2020年1月に公開されたか『メイドインアビス 深き魂の黎明』がついにVODで配信され始めました。
『メイドインアビス 深き魂の黎明』といえばR指定を受けた映画ながら興行収入は6.5億を突発するという大ヒットを記録した作品です。
公開当初に感想を描きそびれてしまったのでこれを機に、レビューしていきたいと思います。
目次
レビュー1:まだ観ていない人は要注意。アニメを軽く超えるグロシーン。
まだアニメしか観ていないという人は要注意です。 アニメを超えるグロい表現があります。正直アニメも相当でしたが、また別のグロ表現がありました。
数が少ない分一つ一つにパンチが効いています。
非人道的な人体実験に少女解剖、アニメとは違う角度で攻めてきます。
公開当時2回ほど劇場に足を運びましたが、上映中に離席する人を2回ともみかけました。
個人的には、アニメよりも劇場版の方が精神的にきついと感じました。(特にレグの人体実験シーン)
視聴前から漫画を読んではいたので、展開やグロ描写は初めから知っていました。
しかし、アニメによる生々しいグロ描写や声優さんの声つきで観てみると格段に表現が強くなっていると感じます。
海外のスプラッタ映画とは違い、爽快感とかは全くなく人の死生観に迫るシリアスな表現な分、逆に気分が悪くなってしまう人も少なからずいると思いました。
R指定はこいつのせい。ボンドルド好きは必見。
アニメの映画でR指定を受けるのは、なかなか珍しいです。
しかもR指定といっても、劇場版鬼滅の刃のように親同伴なら観れるというわけではなく、R15+なので15歳未満は視聴出来ません。
ここまで制限がきつくなってしまったのも、全部ボンドルドのせいですね。
人体実験も人体解剖もやって最後には自分も真っ二つになるという、ボンドルド一人でR指定を貰ったようなもんです。
そういう視点で観るとまた違った楽しみ方をできます。アニメでは戦闘描写はなく、実際何をやっていたのかは氷山の一角しか描かれませんでした。
ボンドルドがどんな人格があり、どんな目的があるのか知ることができたのは、ボンドルド好きにはたまらないと思います。
個人的にもメイドインアビスという作品においてボンドルドはとても重要なポジションであり、お気に入りのキャラクターでもありました。またボンドルドに焦点をあてた記事も描きたいですね。
レビュー2:秘境の美しさもしっかり描く。シリアスを引き立てる冒険要素。
こちらの記事でメイドインアビスを秘境探検物としてその魅力を紹介していますが、『 深き魂の黎明』では「冒険」「秘境」要素は少なめです。
物語はボンドルド戦がメインで、イドフロント(前線基地)については深堀されますが、アビスの生態系の解説みたいなものは少ししか出てきません。
しかし、その少し明かされるアビスの生態系も設定が凝っていて、キャラクター達の反応も観ていて面白いです。
少ない描写でもちゃんとリコ達が感じているだろう冒険のワクワク感が伝わってきます。
その分シリアスな描写が際立つようになっていて、単なるグロ描写として敬遠するのではなく、キャラクター達の目線になって物語に集中できます。
最後に。ココ最近で1番のエンドロール。
冗談抜きでココ最近で1番面白いエンドロールだと思いました。
MARVEL系の作品もエンドロールが凝っているものが多いですが、それを超えてくる面白い演出だと思います。
黒背景に白文字だけというのも余韻があっていいんですが、その余韻と演出の面白さ両方の良さを『深き魂の黎明』のエンドロールは併せ持っていました。
さらなる下層へと沈んでいく、リコ達を乗せた祭壇はまるで深海を進む潜水艇のように描かれます。
周りには様々な海洋生物が描かれ、中には祭壇よりも大きな生物もいます。
巨大生物にぶつかられでもしたら、それだけで祭壇が壊れて溺れ死んでしまいそうです。
海洋恐怖症の人には厳しい演出かもしれませんが、とても神秘的でもあります。
エンドロールの文字と奥の海洋生物とで奥行が出るように描かれていて、劇場で観るとまるで水族館にでも行ったような気分になります。
これはテレビ画面で観ても感動しました。
絵には色がほとんどついてなく、生物や背景は白と黒の濃淡で描かれているのですが、だからこそ通常の白黒のエンドロールのような余韻を感じられるのだと思います。
白と黒といえばどちらかと言えば、お葬式や死などのマイナスのイメージを感じますが、そこには生き生きと生物が生きている様子が描かれています。
巨大な水槽、深海をみているような気分でありながら、顕微鏡を覗いているような気分にもなります。
まさにアビスという巨大な生態系のほんの一部を覗き見ているようで本当に面白いエンドロールです。
正直このエンドロールのためだけでも1時間44分観る価値があると思います。
メイドインアビスのアニメや漫画だけしか観たことないという方にはぜひ一度観ていただきたい作品でした。