今回は、2020/12/11より公開されている 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』のレビューしていきたいと思います。
個人的には『4D』で映画を観るのはあまり好きではなく、新しい映画を観る時は、必ず一回目を2Dで観て余裕があったら4Dも観るという感じです。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はもう何度もみている作品であり、このブログでも取り上げています。
前回観に行った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 MX 4D版』は、甘めに採点して100点満点中70点といったところでした。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』を観てきた感想は100点満点中80点といったところです。
正直「序より破の方がいい!( MX 4Dが合ってる)」と思いました。その理由を書いていこうと思います。
『序』以上の乗ってる感。「気分はEVA仮設5号機パイロット」。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 MX 4D版』でもあった「エヴァに乗ってる感」が、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』ではさらに増していました。
『序』とは違い、『破』ではいきなりEVAをパイロットが操縦しているシーンから物語が始まります。
真希波・マリ・イラストリアスが操縦する『エヴァンゲリオン仮設5号機』VS『第三使徒』の戦いが繰り広げられるのですが、この時のマリと観客の揺れ方がシンクロします。
『エヴァ仮設5号機』は4本足の先に車輪がついており、ローラースケートで滑るように移動します。このマリの操縦席の揺れ方がMX 4Dの座席の揺れ方とシンクロしています。
ただ画面の揺れにあわせてシートが揺れるだけだった『序』と比べ、『破』の冒頭シーンの「エヴァに乗ってる感」には興奮しました。
仮設5号機と第三使徒の戦いも取っ組み合いが基本なのでシートの振動や揺れ方、傾き方が劇中の雰囲気を倍にしてくれます。
この後の初号機や弐号機、零号機などの戦闘シーンでは、画面にあわせて座席が揺れるだけの演出になっていくのですが(それでも乗ってる感はある)「仮設5号機VS第三使徒の戦い」の「エヴァに乗ってる感」はファンなら絶対に興奮すること間違いなしです。
初めて『破』を観た時のドキドキ感を思い出しました。
血しぶきが顔に!?トラウマ倍増「初号機VS参号機」。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』では血しぶきの演出プラスに感じました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 MX 4D版』でも、劇中の「エヴァが使徒を倒した時」などに飛び散る、血しぶきにあわせて水しぶきが顔にかかるような演出がありました。
画面にあわせて「プシュッ」と顔に水しぶき(霧状)が発射されます。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 MX 4D版』での、こういった演出は、正直懐疑的でした。
なぜならEVA初号機が使徒をナイフで刺した時、血がかかるのは初号機であり、パイロットのシンジには血しぶきはかからないわけです。
どうしても観客はシンジの目線になる(エヴァを操縦している側)わけであって初号機の目線になるわけではありません。
しかし、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』の「初号機VS参号機」は話が別になってきます。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の「初号機VS参号機」のシーンといえば、ダミープラグにより攻撃的になった初号機が、参号機をこれでもかというくらいボコボコにして惨殺するシーンが有名です。
アニメ、新劇場版と初号機が参号機をボコボコにするという流れは変わりませんが、新劇場版の演出として「今日の日はさようなら」が流れ、その異様な光景が「トラウマになった」という人もいます。
使徒に乗っ取られた参号機にはアスカがまだ搭乗している状態で、シンジは一方的にやられるがまま。見かねたゲンドウがダミープラグを起動させ、初号機の反撃が始まります。
アスカが搭乗していることなんか意に介さず、初号機は参号機の首を絞め、へし折り、そのまま地面に叩きつけてボコボコにします。
リミッターが解除された初号機が力いっぱいに参号機の顔面を思いっきり殴りつけた時、参号機の頭部は木っ端微塵になります。
その時、観客の顔に「プシュッ」と水しぶきが飛んでくるのですが、これには不思議と違和感を感じませんでした。
人によっては、トラウマがさらに悪趣味なトラウマに塗り替えられるだけかもしれませんが、私はこれに爽快感を感じました。
シンジの静止を聞かず、参号機をオーバーキルする初号機の姿に高揚感を感じるのです。一方的にやられるがままで、もどかしかったのが解放されたというのもあります。
しかし、それだけではありません。初号機が参号機に馬乗りになって殴打してる時、観客の座席はあまり揺れないのです。
今までの『エヴァMX 4D版』からすると、初号機が使徒を一方的に攻撃するシーンで、使徒が受けた攻撃にもあわせて座席に振動や揺れがきました。
しかし、「初号機VS参号機」のシーンでは完全に初号機目線になるのです。暴走にも似たダミープラグシステムの圧倒的な力が、MX 4D版と合わさって見事に表現されています。
極まった光と音で『神』を表現。初号機覚醒シーン。
MX 4D版といえば座席の揺れや振動もそうですが、「光」と「音」も醍醐味のひとつです。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 MX 4D版』で特に「光」と「音」が極まっていたのが「エヴァ初号機覚醒シーン」です。
映画館で「初号機覚醒」の音楽を聴くことが出来るのこと自体テンションが上がります。さらに音質も通常の映画館よりも良いとなると単純に「映画館で観て良かった」と思うことができます。
そして光の表現も良かったです。『 MX 4D版』ではスクリーンの他に追加で照明がついています。この照明がいい働きをしています。
初号機がビームを打ったり、打たれたりする時の外部「光の追加」もいいんですが、初号機がゼルエルから綾波レイを引っ張り出し、初号機が神に近い存在になった時の光の表現がかなり良いと思いました。
もちろん画面の表現だけでも十分「初号機の神々しさ」は表現されていますが、外部の照明が追加であることで、まるで『覚醒初号機』に後光が差しているようになっています。
音質の良い「翼をください」と後光の差すような演出の「スクリーン外照明」が合わさることで、サードインパクトの凄まじさを、体全体で味わうことができました。
こういうシーンがあるからこそ「映画館に来てよかった」と思えるのだなと感じました。近年はVODの発達もあり、映画館離れが進んでいますが、こういった作品に出会えると、やっぱり映画館の良さを再確認できます。
サードインパクトのシーンが良かった分『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q MX4D版』の第13号機覚醒シーンも楽しみになってきました。
それでは次の記事で!