ご覧いただきありがとうございます。当記事は、ネタバレを含みますので、まだ観ていない方はご注意ください。
2021/03/08ついに『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開されました。前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』からは約9年ぶりの公開となります。
公開初日分の映画館の座席チケットは、予約サイトによっては数時間待ちとなり、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の公開が1995年と考えると、どれだけ『エヴァンゲリオン』という作品が愛されているかわかります。
このブログでも何度もエヴァ関連記事を出しており、公開日が楽しみでしかたなく、もちろん公開初日に視聴してまいりました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は公開前からずっとストーリーが、どうなるか考察しまくっていたので、答え合わせを観に行ったような気分でもありました。
正直自分の考察は的中率半々くらいでしたが、内容には大満足です。
2021/03/08の朝7時からの1番最初の上映回を観に行きましたが、上映終了の際には観客席から拍手が湧いていました。
観客大興奮の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』早速レビューを書いていこうと思います。
- 公開済みの冒頭10分間を終え、物語は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の完全な続きから
- 「第3村」の美しさ = 戦う理由。
- 第13号機と融合する碇ゲンドウとアスカ。
- シンジは初号機に乗ると決意。そして、観客のモヤモヤ解消。
- 第13号機VS初号機。暴力ではなく、話し合いで解決。
- 渚カヲルと加持リョウジの関係はが明かされ、円環の引き継ぎ。
- そして現実(実写)へ。大人になったシンジ。その他感想。
目次
公開済みの冒頭10分間を終え、物語は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の完全な続きから。
以前から『シン・エヴァンゲリオン劇場版 0706作戦』冒頭10分40秒は、フランス・パリで行われた「JAPAN EXPO」にて、「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1 (冒頭 10分 40 秒 00 コマ)0706 版」として放映されていました。
時系列的にも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』からそんなに離れていないと考えられる冒頭10分の戦闘を終え、『Q』のラストからそのまま繋がっている「シンジ」「アスカ」「綾波レイ(仮称)」が仲間と合流を図るために歩いているシーンに切り替わります。
(正直Qの前例もあり、いきなり意味がわからない場面から始まるのかとひやひやしていた人達もいるでしょう。)
このままミサトやリツコなど『ヴィレメンバー』が搭乗するAAAヴンダー、ヴンダーの護衛艦と合流するのかと思いきや…
まさかのケンスケと合流、ニアサードインパクトを生き延びた者達が集まる「第3村」へと連れていかれます。
「第3村」の美しさ = 戦う理由。
食事をとっておらず、精神的にも肉体的にも限界に近かったシンジは、「第3村」の診療所に運び込まれ、大人になって医者になったトウジと再開をはたしました。
いやー、ヴンダーのカプセル(実際には動植物の種が保管されていた)の中にはケンスケやトウジが休眠してるんじゃないかと考察していたのが、はずかしいです。笑
感想としては、大人になっているトウジを見ると、なんだか観客であるこっちまで感慨深いものがありました。なんせトウジはアニメでも漫画でも酷い目にあってましたからね。
1時間くらいたっぷりと「第3村」での生活の様子が描かれました。
人によっては長いと感じる人もいるでしょうが、美しく描かれる水田や農作物、村の様子はとても大事なシーンだと思います。
「シンジが立ち直るための時間」としても大事なものだったでしょうが、「世界の美しさ」を描くことは『作品』として大事なことです。
映画という虚構の中にある村ではありますが、だからこそ、そこに住む人々が何を大切に思って何を守りたいと思っているのか描かなければなりません。
この世界がどんなに美しいのか?尊いのか?なぜみんな必死になって戦うのか?「第3村」のシーンは、それをしっかり描写してくれたのだと思います。
個人的に名作だと思うアニメ作品は、しっかりと世界の美しさを描きます。最近でいえば『進撃の巨人』や『メイドインアビス』などもそうです。
何気ない住民の暮らし、おいしいごはん、流れる水の美しさ、木々のざわめき。
「どんなに残酷で生きていくのが苦しい世界でも、美しいものがある」ということは、そこに住む人々にとっての希望になるのだと思います。
渚カヲルの「どんな時にも希望は残っている」というセリフは、エヴァや槍のことだけでなく、美しい世界のことも指していると思います。
「世界を美しく描く」というのは序、破、Qでもやっていましたが、Qではニアサードインパクトが起こったあとの退廃美的な美しさで、「生」を感じるようなものではありませんでした。
「まだ世界には美しいものが残っている。」そう感じることができる環境がシンジには大切だったのだと思います。
第13号機と融合する碇ゲンドウとアスカ。
↑の記事で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』での碇ゲンドウの現状や、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』での目的について、考察と解説をしていますのでよかったらぜひ読んでみてください
率直な感想は「考察当たって嬉しい」です。もちろん考察は考察なので、たとえ自分の考えが当たっていなくても、妄想や解説をあれこれしている時が1番楽しいのですが、やはり当たってたら嬉しいです。
しかし、アスカまで取り込まれるというのは予想できませんでした。
第13号機は散々ダブルエントリーシステムと語られてきましたが、てっきりゲンドウとカヲルのダミープラグ、もしくは新しい綾波タイプ、最悪ゲンドウ1人で動かすのかと思っていました。
やはり槍を扱うには、1本につきひとつの魂が必要ということでしょうか?
TVアニメ版では初号機が、使徒を取り込んだシーンがあり、それを碇ゲンドウは初号機が神になるための儀式のひとつとしていました。
既に神と同等の存在である初号機と、対等な関係になるには、使徒が持つ「生命の実(S2機関)」が神になるためにはどうしても必要だったということでしょう。
この詳しい考察、感想については後ほど書こうと思います。
シンジは初号機に乗ると決意。そして、観客のモヤモヤ解消。
碇ゲンドウとの最終決戦に向け、シンジは初号機ににのると決意します。シンジの様子的には「第3村」を出ると決意した時から、なんとなくこうなることがわかっていたように見えます。
そこでシン予告にもあった、ヴィレメンバー達とのいざこざがありました。
「確かにシンジのニアサードインパクトは色んな命を奪ったかもしれないけど、シンジが初号機に乗らずに、ゼルエルがリリスまで辿り着いてたら、その時点で人類は一人残らず滅んでいる。」
そうわかっていても、家族を失うというのは例え誰のせいでもなくても、誰かのせいにしてしまいたくなるほどの悲しみがあるのだと思います。
「第3村」で聞いた「助けられん命もある。その時の悲しみや怒りを引き受けるのも医者の役目」大人になったトウジの覚悟のセリフは、シンジが大人になるためにも響いたと思います。
第13号機VS初号機。暴力ではなく、話し合いで解決。
第13号機に搭乗しているゲンドウVS初号機に搭乗しているシンジ。
第13号機にはどことなくあしらわれているような感じで戦闘が進みます。
戦闘は現実世界から虚構の世界へ。アニメの中では現実から虚構(イマジナリー世界)へといきますが、観客目線では、どんどんシンジ達、アニメの存在が、現実に近づいていきます。
ゲンドウVSシンジの戦いは、ついに暴力による戦いは決着はつかず、とうとうシンジとゲンドウがお互いを知り合うために話し合います。
ここからは第13号機に取り込まれている、ゲンドウとアスカの過去と生い立ち、が明かされていきます。
「エヴァ」ではよく見る光景の電車の中や映画のセットのような場所で問答が繰り広げられます。
ただ、いつもとはちがい、シンジは悩みや弱音を吐きません。まるで狂言回しのように、ゲンドウとアスカとの会話をリードしていきます。
「それでどうしたの?」というように、相手の言葉を引き出していきます。
今までのシンジなら、妄想内で作りだしたはもう1人の子ども姿のシンジや、ミサト、アスカ、レイ達に弱音や泣き言を吐いてきたシンジは、ついに聞き手になったのです。
人の弱い部分や負の感情を受け止め、自分に向けられるかもしれない悪意にたいして怯えずに話し合います。
もうこの時点でシンジのペースになっており、決着はシンジの勝利(ゲンドウとの和解)が果たされました。
リツコの言葉を借りるなら「希望のコンティニュー」が、シンジによって開始されるわけです。
渚カヲルと加持リョウジの関係はが明かされ、円環の引き継ぎ。
渚カヲルは加持リョウジとともに再登場をはたします。一瞬シンジの心の中の存在かと思われましたが、実はそうでもない様子。
渚カヲルは物語、世界を繰り返す「円環」の存在であり、その苦悩の理解者が加持リョウジでした。
そして、その「円環」の役目はシンジへと引き継がれます。
なんだか「円環を引き継ぐ」と聞くと「魔法少女まどかマギカ」を連想してしまいますが、あながち全く別の存在というわけでもなさそうです。
「物語を繋ぐ役目、世界を繰り返す役目をシンジに引き継ぐ。」シンジはエヴァのない世界を作り出す。
このことをシンジは「ネオンジェネシス(新世紀)」と呼ぶわけです。
なかなか面白いタイトル回収の仕方ですが、いきなり「ネオンジェネシス」と言われて、少年漫画の必殺技のようで一瞬固まってしまいました。笑
そして現実(実写)へ。大人になったシンジ。その他感想。
シンジは「円環」の役目を受け入れます。ただループさせるのではなく、エヴァンゲリオンがいない世界にちょっとだけ変えるとのこと。
そしてマリと再会を果たし、物語は実写へ切り替わります。実写に切り替わったと言ってもぼかされており、シンジとマリの容姿はアニメで描かれています。
「シンエヴァは最後は実写になる」という考察はファンの間ではよくされていたので、あまり驚きはしなかったです。
ただ、何故かシンジの声は緒方恵美さんから神木隆之介さんになっていました。単に声変わりか、それとも観客になにか考えさせたいのか、正直まだわからないです。
もしかしたらアニメの中のシンジは、「円環」そのものの装置のような存在になっており、実写世界にいたシンジはシンジのそっくりさんかもしれません。
アスカがケンスケとくっついたことには正直意外に思いましたが、マイナスのイメージは受けませんでした。
鋼鉄のガールフレンド(ゲームではありますが)でもケンスケとくっつくようなシーンはありましたし、結局のところ28歳の苦悩を癒してあげられるのは同じ28歳だったということでしょうか。
「初めて好きになってくれた人、好きになった人だからといって付き合うわけではない。」これを素直に受け入れることができたシンジはやはり大人になったのだと思います。
あとどうでもいいかもしれませんが、個人的にはマリの「ラストいってみようか!(ドリフの長さん風)」のセリフがお気に入りです。なんかかっこいい。笑
レビューとは別の考察記事も続々上げていくので良かったら今後ともよろしくお願いします。
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