YouTubeにて無料配信される「ゴジラ・フェス2021」にて、新作撮り下ろし作品「ゴジラVSヘドラ」が公開されます。
「ゴジラ VS ヘドラ」は、『ゴジラ迎撃作戦 プレシアター』の監督・脚本を務めた中川和博監督による新規特撮作品であり、ファンの期待が高まっています。
ゴジラフェスという大事な舞台にてゴジラの対戦相手に選ばれた公害怪獣ヘドラは、そのサイケデリックな見た目と、特異な設定から初登場から50年経つ今でも国内外ともに多くのファンがいる怪獣です。
そこで今回は、注目が集まる理由と1971年に公開された映画『ゴジラ対ヘドラ』について解説していこうと思います。
目次
- 『ゴジラ対ヘドラ』あらすじ。ゴジラがヒーローだった時代。
- トラウマ注意。ヘドラが“最凶”と呼ばれるわけ。
- 『ゴジラVSヘドラ』はどうなる?近代風の工業地帯で暴れる怪獣王と公害怪獣。
『ゴジラ対ヘドラ』あらすじ。ゴジラがヒーローだった時代。
あらすじ
海洋汚染が深刻な問題になっていた駿河湾で、謎のオタマジャクシが発見される。ヘドロの海から生まれ、公害物質を取り込んで成長していく怪獣は“ヘドラ”と命名され、町にとって脅威の存在へと成長していく。
工場の煙突から排煙を吸い込み、移動するだけで汚染を拡大させるヘドラはついに、ゴジラの住処の海をも汚染してしまう。
かくして放射能が生んだ怪獣と公害が生んだ怪獣という人間の業が生んだ怪獣同士のデスマッチが始まる。
特撮ヒーローブームだった当時、ゴジラは人間の味方として宇宙怪獣と戦う路線を進んでいました。
しかし、テレビ台頭の時代に映画作品であるゴジラの人気は低迷、起死回生のテコ入れとしてゴジラは“社会問題”をテーマに路線変更。
ですが、当時の社会悪である“公害”をテーマにしただけあってストーリーは全体的にかなり暗め。
公害の影響で変異した人面魚や、ヘドラの硫酸が混ざったドロに埋もれて白骨化してしまう人々が、ぼかし無しで表現されています。
今でこそ風刺表現やヘドラの造形から再評価されていますが、お世辞にもちびっ子向けとは言えない作品のために、当時の評価は散々で著書『世界最悪の50本(映画)』に選ばれる程でした。
トラウマ注意。ヘドラが“最凶”と呼ばれるわけ。
上記にも書きましたが、ヘドラは公害から生まれた怪獣とあって、身体はヘドロで構成されており、ミサイルや貫通するような攻撃はヘドラには効かず、人間もゴジラもその特異な戦闘スタイルに悩まされていました。
進化過程の飛行形態では、飛び回るだけで硫酸ミストを振り撒き、浴びた人間は白骨化し、金属はあっという間にさびてしまいます。
ゴジラは人間の兵器と協力して死闘の末、なんとかヘドラを倒しますが、エピローグではなんと別個体が存在することが示唆されます。
さらに、ヘドラの出生の悲劇からゴジラもトドメを刺した際に思うところがあったようで、当時ヒーロー路線で人間の味方であったゴジラが人間を睨んだ後に海へ帰っていくという、なんとも言えないラストになっています。
人間は公害から生み出した怪獣を放射能が生み出した怪獣に倒してもらうことで難を逃れました。
結局大人達は何も変わらず、未来は“ゴジラファン”の子供に託される形で映画は終わります。
倒す前も倒した後も人間にダメージを与えるヘドラは、間違いなくシリーズ最凶の怪獣といって間違いないでしょう。
ゴジラVSヘドラはどうなる?近代風の工業地帯で暴れる怪獣王と公害怪獣。
『ゴジラVSヘドラ』にて、2体の怪獣は近代風のどでかい工場地帯で戦いを繰り広げます。
ゴジラとヘドラの造形も、2004年公開の映画『ゴジラファイナルウォーズ』のものとなっており、もしかすると前日譚的な扱いになるのかもしれません。
『ゴジラ対ヘドラ』では、ヘドラはゴジラの左目を潰し、右手を白骨化させたりとまさに“死闘”を繰り広げてくれました。
昭和シリーズで多かったタッグマッチや、多対一の怪獣プロレスとはひと味違う“巨大生物同士の殺し合い”を観せてくれました。
ゴジラVSヘドラにも“死闘”を期待してしまいますが…怪獣プロレスになりそうですね。笑
尺も限られているでしょうし、『ゴジラVSヘドラ』の公開目的は、“風刺”ではなく、あくまでファンを喜ばせることでしょうから、そこは素直に頭を空っぽにして怪獣バトルを楽しみたいですね。
これを機にヘドラのモンスターアーツやヘドラ2004のムービーモンスターシリーズが発売されるとさらに嬉しいですね。
公開まで、今から待ちきれませんがいろいろ妄想して待つことにしましょう。
それでは次の記事で!