滅させられて消えたかと思いきや、物語最終盤にてまさかの復活を果たしました。
チェンソーマンを狙うマキマからデンジを守るため、善戦するパワーに対してゾンビの悪魔は脅威になりました。
武器人間や高位の悪魔には弱いと思われていたゾンビの悪魔も、本体がしっかりガードされていると恐ろしいポテンシャルを発揮します。
倒しても何度でも起き上がって、襲ってくる死の軍団にパワーは追い詰められていきます。
なんでマキマなんていう大物が、人間(ヤクザ)が殺されているからといって田舎まで子分を連れてやってくるのか疑問で、ずっと作劇上の都合かと思っていましたが、ちゃんと目的があったことがわかります。
ゾンビの悪魔は、デンジの人間としての人生の終わりと武器人間としての再生。
“チェンソーの悪魔としての終わり”と、”人間の心を持ったデンジとしての復活”に立ち会うにはふさわしい悪魔だといえます。
ゾンビの悪魔が抱える強さの矛盾。怖がる脳すらないゾンビ。
ゾンビの悪魔で流血鬼を思い出してしまった。 #チェンソーマン
— アリスケ (@walking_planets) December 5, 2022
ゾンビの悪魔は読者間の“強さランキング”に度々名前が出てきます。本体の戦闘能力は低いとはいえ、兼族を増やしまくれるゾンビ化能力は強力なうえ、“ゾンビ”という言葉が内包している人間の恐怖感情も高いです。
悪魔は冠する名前が人間に恐れられているほど戦闘力が上がるという設定があります。
ゾンビの悪魔は早期の駆除ができたから良かったものの、世界規模のパンデミックになっていたらゾンビの悪魔は更に強力になっていたでしょう。
しかし、ゾンビの悪魔は根本的に強さに対する矛盾を抱えています。それはゾンビになった人間は、怖がる脳すらなくなることです。
仮に、この世のすべての人間が全てゾンビになったら、誰もゾンビどころか悪魔も死も怖がることがなくなります。
SF、オカルト好きな人なら『死の終焉シナリオ』『流血鬼』と言ったらピンとくるかもしれませんが、人間の価値観や生活様式、文明が大きく変わってしまうだけでなく、悪魔も生まれてこなくなる可能性もあります。
そうなれば人間と超越者レベルの悪魔が共闘してゾンビの悪魔を倒す展開になるかもしれませんね。
まとめ:ゾンビの悪魔は理想的なやられ役。2部では正義の悪魔がポジションに
ここまでゾンビの悪魔の強さや能力、活躍について語りました。ゾンビの悪魔は理想的なやられ役だといえると思います。
読者が語感である程度の強い敵だと感じることができる上、自分でやられ役のゾンビを量産できてしまいます。”噛まれちゃダメ”というほどほどのハラハラドキドキ感もあり、最高の敵役ですね。
以上まとめると
- ゾンビの悪魔は武器人間化したデンジの初めての敵
- デビルハンターを強く嫌悪しており、常に人間の死を望んでいる
- ゾンビに噛まれた人間もゾンビになるという能力がある
- 本体を狙われてしまうと弱い
- 強さに矛盾があり、それはゾンビになった人間は怖がる脳すらなくなるということ
- ゾンビの悪魔は最高の敵役でありやられ役
第2部では、やられ役ポジションが正義の悪魔になっているので、ゾンビの悪魔の2部再登場はなさそうですが、新旧ショッカーポジション悪魔の共闘も観てみたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
一部で最強説が語られる“ゾンビの悪魔”。マキマ・ヤクザと裏でつながる狡猾さとゾンビが抱える根本的な強さの矛盾について考察&解説していきます。