こんにちはありすけです。
今回は『メイドインアビス』烈日の黄金卿編に登場するキャラクター『ワズキャン』について解説と考察をしていこうと思います。
ついに『メイドインアビス』アニメ二期が公開されやて、毎週あのシーンはどうなるんだろう?このシーンはどうなるんだろうとワクワクしています。
なかでも一番楽しみなのは『ワズキャン』が描かれるシーンです。人間体のワズキャンは既に登場していますが、はやくなれ果ての姿になったワズキャンを観たいです。
ワズキャンは怪しげな見た目で、つかみどころのない軽い性格に、何か企んでいるような不気味な雰囲気がとても魅力的です。
ファンからは声優がワンピースのサンジと同じ平田広明さんなことから、Twitterで“闇サンジ”とネタにされていましたね。
ただ、SNSやレビューを見ると、このワズキャンというキャラクターの目的がイマイチ不明だという声がありました。
そこで今回は『ワズキャン』の正体や目的、その魅力もあわせて語っていこうと思います。
目次
三賢の一人。未来が見える男、ワズキャンとは。
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」で
ワズキャンの声を担当するのは、
平田広明さんです。https://t.co/e3wSp1uRcF#miabyss pic.twitter.com/w4We0kyOtj— アニメ「メイドインアビス」公式 (@miabyss_anime) December 4, 2021
ワズキャンとは、未来を予知する能力を持っている、深界六層『還らずの都』の成れ果て村にいる三賢の一人。
未来を予知する能力を持っていることから、村人たちからは一目置かれる存在です。不気味な容姿をしていますが、軽いノリでリコたちに接しており、村で生活する上で重要な“価値”について教えてくれます。
いい人ではなさそうですが、悪い人でもなさそうなのがこのワズキャンというキャラクターの魅力でもあります。
リコと初めてあった時、既に彼はなれ果ての姿をしていますが、もともとは人間でした。
ワズキャンは、アビスの奥底にあると噂される黄金卿を目指した決死隊の実質的なリーダーのようなポジションで、どんな時も的確な判断をすることができることから、嘘か誠か”未来を見ることができる”と噂されていました。
その決死隊も皆優秀で作中の描写から全員が紫か黒の笛レベルの能力を持っていたと考えられます。
しかし、優秀なだけではそう上手くいかないのがアビスです。ほぼ初見殺しのアビスの凶悪な生物に、決死隊は全滅の危機に追い込まれてしまいます。
決死隊を襲う“水もどきの罠”。ワズキャンの落ち着きが逆に怖い。
決死隊は黄金郷をめざし、ついに深界六層まで到達するものの、水不足に陥ってしまいます。危険を犯して何とか水源を見つけ出しますが、見つけたのは水ではなく、“水によく似た生物”でした。
水もどきを飲んだ生物は徐々に弱っていき、下痢や発熱をおこし、さらに体がさけて溶けたロウのようになってしまいます。
発症に個人差はあれど、水もどきを口にした時点で体は水もどきに侵され始めてしまいます。隊の全滅が時間の問題になってもワズキャンは諦めませんでした。
ワズキャンは水だと思っていたものが寄生型の生物だとわかったあとも、水を口にして「そういえば甘い」と言って落ち着いて状況の分析をしていました。
落ち着きすぎて逆にちょっと怖いですが、どんな時にも冷静なリーダーには頼りがいがあります。
ワズキャンは、普段から昆虫を食べて免疫力を高めていたから発症がおそかったのか、単に気合いかはわかりませんが、ワズキャンは発症するまでの少しの猶予で打開策をみつけます。
ワズキャンのお子様ランチ。欲望の揺籃を解説。
ワズキャンはアビスの遺物『欲望の揺籃』をイルミューイに使って隊を全滅の危機から救いました。
欲望の揺籃とは、使うと生物が持つ欲望を具現化するアビスの遺物です。思考が複雑な大人では上手く使えず欲望が真っ直ぐな子供ほど効果が発揮できます。
欲望の揺籃を使わさせられたイルミューイは、自らの欲望の形を具現化させていきます。
イルミューイは子供が出来ない体のせいで村から追放されてしまった過去を持ちますが、欲望の揺籃はイルミューイに子供を作れる体を与えました。
しかし、肝心の生まれてきた子供は生きていくのに重要な器官がなく、24時間ほどで死んでしまいます。
これが子供故に想像力が足りずこうなってしまったのか、それともこれもまた欲望の揺籃の効果の一部なのかわかりませんが、ワズキャンはそこに目をつけました。
イルミューイは子供が死んでもまた産み、その子が死んでもまた産むことを繰り返します。この子供をワズキャンは調理して、隊のみんなに振る舞いました。
すると水もどきの症状は緩和していき、食料問題も水不足も同時に解決できてしまいました。
誰が呼んだかワズキャンの“お子様ランチ”は隊を全滅から救い、そして新たな地獄に叩き落としました。隊のみんなは、現実を受け入れることで精一杯になり、うなだれた日々を過ごしていくことになります。
ワズキャンの本性。未来視という名のマインドコントロール。
「神がかり。」「黄金郷が存在しなくても見つけ出す。」そう呼ばれるワズキャンは未来視ができると言われるほど、状況把握能力と判断力に優れています。
しかし、ワズキャンと接したナナチは「状況を選ばされている」と感じたり、同じ三賢のベラフからのワズキャンを“侮ってはいけない”という忠告は、未来視という神秘的なものとは別の異様な雰囲気を感じます。
おそらくワズキャンの「予言」とは未来予知ではなく、相手の行動を制限してワズキャンが望んだ行動を起こさせたり、起きた事象をあたかも予知していたかのように魅せるマインドコントロールに近いものだと考察できます。
三賢のヴェコは、このワズキャンの神がかりの本質に気づいて行動を起こそうとしていましたが、あと一歩のところでワズキャンの計画の一部に組み込まれてしまいました。
ワズキャンの願いと目的。欲望の揺籃を自分にも使ったワケ。
ワズキャンは、大人が使ったら死ぬかもしれない欲望の揺籃を自身にも使います。結果としては欲望の揺籃は、ワズキャンの形を成れ果てに変えるだけで留まり、命は奪いませんでした。
ここでワズキャンが欲望の揺籃を使ったワケを考えていきます。
イルミューイ村に先導するための御旗になるため。
欲望の揺籃を使って村と化したイルミューイは、決死隊のみんなにとって新しい居住環境を提供します。しかし、人間が変身した村に決死隊のみんなが入っていくかはわかりません。
結果的には、ベラフが我先にとイルミューイ村に入ってくれたおかげで、決死隊も続いてくれましたか、ヴェコが自殺をしようとしたように、ベラフがイルミューイを拒む可能性もありました。
もしそうなった場合の保険として、自分が欲望の揺籃を使っておけば、みんなの前で変身することで、イルミューイにみとめられたと“みせかける”ことができます。
イルミューイに魂を支配されないように。
イルミューイ村に入ってしまうと、イルミューイに魂を支配されてしまいます。アビスの危険な原生生物に襲われない代わりに、もう二度と外に出ることができません。
他にもイルミューイ村に入ってイルミューイに成れ果の姿に変えられてしまうと色んな制限がかかります。
ワズキャンは、その制限を突破しなければならない日が来ることを予想していたために、先に自分で欲望の揺籃を使って成れ果てになっておくことで、イルミューイから受ける制限を緩和していたのではないでしょうか。
ワズキャンにとっての望郷と憧れとは。
ワズキャンはイルミューイ村に住み、成れ果てになってもまだ黄金郷を、冒険を諦めませんでした。
彼はそこまでして黄金郷を望んでいたのでしょうか?個人的には違うと思います。
なぜなら、黄金郷は深界六層にすでにあったからです。
アビスの遺物は黄金なんかよりよっぽど金銭的な価値があり、冒険の最終地点はとうに迎えていました。
それでもワズキャンがアビスのさらに奥深くを目指す理由は、ワズキャンが本当に望んでいたのは望郷だからです。
望郷とは、ふるさとを懐かしみ思いはせること。
ワズキャンが率いる決死隊のみんなはふるさとに居場所がなかったもの達です。病気や犯罪、差別や迫害によって、ふるさとから追い出されたもの達で構成されています。
そしてワズキャンもその1人です。
ワズキャンはずっと望郷という気持ちに憧れを抱いていました。しかし、望郷にはまず故郷と旅が必要です。
故郷はイルミューイ村だとしても、イルミューイは村から村人が出ることをゆるしません。だからワズキャンはリコを新しい村にして旅を続けようとしました。
リコに欲望の揺籃を使えば、リコはアビスの深部を目指す旅を願うはず、そう考えたワズキャンはリコを自らの目的のために利用しようとしました。
目的地もなく旅をし続けようとする姿は、リコに似ていますが、旅の果てを望むリコと果てない旅を望むワズキャンには決定的な違いがあります。
リコのダークサイドな部分を強くしたのがボンドルドというキャラクターなら、ワズキャンはリコの成れ果てた姿だと言えるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。