
アニメ2期 烈日の黄金卿編の好評につきアニメ・マンがともに注目を集める『メイドインアビス』。
漫画原作63話にて、ついに注目のとあるキャラクターが登場しました。
とあるキャラクターは生ける伝説“白笛”の持ち主で、烈日の黄金卿編の興奮冷めやらぬファンをさらに熱くさせています。
今回は『メイドインアビス』においてもっとも重要なアイテムといってもいい“白笛”と白笛を持つ探掘家達の正体や目的について考察・解説していきます。
目次
白笛とは。アビスを切り開く実力者たち。
白笛とは、『メイドインアビス』にて“命を響く石”というとても入手が難しい特殊な材料から加工されて作られる笛状のアイテムです。
探掘家としての最上位の位として認定されており、他の黒笛などと違い入手方法が特殊で入手できた時点で白笛としての実力があると認められます。
白“笛”といっても吹いて鳴らす必要はなく、手で握ったりさすったりすることで鳴らすことができます。
鈴、赤笛~黒笛など『メイドインアビス』の世界では、笛が基準に調査報告の信用度やアビスに潜れる深さを決められていますが、白笛に関してはあらゆる制限がありません。
白笛は全員がアビスの遺物で武装しており、相当の実力を持っています。
なかには一国の軍隊を相手に戦えるものも…。白笛は凄腕ぞろいでアビス開拓に大いに貢献していますが、総じて人格に癖があります。
白笛の原料とは。命を響く石“ユアワース”
白笛とは、アビスにおいて二級の遺物であり“白笛”の称号を持つものは皆持っています。命を響く石“ユアワース”でできており、持ち主によって形が変わります。一部のアビスの遺物を操作したり、遺物の真の能力を引き出すことや、能力を向上させることもできます。
できることならすべての探掘家が持ちたいようなアイテムですが、なんと原料は“生きた人間”です。確かに言われてみれば人骨のような白さに感じるような…。
白笛に加工されるものは誰でもよいわけではなく、例え無理やり生きた人間を白笛に加工できても、白笛に加工されたものが白笛の使用者にすべてを捧げる覚悟がなければ白笛の能力を引き出せません。
よって白笛の持ち主たちは総じて人格破綻者でありながらカリスマの持ち主でもあります。
白笛になった人間は生物学的には死んでいますが、アビスの力か遺物としての能力なのか魂だけの存在として白笛に宿っています。一部のキャラクターの中には白笛に宿る魂の存在と会話できるものもいるので、白笛になって人間ではなくなったからといって悲しいというわけではなさそうです。
現在白笛のもとになった人間が明らかになっているのは以下の3名です。
リコの白笛
原料はプルシュカ。プルシュカはリコと深界五層(イドフロント)で出会い友人となり、ボンドルドにカートリッジにされてしまいますが、朦朧とした意識の中でもリコ達を想うことで白笛へと変化しました。
プルシュカは生まれて初めてできた同年代のリコとすぐに友達になり、リコのこれまでの冒険とリコの夢に想いをはせていました。この慈愛にも似た想いの深さがプルシュカを白笛にしました。
ボンドルドはプルシュカをただのカートリッジにするには異常なほどプルシュカに愛情を注いでおり、何か目的があったのかある程度こういった展開も予想していたのかもしれません
ボンドルドの白笛
原料はボンドルド。ボンドルドは自分の複製(厳密には人格の複製)をつくれるアビスの遺物をつかい自分を増やしていました。リコやナナチと出会った時点ですでにオリジナルのボンドルドは白笛になっていました。
下記にて語りますが、他の白笛たちが人格に癖がる程度に対してボンドルドの人格は完全に破綻しており、白笛になってくれる(ボンドルドのことを想ってくれる)人がいなかったことが容易に想像できます。
白笛になってくれる人がいたけど興味本位の実験で自分を白笛にしてみたという理由も、それはそれでボンドルドならありえそうなのが怖いです。
ライザの白笛
原料はドニ。ライザの白笛はリコにとっては母親の肩身のような物だったので、人でできていると知ったときは相当な驚きがありました。
白笛とコンタクトできるファプタによって、リコたちを【枢機の輪】という場所で待つものがいると伝えてきました。
枢機の輪に待つものは何なのか、ライザではなくレグに関係している人物だということですが…。
白笛の称号を持つ“やばいやつら”最大の敵でありながら味方でもある。
探窟家にとって白笛の称号を持つものは憧れの存在であり、オースの住人や世界中の人からも白笛は一目置かれています。
しかし、上記にも書いたように白笛を持つものは癖のある人物が多く、リコの母親ライザも例外ではありません。中には指名手配を受けている危険人物もおり、探窟家にとってアビスの原生生物と同じくらい白笛との遭遇には気をつけなければいけません。
ここからはそんな一癖も二癖もある白笛の称号を持つ者たちを紹介していきます。
リコの母。殲滅卿・殲滅のライザ。
ライザとは『メイドインアビス』の主人公リコの実母です。金髪に澄んだ青い瞳をもつ美しい女性ですが、弟子のジルオ曰く性格は男勝りで喧嘩っ早かったそうです。
偏食で自由奔放、師匠のオーゼンに対して「あんた私の師匠にならないか」というほど礼儀知らずな自他ともに認める変人で、ジルオやライザの夫、オーゼンはライザに振り回されていたことが回想シーンからわかります。
アビスの生物について特に興味が強く、彼女が残した手記はリコの冒険の助けになっています。
白笛は武装したアビスの遺物や所業で異名が付きますが、殲滅卿とはまた物騒な名です。ライザは白兵戦では無敵の強さを誇ったらしく、師匠のオーゼンを襲った他国の軍隊をお礼参りで壊滅させた逸話を持っています。
記憶を失う前のレグと交流があったらしく、“度し難い”という口癖が移ったり、戦闘スタイルが似るほど関係は深かったようです。
現在はラストダイブ中でリコたちはライザの生死が不明なままですが、リコはライザが生きていることを信じて冒険を続けています。
意外と義理堅い。不動卿・動かざるオーゼン
オーゼンはリコ達が最初にであった白笛の一人で、深界二層のシーカーキャンプにて自らが率いる探窟隊(ハイドギヴァー)と共に防人をしています。
千人楔という刺せば千人力になるアビスの遺物を体に120箇所も刺しており、作中最強レベルの怪力を持っています。身長は二メートルを超えているうえ、白笛になってから50年経過していることからまさに人知を超えた怪物です。
性格は探窟隊員からも言われるほど大人げなく、たとえ子供相手でも容赦ない物言いをします。しかし、面倒見の良さや弟子のライザとの約束をちゃんと守る義理堅さを持ち合わせているうえ、性別は女性ながらライザに対して師弟愛以上の環状を持っているような描写から、ファンからの人気は高いキャラクターです。(スネイプ先生みたい…。)
映画をR指定にした男。黎明卿・新しきボンドルド
ボンドルドとは『メイドインアビス 深き魂の黎明』にてラスボスを務めたキャラクターです。発光する仮面とアビスの遺物に身を包んでおり、男ということが声でわかる位しか外見で判明している情報はありません。
性格は紳士的で誰に対しても物腰柔らかですが、度し難いサイコな考え方をします。詳しくはこちらの記事にて
本人に一切の悪気はなく、純粋な愛情や好奇心、アビスの謎の解明のために人生を尽くしていますが、倫理観が壊れていてまるで別の星の価値観をもったエイリアンと会話しているような不気味さを感じることができます。
レグと対等に戦える戦闘能力を持ち、映画『メイドインアビス 深き魂の黎明』でもラスボス的なポジションで登場します。
しかし、アビスの謎を解くのに大きく貢献していたり、ボンドルドがいなければリコたちもこれ以上先に進めなかったのも事実で、まったく尊敬できないわけではありません。リコ曰く「ロマンはわかる」。
実際、諸外国から指名手配をくらっておりやっていることは許されることではありませんが、敬意をもって乗り越えなければならない相手だと言えるでしょう。
美人なのが逆に怖い。神秘卿・神秘のスラージョ。
スラージョとは原作漫画63話より登場した作中5人目の白笛です。63話以前はペストマスクをかぶって杖を持った不気味なイラストしかわかりませんでしたが、実は女性だったことが判明しました。
容姿端麗で一人称は“オレ”ですが初対面のリコたちにフランクに話しかけます。自称“臆病”だそうですが、口調やセンシティブな恰好から豪胆な性格がうかがえます。
呪詛船団(ヘイルヘックス)という恐ろし気な名前の探窟隊のキャプテンで、なれ果てっぽいキャラクター達を従えており、またスラージョ自身もアビスの呪いを受けた形跡があることから相当場数を踏んでいることが想像できます。
何人いるかわからない。リコやワクナ以外の白笛たちの存在。
先導卿・選ばれしワクナという白笛は名前だけ出ていますがいまだ老人ということしかわかっていません。
白笛は過去にも何人か存在したらしくラストダイブで死亡扱いになった以降も遺物の力で生き残っている白笛は存在しそうです。また、リコのように地上世界で知られていない白笛もいます。
白笛たちは現象なのか時期なのか物質なのかもわかりませんが、“次の二千年”というものを意識しており、これからの展開が気になります。
白笛はどのキャラクターもファンが多く、全員が読者の想像を上回ってくれるような魅力を持っているので、どんな白笛が出てくるか楽しみです。