
わかりやすい王道ネタの例
王道ネタとは上記でも説明しましだが、そのジャンルで避けては通れない道。
あえて王道を通る事で見る側に親近感が湧いたり、ワクワク感を与えることができます。
これが行き過ぎるとパクリになってしまうので注意しなければいけません。
皆さんは『鉄人28号』という作品を知っていますか?
1956年に漫画の連載が開始され、1963年にはアニメが放映された、ロボットアクションアニメです。
「内容は知らないけど、名前だけは聞いたことある!」という人も多いと思います。
『鉄人28号』はロボット作品の元祖とも言える作品で、海外の映画監督なんかも影響を受けた人達が多く存在します。
この『鉄人28号』から生まれた王道が2つあります。
ひとつは「ライバルロボットは黒」というもの、そしてもうひとつは「最初は敵だったけど後に仲間になる」というものです。
「ライバルロボットは黒」、「後に仲間になる」という王道ネタ
『鉄人28号』ブラックオックスという敵のライバルロボットがいます。
ブラックオックスは全てのスペックにおいて鉄人を上回り、その上怪電波を出して鉄人の動きを鈍らせます。
鉄人に負けてるところは「飛べない」という所だけ。
しかし幾度かの戦闘後、鉄人側の仲間になり、鉄人が戦えない時に代わりに戦ったりします。
ここで「良いロボットも、悪いロボットをリモコン次第」という大きなテーマに繋がっていきます。(鉄人とブラックオックスが共闘するシーンは胸熱なのでぜひ見てみてください!)
この作品が後のロボット作品への布石となり、作者や監督達に大きな影響を与えていきました。それでは実際にどんな例があるか上げていきます。
「ライバルロボット」は黒
横山光輝先生デザインのブラックオックスは今でも全然通用するかっこよさ。まさに敵ライバルロボットのパイオニア。
『機動警察パトレイバー』のグリフォンという敵ロボット、グリフォンの登場シーンはブラックオックスのリスペクトがされていて、同じ霧の中から登場します。
グリフォンは仲間にはなりませんが、これまた胸熱な戦闘を繰り広げるので、ぜひ本編を見てください(^^)
また、『パシフィックリム アップライジング』に登場する「オブジディアンフューリー」という敵ロボット、こいつも仲間にはなりませんが、さすがはレジェンダリー映画。
物語はあまり良いとは言えませんが、ロボット対ロボットという迫力のあるシーンなど前作『パシフィックリム』にはなかった要素があり、観ていても飽きることはないので、気になる方はぜひ!
ライバルロボットが後に仲間になる
『機動戦士ガンダム UC』に登場する「バンシィ」という「敵だったロボット」。
機体カラーは黒の上、性能はユニコーンを上回ってる設定。
さらに「バンシィ」のパイロットである「リディ・マーセナス」は大事な人を殺してしまい、自らの間違いを認めます。その後、主人公サイドの仲間になるという闇堕ちならぬ「光堕ち」を果たしています。
これらの作品はパクリではありません。過去の作品へのリスペクトがある王道ネタです。
「いや、さすがにそんなの分かるわ」という人も居るでしょう。
しかし、最近では「ジョジョ第5部のラスボスの能力はドラゴンボールのヒットのパクリ」など、マンガの発行年数を無視するような言いがかりがあったりするので、ちょっとだけ例を出して説明してみました。
まとめ:オマージュはその作品に対する尊敬の表れ
今回伝えたいことは作品の著作権は創造した本人達のものであり、頭ごなしに「パクリ」と判断すると、どの作品も楽しめなくなってしまうということ。
作品に対する白黒は創った本人達が決めればいいのです。
「カメラを止めるな」など、元ネタを隠したまま大儲けされては不快に思う方々がいる気持ちもわかります。
しかし、諫山創や荒木飛呂彦先生のように敬意を表した上でアイデアの元にしていると、不愉快になるどころか作品に対する楽しみ方が増え、観方が変わってくると思います。
今やネットで検索すれば色んな意見が溢れているので「この作品はパクリだ!」なんて思考停止で言っちゃう人も多い現状があります。
ぜひこの記事を見ている方は、1つの意見に囚われないで、広い視野を持って作品に接してほしいと思います。
個人的にも、変な言いがかりでファンが増えなくなってしまうのは悲しいことですからね笑
話が長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。