今回はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の元ネタについて考察・解説していきます。
ファンの公開前の不安をいい意味で裏切り、毎週視聴者を想像以上に楽しませてくれる【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
主人公のスレッタやエアリアルには怖い噂もあり、いろんな考察がファンの間でされているのも作品の魅力ですが、今回は作品に散りばめられた伏線を読み解いていくためにも、“元ネタ”という部分に焦点をあてていこうと思います。
エアリアルやエランケレス、プロスぺラなど、特徴的な名前ですがどこかで聞いたことあるような…?
目次
『水星の魔女』の元ネタはシェイクスピア。名前だけじゃない“似てる”部分
作品名 | 機動戦士ガンダム 水星の魔女 |
---|---|
主人公 | スレッタ・マーキュリー ミオリネ・レンブラン |
主要人物 | エラン・ケレス シャディク・ゼネリ グエル・ジェターク |
主人公機 | ガンダム・エアリアル |
元ネタ | シェイクスピア作『テンペスト』 |
『水星の魔女』の元ネタがシェイクスピアの『テンペスト』であるとささやかれ始めたのは、2話放送当時あたりからで、ガンダムシリーズお決まりの“仮面枠”であるキャラクターの名前がプロスぺラと判明したところからでした。
『テンペスト』にはプロスペローという名のキャラクターやエアリアルという名前のキャラクターまで登場し、さらに人間関係や物語の進行も似ている為、制作陣が『テンペスト』を意識しているのはもはや明白となっています。
『テンペスト(嵐)』とは。水星の魔女に通ずる“復讐”
テンペストとはウィリアム・シェイクスピア作の戯曲の一つです。
ミラノの大公プロスペローが謀略によって弟にその座を奪われ、娘ミランダとともに孤島に隠れ住むことに。プロスペローは長い年月をかけて魔術を習得し、かつての敵に魔法で復讐する。…というストーリーです。
この場合
- テンペスト→水星の魔女
- プロスペロー→プロスぺラ
- ミランダ→スレッタ
- 魔術、魔法→ガンダム技術
と置き換えていいと思います。
ちなみにプロスペローは魔法の本を使って妖精を使い魔として“嵐”を起こすことで敵に復讐をしますが、その妖精の名を“エアリアル”といいます。まさに飛べる踊れるエアリアル…恐るべし。
共通点はどこ?水星の魔女がテンペストと似ているポイント。
上記に書いた『テンペスト』のあらすじがもうそのまま『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のプロローグ、1話、2話までの流れになっていますが、共通点は他にもあります。
- プロスペロー(プロスペラ)が復讐までにかける年月が12年
- プロスペロー(プロスペラ)の切り札が“エアリアル”
- プロスペロー(プロスペラ)の娘は敵の子供と結婚する
ここからは各共通点についても考察&解説していきます。
元ネタポイント①“物語” プロスペロー(プロスペラ)が復讐までにかける年月が12年。
『水星の魔女』のプロローグも悲劇王シェイクスピアに負けないくらい悲劇的でしたが、まさかほんとに元ネタがシェイクスピアだとは思いませんでした。
デリングが「魔女狩り」を決行した日(プロローグ)から、スレッタがエアリアルとともに学園に来るまで(1話)までが12年です。これは、プロスペローが復讐までに孤島で過ごした12年と重なります。
さらに、プロスペローの娘は敵国の王の息子と結婚しますが、これは『水星の魔女』でいうところのスレッタとミオリネの関係と重なります。
元ネタポイント②“名前” エアリアルの魔法のような力の秘密。
ガンダム・エアリアルは“魔女が作った”といわれるだけあって、ロボットの手足をまるで人間のように動かしたり、人間には備わっていない感覚器官や、ファンネルのような遠隔操作できる武器を扱えます。
ガンダム・エアリアルの能力は学園に波乱を巻き起こします。
当事者であるスレッタはエアリアルのことは好きですが、この恐ろしい能力を対人で使うのには消極的です。そこは嵐を起こすのがいやいやだった妖精エアリアルと重なりますね。
協力者の名前は“ケレス”。エラン・ケレスは協力者?
『テンペスト』では、エアリアルの友人のような仲間として豊穣の女神“ケレス”が登場します。
『水星の魔女』ではスレッタの好敵手であり、協力者であり友人であり、浮気相手(笑)としてエラン・ケレスが登場しました。
エラン・ケレスが属しているペイル社も策謀しているものの、スレッタとミオリネとは協力関係にあり人間関係もある意味似ています。
ケレス君もいっぱい実っているみたいなので、豊穣とはよく言った物ですね。
元ネタポイント③“終わり方?”プロスペロー(プロスペラ)の娘は敵の子供と結婚する
上記でプロスペローの娘は敵国の王の息子と結婚したと語りましたが、『テンペスト』のお話はここからハッピーエンドへと向かっていきます。『水星の魔女』ではスレッタとミオリネがくっついたことで波乱が起きるので、そこだけは重なりませんね。
プロスペラが復讐をやめる又はほどほどでやめておくきっかけにはなるかもしれませんが、現時点でプロスペラは復讐計画を進行中なので可能性は低いです。
しかし、標的はデリングからは外れて、今後新たな敵勢力が登場して一致団結する方向にはいくかもしれませんね。
まとめ:魔法を捨てる=モビルスーツがいらなくなった世界(オープニング)へ
テンペストでラスト魔法を捨てたように、水星の魔女もラストでモビルスーツを捨ててオープニング(エアリアルに苔がむしている)世界に繋がると予想。
#機動戦士ガンダム #機動戦士ガンダム水星の魔女— アリスケ (@walking_planets) December 27, 2022
今回は『テンペスト』と『水星の魔女』を重ねて考察解説していきましたが、ここで書いたものは名前が重なっていたり、ストーリーラインが酷似しているものだけです。
雰囲気やセリフ回しが似ているものも含めれば似ている部分や「オマージュかも?」と思うところはたくさんあるので、ぜひ皆さんも『テンペスト』を読んでみてはいかがでしょうか。
以上まとめると
- アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の元ネタはシェイクスピア作『テンペスト』
- 『テンペスト』に登場するプロスペローと『水星の魔女』に登場するプロスペラは両社とも“復讐”を企んでいる。
- プロスペロー・プロスペラの切り札はエアリアル。
- プロスペローの娘は敵の子供と結婚する。
- ラストは『テンペスト』でプロスペローが荒々しい魔法を捨てたように、『水星の魔女』も兵器としてのガンド技術を捨てて平和利用のみにする。
似ているところと言えば、特に『テンペスト』のに登場する妖精や魔法に関して、事故の欲求のためつかおうとする人もいれば、平和利用しようとする人もいます。これは『水星の魔女』のガンド技術に通ずる部分があると思います。
『テンペスト』見方によって変わるものの、概ねハッピーエンドでしたが『水星の魔女』もハッピーエンドで終わるでしょうか?
個人的な予想としては、『テンペスト』ではラストでプロスペローが魔法(人を傷つけるタイプの魔法)を捨てたように、『水星の魔女』のラストも兵器としてのモビルスーツ・ガンド技術を捨てるのではないかと予想しています。
そして、モビルスーツがいらなくなった世界(オープニングのエアリアルに苔がむしている=戦争がなくなった)につながるのではないかと思います。
最期までご覧いただきありがとうございました。