※公式:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序、:破、:Q』4D上映決定!evangelion.co.jpより
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の4D版が全国82の劇場で公開されることが決定しました。
公開予定は新型感染症の影響で前後する可能性があるとの事ですが、以下の通りになっています。
12/11(金)~『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 4D版』
12/18(金)~『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 4D版』
12月中に序破急の3作が公開されるということでかなり豪華になっています。
この時期に三作品一挙公開ということで、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の公開日も決まり、かなり楽しみです。
歴代ジブリ作品の劇場公開は、ジブリを今まで観たことがない人にも作品に触れるきっかけを与えました。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版三作品の公開も同様に「エヴァンゲリオンにはじめて触れる」という人が増えるのではないでしょうか?
そんな「エヴァンゲリオンをはじめて劇場で観ようと思っている」という方へ、観る前に知っておきたい3つのことを紹介していこうと思います。
リメイクでも続編でもない。新劇場版はリビルド作品。
正直にいえば、作品の裏設定だとか小ネタとかそんなことはほっておいて、緻密な作画や、庵野監督の天才的な画面構成力、エンドロールの宇多田ヒカル氏の主題歌を聞いて、映画の余韻を純粋に楽しんで欲しいところです。
しかし、ある3つのことだけは、知っているだけでもヱヴァの楽しみ方が何倍にもなるので、それだけは紹介していきたいと思います。
その3つのうち1つ目は、新劇場版はTVアニメのリメイクでも続編でもないリビルド作品だということ。
もともと新劇場版は、TVアニメで大ヒットした『新世紀ヱヴァンゲリヲン』をただ完結にまとめたダイジェスト作品のようなものでした。
しかし、現代に合わせた作画の修正(携帯電話など)や新しく浮かんできてしまったアイデアを足していくうちに、新劇場版は基本はTVアニメと同じ流れなものの、ダイジェスト作品ではなく、新しい作品として生まれ変わることになったのです。
その証拠に新劇場版:序は基本的にアニメに沿った展開なものの、破では新キャラが登場し、Qでは完全にTVアニメとは別物になりました。
リビルド作品とは再構築された作品という意味です。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は単なるTVアニメ版のリメイクではありません。
かと言って、その続編、旧劇場版から続く世界観というわけでもなく、再構築された世界だということです。
再構築とは商業作品としての「作り直し」の意味もあれば、ヱヴァンゲリヲン新劇場版の世界が一度「作り直されたあとの世界」という意味もあるのです。
「新劇場版の世界は一度何者かによって作り直された後の世界」として観ると、色んなところに気がつけるかも知れません。
詳しい考察は↓にまとめています
名曲揃いの主題歌。宇多田ヒカルの歌とシンクロする世界。
上記にも書きましたが、宇多田ヒカル氏作曲の主題歌が、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の世界に絶妙にマッチしています。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序の主題歌『Beautiful World』に限らず、宇多田ヒカル氏作曲の新劇場版の主題歌はどれも作品のテーマ性、世界観にリンクしたものです。
新劇場版Qでは宇多田ヒカル氏は休止期間が続いていたにもかかわらず、庵野秀明監督がじきじきに主題歌の制作を依頼しました。
『エヴァンゲリオン』と言えば『残酷な天使のテーゼ』が有名ですが、新劇場版の主題歌は聴き比べるとより『新劇場版』のテーマ性や世界観を理解しやすくなります。
そんな宇多田ヒカル氏の主題歌が今回は劇場音響で聴けるわけですがら、エンドロール観ない派の人達も是非最後まで席を立たないことをおすすめします。
特に『新劇場版序』の「Beautiful World」は「もしも願い一つだけ叶うなら 君の側で眠らせて どんな場所でもいい」という歌詞からわかる通り、特別な状況下に置かれ、孤立した人間が、人との繋がりや距離が美しさを育むというものです。
劇中でのシンジの心情とリンクしている上、この歌は現在の私たちが置かれた状況にも響く歌なのではないでしょうか?
安っぽいCGの謎。現実味を匂わせるものとは。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版を観ていてちょっと違和感に感じる部分が出てくると思います。それは安っぽいCGです。
全部の絵が安っぽいと言いたいわけではないありません。ところどころにあきらかに意図的に違和感を感じるよう作られたCGが出てきます。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序では、そんなに登場することはありませんが、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」とわかりやすいものが増えていきます。
あきらかに他とは違うタッチで描かれるCGは、決まって「結界」だとか空間を歪ませているものとして登場してきます。
そして絵コンテを観てみると、そのあきらかに違和感を感じるCGの部分が、壊れたり崩れたりすると、「存在が消えていくように」という指示があります。
ヱヴァの世界で、物体が高熱で蒸発したり、他の物体に取り込まれたりして存在が消えるものはあっても、存在その物が、まるで最初からなかったように消えていくものはありません。
思うにこれは、あきらかにヱヴァの世界とは別の次元の物体だと思われます。
TVアニメ版や旧劇場版など、エヴァンゲリオンの旧作では絵コンテを劇中に入れることで「エヴァンゲリオンの世界」は虚構の世界と現実の世界が入り交じる演出がありました。
この現実世界を匂わせる役割を、新劇場版では違和感のあるCGでやっているのではないかと思います。
これから新劇場版を観ていくという人は、ぜひ違和感の感じるCG描写に注目してみてください。きっとなにか共通点をみつけられると思います。