今回は『チェンソーマン』の耳に残る造語の一つ【根源的恐怖】について解説&考察していきます。
“根源的恐怖”の名を持つ悪魔は、少ない登場シーンでありながら、1部でも読者を震撼させ、2部ではとうとう物語の本筋に絡んできました。
2部終盤にむけて今一度“根源的恐怖”というものについて解説と考察をしていきましょう。
↓動画でも同様の解説をしています!
2023/03/16追記 ※122話にて落下の悪魔が登場しました。こちらの記事で落下の悪魔について解説していますのでぜひ!
目次
根源的恐怖とは。避けられない生理的な恐怖。
根源的恐怖とは、漫画『チェンソーマン』に登場する藤本タツキ先生が考えた造語の一つです。
『チェンソーマン』世界の悪魔は、全て“〇〇の悪魔”というように名前を冠しており、その名前が恐怖されているほど悪魔の強さも上がります。
銃やコウモリなど様々な名前を冠した悪魔が登場しますが、中でも別格なのが「闇」や「死」などの“根源的恐怖”の名前を持つ悪魔たちです。
根源の恐怖とはおそらく生物として根幹にある生理的、反射的に嫌悪してしまうことをさしていると考えられます。
作中で一番有名“闇の悪魔”を例にだすとわかりやすいですが、感情や理性でそれ自体に危険が備わっていないとわかっていても、人間は生物である以上“闇”を恐れてしまいます。
つまり、人間が本能的に恐れてしまう名前を冠する悪魔を、根源的恐怖の名を持つ悪魔といいます。
根源的恐怖=超越者ではない。よくある勘違い。
よく勘違いをしがちなのですが、根源的恐怖=超越者ではありません。
超越者とは一度も死を経験しておらず、地獄から出たことがない悪魔のことです。
根源的恐怖をもっていても死を経験していたら、それは超越者とは言いません。
「ノストラダムスの大予言」は根源的恐怖になりうる?時代によって変わる恐怖は根源的恐怖とは呼ばない。
時代によって変わる恐怖は、根源的恐怖とは呼べないかと思います。
支配の悪魔や正義の悪魔も現代では強いかもしれませんが、それでも人によってばらつきが激しいです。
「ノストラダムスの大予言」が『チェンソーマン』2部では取り上げられていますが、終末論なども当時は自殺者がでるほそ恐れられていました。
しかし、それも時代の流れによって薄れていき、今の時代に本気で終末論を信じている人間は少ないです。
それでは、根源的恐怖の定義は一体何なんでしょうか。
根源的恐怖とは全ての生物から集められる恐怖。根源的恐怖の名を持つ悪魔が強い理由。
以前、チェンソーマンの強さについてこちらの記事で考察しました。
簡単に言えば「チェンソーマンは、人間からも悪魔からも恐怖を集めているので強い」という結論です。
悪魔が恐怖を人間以外からも集められるとしたら、根源的恐怖の名を持つ悪魔の強さも納得いきます。
正直“闇”もイメージでいったら現代では克服されている恐怖で、生理的嫌悪感でいったらゴキブリやヘビのほうが強いと思います。
しかし、それでも格別に強いのは“人間”“悪魔”“人間以外の生物”からも、恐怖を集めることができているからでしょう。
“闇”以外の根源的恐怖の名を持つ悪魔。『落下の悪魔』と『音の悪魔』が最凶!?
『チェンソーマン』1部では“闇の悪魔”しか根源的恐怖の名を持つ悪魔は登場しませんでしたが、2部では続々と登場するような展開になっています。
ここからは、根源的恐怖の名について候補を上げていきましょう。
- 死 →死の悪魔
- 老い →加齢の悪魔
- 病→疫病の悪魔(ただし疫病と死は同一の悪魔の可能性あり)
- 火→炎の悪魔
- 水→水の悪魔
このあたりは悪魔として登場したら、かなり強いのではないでしょうか。
ただ、とある研究ではそもそも人間が生来感じる恐怖は『落下』と『音』しかないというデータもあります。
2023/03/16追記 ※122話にて落下の悪魔が登場しました。こちらの記事で落下の悪魔について解説していますのでぜひ!
『落下』と『音』以外の恐怖は全て後天的に、学習することで覚える恐怖だとされています。
まとめ。根源的恐怖の名を持つ悪魔達による終末世界。
死の悪魔はナユタの姉なのか妹なのか https://t.co/3I1av30hJi
— アリスケ (@walking_planets) March 7, 2023
根源的恐怖の名を持つ悪魔はずっと2部のラスボス候補で考察されてきたので、早すぎる名前の登場にびっくりしているファンも少なくないでしょう。
根源的恐怖という中二心をくすぐるかっこいい造語がありながら、闇の悪魔一体だけしが登場しないというのはもったいないですよね。
以上まとめると
- 「根源的恐怖」とは漫画『チェンソーマン』内にて登場する、藤本タツキ先生が考えた造語。
- 人間が本能的に恐れてしまう名前を冠する悪魔を、根源的恐怖の名を持つ悪魔という。
- 根源的恐怖をもっていても死を経験していたら、それは超越者とは言わない。
- 時代によって変わる恐怖は、根源的恐怖とは呼ばない。
- 根源的恐怖の名を持つ悪魔が強いのは、チェンソーマンのように人間以外からも恐怖を集めているから。
- 根源的恐怖の名を持つ悪魔有力候補は「落下」と「音」。
『根源的恐怖の名』といったら『落下』と『音』がもっともそれにちかい恐怖かもしれませんが、それがそのまま強さに繋がるかは難しいところです。
「学習できる」「理性で抑えられる」云々以前に、そもそも克服できていない恐怖の名は「死」や「老い」になります。
この辺りの強さの序列や区別は、正直藤本タツキ先生の塩梅になるでしょう
「闇」「音」「落下」などに対する恐怖は、心の奥底の生理的な恐怖を消すことはできないが、人類の英知である程度克服できる。
「死」「老化」などに対する恐怖は、宗教や人類の英知の力で恐怖を緩和できるが、恐怖の瞬間が訪れることを避けることはできない。
彼ら“根源的恐怖の名を持つ悪魔”達が物語でどんな活躍をするか、どんなカタストロフィを見せてくれるか楽しみです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。