『閃光のハサウェイ』がついに興行収入20億円を突破し、ガンダムファンの注目を集めています。
ガンダムシリーズの中で初めて観た映画が『閃光のハサウェイ』という方も多いようです。
『閃光のハサウェイ』の魅力は大迫力のモビルスーツ戦闘に加えて、個性あるキャラクター達が登場することも魅力のひとつです。
今回は『閃光のハサウェイ』に登場する、ハサウェイの敵役でありながら、映画のもう1人の主人公とも言える「ケネス・スレッグ」について語っていこうと思います。
対テロリストとして呼ばれた色男。
地球連邦軍の士官であり、階級は大佐。 アデレード防衛、対マフティーの切り札として、無能指揮官のキンバレーを更迭し司令官として着任します。
ブライトやアムロのように、成り行きで責任ある立場につくことになって、その運命に向き合っていくというキャラクターはかっこいいです。
しかし、叩き上げで大佐まで登り詰めた男というのも、やっぱりかっこいいです。
地球連邦軍の対マフティーの切り札「ペーネロペー」の開発にも携わっており、他にもマフティー対策として部隊の配置や戦闘訓練を入念にしており、まさにデキる男です。
マフティーの頭目であるハサウェイとはお互いに認め合う中であり、立場が違えばケネスが後衛指揮官、ハサウェイが前衛指揮官で最強の部隊が出来上がっていたのではないかと思います。
劇場版での活躍。ケネスは根っからの指揮官だとわかる。
乗馬鞭を振るい、テロリストには拷問をも辞さない冷酷な指揮官ではあるものの、来客や自分が認めた人物に対しては情に厚い男です。
ハサウェイ目線では、気の抜けない敵であり、ケネス自身もデキる色男として振舞っているものの、ギギにあしらわれるシーンやバツイチであったりと、憎めない存在です。
劇中では状況判断力の高さが特にわかりやすく描写されており、偽マフティーを制圧する時もハサウェイの次の行動を瞬時に予測し、上手く連携することで、あっという間にハウンゼンを取り返しました。
モビルスーツ戦闘においても、今までマフティーにやられっぱなしだったキンバレー部隊とは違い、マフティーの主力モビルスーツの鹵獲に成功しています。
戦闘において、キンバレー部隊はマフティーの後手に回るしかありませんでした。
戦闘を仕掛ける側と仕掛けられる側では、先手を取られるのはしかたがありません。勝機があるとすれば、それは相手が仕切り直しをはかったときです。
マフティー側のモビルスーツが目的を果たし、純粋なモビルスーツ戦闘に入る前の、立て直しの瞬間に攻撃を強めさせました。
「敵モビルスーツが市街地を背にして戦おうとする時がチャンス」と部隊に教えていたのだと思います。
これによって意表を疲れたマフティー側のモビルスーツは動揺し、鹵獲まですることができたのだと思います。
ネタバレ注意。小説版、劇場版の今後の活躍。
ケネスは最終決戦において見事な采配により、Ξガンダムを行動不能までおいやり、ハサウェイを逮捕することに成功します。
せめてもの情けとして、ハサウェイの処刑をブライトには知らせないよう尽力しますが、連邦軍の身勝手な理由により、ハサウェイの処刑は父ブライトによって執行されたという嘘の報道がされてしまいます。
これを機にケネスは地球連邦軍を退役し、ギギと共に日本の九州へと旅立っていきました。
この時ケネスは、「アムロやシャア、ハサウェイが活躍できるような組織を作りたい」と語っています。
ケネスは「旧組織が駆逐され、新しい組織が出来ても、悪癖は出る」と語っており組織というものについては嫌という程わかっているはずです。
それでも”自分がトップならつくれるかもしれない“という夢のようなことを語る姿は、皮肉にもギギがハサウェイに言った「絶対に間違わない独裁政権の樹立」という言葉を思い出させます。
やはりハサウェイとケネスは運命が少し違えば、最高コンビとして活躍していたのではないかと思います。
劇場版では小説版とラストが変わるかも?という噂もあり、今後のケネスの劇中での活躍が楽しみです。個人的には、物語のオチについては変わって欲しくはありません。
ただ、ハサウェイとケネスの2人がわかりあえるようなシーンが、小説版より少しでも補完されていると嬉しいです。