2021年11月30日より配信が開始されたアプリ『”機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』にて新作アニメが楽しめるストーリーが登場することで話題になった『機動戦士MOONガンダム』。
さらにPS5/PS4ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』にも『MOONガンダム』に登場するMSが続々参戦しており、ガンダムファンからの注目が集まっています。
『ムーンガンダム』とは、∀ガンダムや機動戦士ガンダムNTで有名な福井晴敏氏漫画原作のガンダムシリーズ作品です。
モビルスーツのデザインは無骨な宇宙世紀のモビルスーツの良さを残しつつも、シャープにカスタムされたものが多く登場し、個人的には漫画を読んでいて飽きませんでした。
しかし、中にはつまらないとの意見もあり、その理由やストーリーについて解説していこうと思います。
ネタバレはなるべく避けるので、これから漫画読もう、アニメを観ようという方は参考にしてみてください。
目次
『機動戦士MOONガンダム』とは?逆襲のシャアとの繋がり。
機動戦士MOONガンダム』とは、宇宙世紀を舞台にした作品で、『ZZガンダム』と『逆襲のシャア』を繋ぐ物語です。
『ムーンガンダム』とは物語に登場するモビルスーツであり、いわゆる“主人公機体”です。背中にまるで月のようなサイコプレートを背負っているのが特徴的です。
機動戦士ガンダムΖΖに登場したスペースコロニー「ムーン・ムーン」に住む少年が主人公で、宇宙世紀から忘れられた人々の視点として物語は描かれています。
主人公ユッタが住むムーン・ムーンでは、外界の技術(モビルスーツ等)を使うことが禁止されており、生活水準や医療技術のレベルは旧世紀と比べても低いです。
医療技術が足りてないことが原因で父親を亡くした事と好奇心旺盛な性格から、ムーン・ムーンの体勢が気に入らないユッタは、外の世界に興味を持ちます。
ムーン・ムーンの戦士隊に入隊後、初めての宇宙航行でひょんなことからミネバ・ラオ・ザビに出会い、宇宙世紀の戦いに身を投じていくことになります。
ここがつまらない?気になる時代設定と奇妙なユニコーンガンダムとの繋がり。
物語はサザビーの元となった機体『ムーンガンダム』を中心に展開していきます。
ニュータイプの兵器転用など、『ZZガンダム』や『逆襲のシャア』を知っているとより楽しめるものになっています。
さらにZガンダム、ZZガンダムを終え、宇宙に上がった後のアムロの様子も描かれており、ファンにとっては熱い展開が多くあります。
しかし、物語の設定や描写に違和感を感じる方も少なくないようです。
ニュータイプっぽい少年が、ミネバに関わりながら戦いに身を投じていくストーリーは、あの『ユニコーンガンダム』に似ています。
それもそのはずで、元々の『ユニコーンガンダム』とは、MOONガンダムのアニメ化がボツになり、そこから生まれた企画なのです。
宇宙世紀の懐かしいモビルスーツ達のカスタム機が登場したり、赤く発光する機関を持つガンダムなど、意識してみると類似点が多くあります。
ユニコーンガンダムを気に入ってる人はどうしても意識してしまうかもしれません。
このあたりの設定かぶりともいえない部分が、足枷となって、物語に没頭できないという方は少なくないようです。
さらに、主人公機体である「ムーンガンダム」の登場が遅いというのも、物語の低評価につながっているようです。
『機動戦士MOONガンダム』に登場する主人公機体「ムーンガンダム」は、なんと登場するのが2巻の終わりです。
それも現れてすぐ戦闘するのではなく、顔見せ程度でなんとなく今後の展開を匂わせる程度です。
これまでのガンダムシリーズからするとかなり遅く感じます。
主人公機体が途中から参戦した『Zガンダム』も前作主人公機体のガンダムの後継機が第1話から活躍していました。
この主人公機体の登場の遅さは、ムーンガンダムの特殊な設定が起因します。
ムーンガンダムとは「バルギル」というサザビーの元になったMSと、あのサイコガンダムの後継機「サイコガンダムMk-IVG-ドアーズ」の部品を寄せ集めて出来た機体なのです。
戦闘によって頭部を破損したバルギルと、体とサイコプレートを破損したG-ドアーズのパーツを合わせてムーンガンダムは造られており、逆に言えば上記のモビルスーツ2機が壊れないと造ることができなかったのです。
その分、バルギルやG-ドアーズの活躍が描かれていますが、「ムーンガンダムとはなんぞや?」と読みはじめても、展開が遅くてつまらないと感じてしまう方が少なくないようです。
ただ、それらが登場した時のインパクトや盛り上がりは凄まじく、活躍までゆっくりで良かったと思います。
たしかに、ミネバの生い立ちや成長も、ユニコーンガンダムでの人格の成熟度と辻褄が合わないような気もしますし、「こんな出来事があったのにユニコーンでは何も思うところがなかったのか?」など、ついつい考えてしまいます。
一方で、『MOONガンダム』での後悔が『ユニコーンガンダム』序盤のミネバの戦争へ対するやるせなさに繋がっていたのかもしれないと考えることもできます。
『ユニコーンガンダム』と重なる部分や比べてしまう部分もありますが、個人的には全体的に面白いと思いました。
逆襲のシャアの決戦前のアムロが所属するロンド・ベルが活躍するシーンや、サイコミュ兵装の細かい設定は他に類を見ない面白さがあります。
メカニックデザインはあの『鉄血のオルフェンズ』も手掛けた形部一平氏であり、モビルスーツのかっこよさは好みもありますが、個人的にはアムロが搭乗するディジェのカスタム機体であるリック・ディジェがめちゃくちゃかっこいいと思いました。
たしかに、他のガンダム作品と比べると気になる部分はありますが、それを差し引いても『機動戦士MOONガンダム』は面白いと思います。
そして、『機動戦士MOONガンダム』を知ることによって『ZZガンダム』や『逆襲のシャア』をより楽しむこともできます。
もしかしたらアニメ版では、漫画版よりも他のガンダム作品に矛盾がないようにより細かく設定がついたり、描写の変更があるかもしれないので、そこも楽しみにしたいですね。
アプリ・ゲーム・アニメ『ムーンガンダム』を楽しめるメディアが多数。
2017年に連載がスタートされ、2018年にはムーンガンダムがプラモデル化。そして2021年にアニメ化がされこのままの勢いが続けば映画化もありえそうです。
そんな『機動戦士MOONガンダム』を楽しめる漫画以外のメディアを紹介していきます。
アニメが観られる新作アプリゲーム『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』
機動戦士MOONガンダムのアニメが観られることで注目を集めていますが、他のガンダム作品の実際のアニメ映像を観ることもできます。
音声ありの丁寧なストーリー解説もあるため、ガンダム初心者の方ほどおすすめできます。
PS5/PS4ゲームでプレイできる『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』
PS5/PS4にて無料ダウンロードできるゲームで、宇宙世紀の渋いモビルスーツ達が参戦しており、宇宙世紀が大好きという方にはおすすめできます。
モデリングがかっこよく、好きな機体はもちろんいままで注目したことのなかったモビルスーツの魅力にも気がつくことができます。
しかし、6VS6のオンラインバトルが基本の為、ストーリーを楽しむのでは無く、あくまで自分が好きな機体でバトルするという感じです。
そのため、ムーンガンダムを知るためにプレイするというよりも、ムーンガンダムが好きになったからプレイするというのがおすすめです。
以上が『機動戦士MOONガンダム』を楽しむことができる漫画以外のメディアになります。
『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』でムーンガンダムを知っていくというのもいいですが、個人的にはやはり最初に漫画版を読んでみることをおすすめします。
なぜなら『機動戦士MOONガンダム』には上記でも書いたようなロンド・ベル隊の活躍やサイコミュの細かい描写があり、じっくり楽しみたいという方は漫画版があってるかもしれません。
『水星の魔女』『ククルス・ドアンの島』『ウルズハント』など、他にも目を引くガンダム作品が多数ありますが、今が熱い『機動戦士MOONガンダム』も是非知ってみてください。