『スターウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』が公開され、海外エンタメ情報誌Varietyの調べによると、全米の総興行収益は4億5000万ドル(約488億円)を超え、
世界興行収入は、9億1900万円(約996億円)で10億ドルもすぐにも突破する勢いをみせているそうです。
『スターウォーズシリーズ』の新エピソード三部作である、『エピソード 7 フォースの覚醒』や『エピソード8 最後のジェダイ』ほど、未だ総興行収入が達していないものの、時間の問題かもしれません。
『スターウォーズ エピソード1~6』の蛇足とまで言われている『スターウォーズ エピソード7』以降の、新エピソード完結作である『スターウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』は、
「終わったはずの最後を見届けなければならない。」という気持ちの“スターウォーズのファン”が足を運んでいることでしょう。
しかし、ここまで興行収入が伸びるというのはには必ず理由があり、そのひとつはリピーターの存在です。かくいう私も、前回の記事で酷評しておきながら、3回目の視聴をしてきました。
前回の記事はこちら⤵︎
【批評】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レビュー。続編がある完結編を穏やかに観られるわけが無い。【ネタバレ】
私がリピートした理由は、分析や考察をするため、「字幕、吹き替えどちらも見たい」という理由ですが、おもしろいからリピートするという方も、もちろんいると思います。
今作『エピソード9』は、前回の『エピソード8』が酷かっただけに「まあまあ良かった」「思ったよりは酷くない」という評価が多数見受けられます。
評価が良かった理由としては、「王道路線を貫いた」ことや、「不快感なくスッキリ終わった」等の理由がある他、「過去作のリスペクトが伝わってきた」というのが大きいと考えられます。
ルークのXウィングの再登場や、イウォークの再登場等のJ・Jが、用意した過去作を感じられるシーン。
今回はそのファンを泣かせに来たとも言える数多くのシーンの中でも、「特に過去作のリスペクトが感じられる2つのシーン」について解説していきたいと思います。
※下記には『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』の重大なネタバレが含まれます。
リスペクト1:ランドが助けにくるシーンは『 エピソード4』のオマージュ?
個人的に『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』で最も鳥肌のたったシーンは「劣勢の反乱軍にランド率いる民間船が助けに来た。」ところです。
シーンの背景としては、
帝国軍の攻撃は凄まじく、すぐにも反乱軍は劣勢に追い込まれてしまう。「数が多すぎる」思わずポーが弱音を吐いてしまったその時、「こっちも多いぞ(味方が)」というセリフと、スターウォーズのテーマと共に、颯爽とかつての将軍ランド・カルリジアンが、ミレニアムファルコンに乗って助けに来てくれる。
時代遅れの戦艦や民間船が、いくら集まっても最新鋭の戦艦には勝てない気がします(ジパング参照)。ただそんなことはどうでも良くなるほどのかっこよさ。
『スターウォーズ・エピソード9』にランド・カルリジアンが登場することは事前情報としてあり、私はランドが大好きなキャラクターなので、「ランドまで自分たちの都合で殺したら絶対許さない」と願いながら観ていましたが、まさかこんな見せ場が用意されているとは思いませんでした。
ん?このシーンどこかで見たことがあるような…
そう、このシーンは『スターウォーズ エピソード4 新たなる希望』の「ルークをハン・ソロが助けにくるシーン」にそっくりなのです。
オマージュなのかJ・J・エイブラムスが過去作の真似なのかは、ひとまず置いておくとして、これには思わず涙が出そうになりました。
共通点として、エピソード4のハンも、エピソード9のランドも「一度身を引いたけど、仲間を助けに来てくれる」という部分です。
散々「新しいスターウォーズをみせる」と言っておいて、「結局王道のスペース西部劇をやるのか」と呆れていましたが、それでも過去作のスターウォーズを模した王道展開には胸が熱くなります。
さらに吹き替え版に限った話になりますが、馴染みあるランドの声は、ランドを担当した声優の若本規夫さん。若本規夫さんの声で「こっちも多いぞ」と助けに来てくれるシーンは、なんともいえない感動がありました。
リスペクト2:レイを鼓舞する歴代ジェダイの言葉。
パルパティーンとレイの最終決戦の中。圧倒的なパルパティーンの力に押され、ついに倒れ込んでしまうレイ。それを鼓舞するのはフォースで霊体化した『歴代のジェダイ』達だった。
私は『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』を字幕、吹き替えともに観ましたが、このシーンに関しても吹き替えをおすすめしたいと思いました。
シーン回想
1人目、レイにまず声をかけたのが『オビワン・ケノービ』。「これがお前の最後のステップだ。」これは『フォースの覚醒』にてレイに、「これが最初のステップだ」とオビワンが語りかけるシーンに通じる。
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さらに2、3、4人目にアナキン、アソーカ・タノ、ケイナン・ジャラスが「レイ!」と声をかける。
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続いてアナキンが、「私がやったようの、フォースにバランスをもたらせ」と語りかける。エピソード6にて、ライトサイドへの帰還を果たし、フォースのバランスをもたらしたアナキンが、次はレイの任を託す。
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さらに続き、ルミナーラ・アンドゥリが「光をもたらせ」と語りかけた後に、ヨーダが「お前は1人だったわけじゃない」と励ます。
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ヨーダに続き、クワイ=ガン・ジン「全てのジェダイが、お前の中で生きている」と語り、アナキンが「お前はフォースに囲まれている」と言う。
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アイラ・セキュラ、メイス・ウィンドゥ、アナキン、ガディ・ガリアが、「フォースに導かれろ」「フォースはお前の中に流れている」「フォースに持ち上げてもらうんだ」「立ち上がれ」と続けて励ます。
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クワイ=ガン・ジンが「我々はお前の後ろに立っている」と語る。
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旧三部作のアレック・ギネス演じるオビワンが、レイの名前を呼びます。続いてヨーダ、ケイナン・ジャラスが「フォースの中立ち上がれ」「ジェダイの心には彼らの力が宿っている」と語りかける。
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この頃から、レイは力を取り戻し始め、立ち上がろうとし始める。そこへオビワンとクワイ=ガンが「立ち上がれ!」と言い、最後にルークが「レイ、フォースはいつだってお前と共にある」と。
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レイは完全に力を取り戻し、パルパティーンを見事打ち倒す。
J・Jは、「プリクエルはオリジナルほど好きじゃない。」と言いつつも、プリクエル(エピソード1.2.3)のキャラ、アニメの『スターウォーズ クローン・ウォーズ』からもキャラを引っ張り出しています。
J・Jのインタビュー等を知らなければこのシーンは、本当に熱い王道ストーリーなのです。
個人的にはオリジナル(エピソード4.5.6)もプリクエル(エピソード1.2.3)も同じくらい好きですし、アニメ『クローン・ウォーズ』を好きな方も多いと思います。(私も好きですが、字幕版では気づけなかった笑)このカメオ出演に関しては純粋に嬉しい演出でした。
他にもオリジナル&プリクエルのスターウォーズっぽさを感じられるシーンや小道具、キャラクターは数多く存在していましたが、今回は特に心に残る2つのシーンについて解説してみました。
『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』だけでなく『スターウォーズ』に関しての解説&考察を他にもしていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
それでは次の記事で!