皆さんはパクリやオマージュの境界線を知っていますか?
アニメや映画、漫画、音楽など様々な分野でオマージュという言葉が使われています。
オマージュと似た意味で使われている、インスパイアや、リスペクト、モチーフなど、たくさんの言い回しがあってよくわからないですよね。
今回の記事では、オマージュやパクリの本来の意味を実際の作品に沿って解説していきます。
本来の意味を知っておくことで、作品に対する価値観が変わってくると思います。
※この記事はオマージュやインスパイアを受けた作品を批判する物ではありません。
「この作品はここパクってる!」などの指摘ではなく、それぞれの良さを紹介していきます。
そもそもパクリとは何なのか
- 大きく口をあけて食べる。ぱくぱく食べる。 「池の鯉がえさの麩(ふ)をさかんに-・っている」
- 商品や手形などを,だまし取る。盗む。 「手形を-・る」
- 他人のアイデアを剽窃する。 「メロディーを-・る」
- つかまえる。逮捕する。主に受け身の形で用いられる。 「犯行がばれて-・られた」
この「パクリ」についてはネット上でも様々な議論ががされてきました。その中で以下のような解釈がイメージ的にも正しいと思います。
オマージュ
過去の名作に尊敬の意味を込め、敢えて部分的に演出・表現を似せる技法のこと
例)ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
リスペクト
過去の名作に尊敬の意味を込めて、対抗・意識してオリジナルスト−リーを創作する行為のこと
例)シン・ゴジラ
パロディ
有名作品を部分的に面白おかしく表現・演出する行為のこと
例)銀魂
インスパイア
有名作品を著作権者の同意の下、元の作品から影響を受けた作品をつくること
例)エイリアン
モチーフ
創作のアイデアを他作品・歴史等に求めて作品をつくること
例)バガボンド
モジル
作品に登場するキャラ等の名詞をわざと他作品から持ってくること
例)ジョジョのスタンド名など
カバー(これはもともと音楽用語)
既存の作品を独自の解釈でリメイクすること
例)スターウォーズ ローグ・ワン
王道ネタ
そのジャンルの作品を円満に進行していくにあたって避けて通るのが難しいこと
例)敵だったライバルが仲間になる
かぶりネタ
アイデアが被る事、有名作品やヒット映画などの影響で多数でネタが被ること
例)敵のボスが実の父(ダースベイダーなど)
パスティーシュ
過去の名作を下敷きにオリジナルストーリーを創作する行為のこと
例)○○対シャーロック・ホームズ
ユニバース作品
各作品のキャラクターを借りてきて同じ世界、同じ時間軸で新たな作品をつくること。その中にパロディやリスペクトが入る事もある。
例)アベンジャーズ
このように「ただ似ている部分がある」ことでも、一概にはパクリと言えません。
作者が敬意を表している場合や、そこから新たにアイデアを飛躍させているものまで多くあります。
あの進撃の巨人にもオマージュが
進撃の巨人の作者である諫山創(いそやまはじめ)さんも、その作品がなかったら進撃の巨人がなかったと言うほど。
しかしその作品については多く語りたいことがあるので次の記事で!( ˊᵕˋ ;)
この時代、何かの作品に似ないようにするのはとても難しいことです。
いろんなアイデアが溢れていて誰の目にも止まる時代、作者にそのつもりがなくても「これは○○のパクリだ!」なんてネットで勝手に叩かれたりします。
あえて王道を行っているだけなのにパクリだと叩かれたら、せっかくの面白い物語を読者が壊すことになってしまいます。