今回は漫画・アニメ『チェンソーマン』にてギャグキャラクターとしていじられながらも実力がはっきり描かれているコベニについて考察・解説していきます。
ホラー・サバイバル映画によくいるタイプの場をかき乱したり、大げさにリアクションするだけのキャラクターかと思いきや、しっかりおいしいところをもっていくコベニの魅力や能力、契約悪魔についても考察・解説していきます。
目次
コベニとは。「うざい」と言われ続けても頑張る女の子。
コベニとは『チェンソーマン』第1部“考案編”にて登場した、公安対魔特異4課に所属するデビルハンターです。
本名は東山コベニといい、黒髪に赤いヘアピンとチョーカーが特徴的な小柄で可愛らしい女の子です。
デビルハンターの中では屈指の臆病者で、常におどおどしていて当時の読者からは“うざい”といわれていました。
常に自信がないが、その理由は親が兄を贔屓にしており、幼少期から兄妹で比べられてきたからだと考えられます。
コベニがデビルハンターをやっている理由も兄の学費を稼ぐためで「デビルハンターか風俗かの選択肢しかなかった。」と仕方なくやっています。
コベニの契約悪魔は?ナイフの悪魔が有力だが…。
コベニの契約悪魔は作中では明らかになっていません。一応武器として三徳包丁?らしきものを持っているので契約悪魔は“包丁の悪魔”か“ナイフの悪魔”ではないかといわれています。
コベニの師匠は姫野であり、その師匠の岸辺もナイフの悪魔と契約しているので一番ありえそうなコベニの契約悪魔は“ナイフの悪魔”です。
しかし、その特異な不幸体質や人間離れした身のこなしからコベニの契約悪魔は、いろんな説があります。
不運を貯めて幸運に?運の悪魔説。
後述しますがコベニはかなりの不幸体質です。
貧乏ながら頑張って給料をためて買った車は悪魔との闘いでスクラップになり、組んだバディは全員死んでいきます。
しかし、『チェンソーマン』というどんどん人が死んでいく漫画で最期まで生き残っていることから、運を大事な時までためておく能力をもつ運の悪魔と契約しているのではないかという説もあります。
「猿か!?」身軽だからという理由でサルの悪魔説。
コベニは身のこなしがサルのようだからサルの悪魔と契約しているのではないかと言われています。
サムライソード編では蛇の悪魔の攻撃をかわし、銃弾を交わしてデンジを助けました。
蛇の悪魔の攻撃を軽く回避した上、蛇のしっぽに登って逆に攻撃の起点にする様は「動けるやつ」という印象を読者にもあたえました。
秘密の悪魔や超越者レベルの悪魔かも!?
コベニが新人歓迎会にて、契約悪魔を先輩に紹介するよう言われた時、コベニは「契約悪魔は秘密です…。」と言っていたことから、秘密の悪魔と契約しているのではないかと言われています。
敵の攻撃を回避するのが上手いのも、敵の攻撃方法という“秘密”を暴いて、まるで未来や正義の悪魔のように敵の行動を先読みして動いているから人間離れした身のこなしができるのかもしれません。
そして、ぶっ飛んだ説では超越者レベルの悪魔と契約しているのではないかといわれています。
ただ、超越者レベルというさすがに公安やマキマがほっとかないのでは?と思うかもしれませんが、そもそも契約悪魔を秘密の悪魔で秘匿しているのではないかと言われています。
もしそうだとしたら、公安編と比べ穏やかといわれている2部にも、1部に負けない壮大なカタストロフィが用意されているかもしれません。
2部ではデンジをチェンソーマンに変身させず平和を守ろうとしている“とある組織”が登場しているので、そこにコベニも所属しているなら契約悪魔もわかるかもしれません。
コベニの活躍は?永遠の悪魔編の奇行。
コベニは永遠の悪魔編から登場しました。コベニを鍛えた先輩デビルハンターの姫野からは「かなり動ける」と評価をもらっていますが、本人に自信がなく常にグループの一歩引いた位置にいます。
この時は能力は見せず、悪魔が登場してもおびえ続け、自分が奮い立って悪魔と戦うことはなく、そればかりか永遠の悪魔の「デンジの心臓をよこせ」という要求を勝手に承諾しようとしたり、それを制止しようとした同期の荒井ヒロカズを“悪魔の仲間”として殺そうとします。
悪魔が登場しただけでおびえて、自分は戦うことも対抗策も考えずにひたすらに現状を悲観するコベニは当時、ほとんどの読者から“うざい”と嫌われていました。
筆者も内心「コイツは生き残れないな、デビルハンターに向いてなさすぎる、」と思っていました。
永遠の悪魔編はデンジの頑張りによって解決し、なんとか公安対魔特異4課は全員生還しました。
悪魔が解放された後は、さすがにデンジと他の公安対魔特異4課メンバーへの罪悪感から、公安をやめようとしていましたね。
サムライソード編で大活躍!?デビルハンターは頭のネジがはずれてる。
コベニはサムライソード編では大活躍します。サルの悪魔と契約していると疑われるほどの身のこなしでデンジを救いました。
荒井ヒロカズとの死別に対するコベニの感情が描写されなかったのが引っかかりますが、特に気にしていないのならコベニはデビルハンターに向いています。
身の回りの人がいっぱい死んで、一時的に公安を辞めたくなっても、ボーナスがもうすぐでそうだからとデビルハンターを続けていました。
バディを失ってもなんだかんだ生きていけるのは、岸辺が言うところの“頭のネジが外れたデビルハンター”だと言えなくもないと思います。
『チェンソーマン 』の世界で生き残れたのは、コベニの実力でも運の悪魔の力でも担当さんに好かれていなかったからでもなく(後述)、そもそもデビルハンターの素質があったからなのかもしれません。
地獄からの生還。そして別の地獄へ。
ファミリーバーガーでコベニがパワハラ受けてるシーンで
「暴力の魔人がいなくなったのに暴力受けてる」っていう皮肉な意見すき。
— アリスケ (@walking_planets) November 10, 2022
コベニはレゼ編、刺客編と逃げ足の速さでしぶとく生き残ってきましたが、バディの暴力の魔人が死んでしまったことでとうとう限界がきたのか公安を辞職しました。
暴力の魔人は特にコベニに優しくて、コベニも親兄弟に甘やかされなかった分、甘えている様子が微笑ましかったです。
しかし、刺客編にて暴力の魔人とコベニは地獄に落とされ、闇の悪魔に暴力の魔人は無惨に殺されてしまいました。
最後の最後まで暴力の魔人はコベニを気遣っていましたが、それだけにコベニも暴力の魔人が死んで相当応えてしまったのでしょう。
コベニは公安を辞職し、『ファミリーバーガー 』というファストフード店に就職していましたが、そこでは酷いパワハラがあり、幼少期の酷い扱いのためか自己肯定感が低く、喋る時に吃音があります。
コベニの場合、育ってきた環境のせいで吃音があるようなので同情してしまいますが、『 ファミリーバーガー』の社員は容赦しません。
コベニに吃音があると「パンッッ!」と音が店内に響くほど強いビンタをして説教をします。
この説教も怒鳴るのではなく、価値観を淡々と押し付けてくる感じで、読んでるこっちも精神がやみそうになります。
コベニは地獄から生還しても、また別の地獄に行き、暴力の魔人がいなくなっても暴力を受けてしまうのでした。
コベニが生き残れた理由。田舎ネズミ派が死ぬ法則。
藤本タツキ「コベニちゃんと天使の悪魔どっちが生きてて欲しい?って林さん(担当編集)に聞いたら、天使の悪魔でしょって返ってきたから、読者がそう思うなら天使の悪魔が死んだ方がいいなって思って」
林さん「読んで怖って思ったもん……」
藤本タツキ…………作者怖くて泣いた
#チェンソーマン— ゆーきゃん🌵 (@yokoko458) December 18, 2021
コベニが生き残れたのは、藤本タツキ先生が担当さんに天使の悪魔とコベニどっちを生き残らせてほしいか聞いた結果、担当さんが天使の悪魔を選んだから天使の悪魔をあえて殺したと語っています。
どこまで本心かわかりませんがコベニが生き残れたのは運の悪魔の力でもなければ実力でもなく、担当さんに好かれていなかったことが原因だったようです
しかし、『 チェンソーマン』世界では、田舎のネズミ派が死ぬ法則があります。
こちらの記事で詳しく書いていますが、『 チェンソーマン』ではイソップ寓話が作品内で引用されています。
「平穏だけど平凡でつまらない田舎ネズミの生活か、刺激的で贅沢な暮らしができるけど危険が多い都会ネズミの暮らしのどちらが良いか?」
みなさんならどちらを選ぶでしょうか?
作品内では田舎ネズミの生活に共感、または憧れを抱いたキャラクターは死ぬ法則があります。
例
- 天使の悪魔→僕の心は田舎にある。
- 早川アキ→銃の悪魔を倒すためだけに都会にきただけで心は田舎ある。
- レゼ→田舎の平穏な暮らしに憧れていた。
その中でもコベニは「実家を支えるために健気に出稼ぎに出てきている。」というどちらかと言えば田舎派のキャラクターだと思われていました。
しかし、コベニがマキマから命を狙われるようになった時にコベニは本音を語るのでした。
ファミリーバーガーで働いていたコベニは、パワハラに耐えかね思わず「助けて」と呟いてしまいます。そこに駆けつけたのは真チェンソーマンでした。
もはやデンジの面影がなく、理性もない真チェンソーマンはファミリーバーガーの社員や店員をコベニ以外皆殺しにしてしまいます。
コベニだけこの時、なぜがチェンソーマンに殺されず生き残れますが、この時チェンソーマンはデンジの夢である“女とデート”を叶えるために手短なコベニを選んだに過ぎず、なにか間違っていればコベニも殺されたかもしれません。
その後、コベニは正気に戻ったデンジとともに岸辺に保護されますが、マキマに見つからないためにも、もう一生家族には会えないことを告げられます。
もうこの頃に読者はコベニのことをウザイなんて思っておらず、数々の不運の末、家族まで取り上げられてしまうんだと心底同情しました。
しかし、当の本人であるコベニはむしろ家族に会えない理由ができて嬉しがっていました。
コベニにとって家族なんてものはどうでもよく、デビルハンターという危険な仕事が嫌だっただけで、自分をがんじがらめにする田舎より都会の方が好きだったのでしょう。
コベニの今は亡き愛車コベニカーや、ファミリーバーガーでのパワハラはもはや読者からはネタとして扱われており、本人の実力や本当はデビルハンターに向いてる性格が人気投票10位という結果に繋がったのかもしれません。
まとめ 東山コベニはちいかわだった。不遇なところも魅力の一つ。
- 漫画「チェンソーマンコベニは「包丁の悪魔」か「ナイフの悪魔」ではないかといわれている。
- 特異な不幸体質や人間離れした身のこなしから運の悪魔と契約している疑惑もある。
- コベニは「チェンソーマン」2巻の永遠の悪魔編から本格登場した。
- 本人に自信がなく常にグループの一歩引いた位置にいた。悪魔が登場してもおびえ続け、自分が奮い立って悪魔と戦うことはなく当時は読者からウザイと言われていた。
- 暴力の魔人とコベニは地獄に落とされ、闇の悪魔に無惨に暴力の魔人は殺された。
- コベニは公安を辞職し、ファストフード店に就職していた。幼少期の酷い扱いのためか自己肯定感が低く、喋る時に吃音があるため酷いパワハラを受ける。
- なんだかんだあっても図太く生きているコベニは、なんだかんだデビルハンターに向いてる。
以上、最後までご覧頂きありがとうございました。
コベニは不遇なところがいじらしく、魅力的なキャラクターです。2部でも既に登場している噂もあり再登場に期待です!