※タケヤ式自在置物 KT-028 トルメキア装甲兵 クシャナ親衛隊Ver.(20年7月発売)より
海洋堂さんからなんと、漫画版『風の谷のナウシカ』に登場するトルメキア装甲兵のフィギュアが発売されます。
個体差があることは予想されますが、海洋堂から発売されるとなれば、ある程度の出来は約束されるでしょう。(フィールドアーマーが微妙だったので不安はありますが…)
なんといっても漫画版のトルメキア装甲兵をピックアップするセンスがいい。
今回は哀れだけどかっこいい漫画版のトルメキア装甲兵を振り返っていきましよう。
トルメキア装甲兵のかっこよくも哀れなシーン。宮崎駿監督が描く男と女。
頑張りすぎちゃうと男が、女からしたらありがた迷惑になってるシーン。かっこいいけど哀れな男達。こういう宮崎駿流の男と女の関係が「ハウルの動く城」ではじっくりと描かれてるから好き。 pic.twitter.com/91px8oK7qE
— アリスケ (@walking_planets) May 24, 2020
こちら漫画版『風の谷のナウシカ』の一番かっこいいと言ってもいい、土鬼(ドルク)とトルメキア第三軍の戦闘シーンの2コマ。
見事に奇襲を成功させたクシャナ軍が撤退する際、ナウシカが1人残って土鬼の兵隊達を食い止めるシーンです。
自分たちのために戦うナウシカを助けるために、装甲兵達は助けに向かう事を決意しますが、ナウシカからしたら大きなお世話でした。
良かれと思った行動が、実は女の子の迷惑になっているというのは、男からしたらちょっと胸が痛くなりますよね。
しかし、かっこよく見えるのは確かです。
ナウシカの人柄あってこそですが、「1人残った少女」を助けに行くというのはまさに武人の鑑です。
男からしたら、「助けに行く」と言った兵士は勲章もので「よく言った!」という感じですが、女性目線だと「わかってないなあ、余計なお世話なのに」という感じかもしれません。
このシーンは宮崎駿監督が考える『男』と『女』の関係が、とてもよく描かれていると思います。
『男は、自分を犠牲にしてでも何かを成し遂げること、「名誉」や「プライド」を大事にしますが、女性はもっと根本的な「健康」や「生き延びる」ことを大事に思います。
一人暮らしする息子に対して、母親が「体を大事にしていつでも帰っておいで。」と言い、父親は「人旗上げてこい。」と、重きを置く観点が異なります。
心から1人でも多く助かってほしいと思う「ナウシカ」と、少女1人を犠牲に助かるのはプライドが許さない「トルメキア装甲兵」。
男のかっこいいけど哀れな部分と、女性のつめたいけど慈愛に満ちている部分を宮崎駿監督は描こうとしているのではないでしょうか。
「女性のためを思って行動するけど、空回りしてしまう男性。」「男性の行動が嬉しいけど、心から喜べない女性。」この宮崎駿監督の男女像は、宮崎作品の中で丁寧に描かれています。
その考えが、特に描かれているのが「ハウルの動く城」でした。
「戦争は自分がとめる。」「ソフィーを守るためなら頑張れる。」そう思っているハウルと、
「私の事を大切に思うなら、自分の身体を大事にして欲しい。」「戦争なんてほっといて遠くに逃げよう。」と思っているソフィー。
現実の男女の関係にも刺さるテーマだからこそ、宮崎駿監督が描く男女に惹き込まれてしまいます。
余談:ヴ王親衛隊トルメキア装甲兵もかっこいい。
今回海洋堂から発売されるトルメキア装甲兵は、クシャナ親衛隊だけではなく、ヴ王親衛隊のトルメキア装甲兵も発売されます。
ヴ王親衛隊のトルメキア装甲兵達には、「哀れだけどかっこいい」なんてものは無く、保身のためなら王をも見捨てるような薄情で醜い部分ばかりでした。
しかし、同じく醜い闇の帝王パルパティーンに使えるロイヤルガードのような、表情の読み取れない寡黙なかっこよさがあります。
ストームトルーパーやクシャナ親衛隊のトルメキア装甲兵からは、メットを被っていても伝わる愛嬌がありますが、ロイヤルガードやヴ王親衛隊のトルメキア装甲兵には、愛嬌が感じられません。
ヘルメットからにじみ出る「話通じなさそう感」のデザインが上手いですよね。さすが天才ジョージ・ルーカスと宮崎駿。
トルメキア装甲兵全二種類。どちらも欲しいですが金銭的にどちらも買うことは不可能。悩みどころです。
みなさんもこれを機にトルメキア装甲兵のかっこよさを振り返ってみてはいかがでしょうか?
それでは次の記事で!