今回はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の最終回についての感想と回収された伏線を解説、考察していきます。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は「YOASOBI」がOPを手がけていたり、世界観が従来のガンダムシリーズとは違ったりと、新規の視聴者にも優しいストーリーになっているだけでなく、魅力あふれるキャラクター、モビルスーツが多く登場し、従来のガンダムシリーズの“お約束”や王道展開を尊重した物語も魅力です。
そして最終回も見事なものでした。
目次
ついに完結。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』最終回。
作品名 | 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 |
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制作会社 | サンライズ バンダイナムコフィルムワークス 創通 MBS |
原作 | 矢立肇、富野由悠季 |
監督 | 小林寛 |
主人公 | スレッタ・マーキュリー |
主人公モビルスーツ | ガンダム・エアリアル、ガンダム・キャバルリー |
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』とは2022年10月2日より放送されているガンダムシリーズのアニメです。
ジャンルは学園物でありながら、モビルスーツをめぐる企業間の対立や、地球人と宇宙移民者の対立等が描かれており、従来のガンダムシリーズをリスペクトしつつも挑戦的で新規も入りやすい物語になっています。
2023年4月9日(日)より放送開始された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』2期にてついに最終回を迎えました。下手な伏線や次回作の匂わせなんかを残さない見事なラストでした。
宇宙議会連合の放ったレーザーをスレッタはエアリアルとガンダム・キャリバーンとともに止めて見せました。
ここからは回収された伏線について考察&解説、感想を述べていきましょう。
まだ水星の魔女を観始めたばかりという方はこちら
回収伏線①データストームの中で再会したエラン。
『水星の魔女』では“パーメット”、“データストーム”というアイテムがキーとなっていました。
最終回ではプロローグ、一期序盤から“忌まわしいもの”として描かれてきた“データストーム”がとうとう“希望”として描かれます。“呪い”として描かれたいたものが“祝福”にちゃんと変わったのが最終回でした。
ガンダム搭乗時の副作用や、エアリアルに取り込まれているエリクトの“きょうだい”達、時にはホラーじみた恐ろしさを感じさせていたデータストームは死者の想いを届ける希望の現象として描かれました。
こちらの記事でも考察していましたが、『水星の魔女』は奇抜な設定の中でもガンダムの王道をリスペクトする物語の展開をしてきました。
SNSや考察サイトを見ると、華々しく散った死亡キャラをわざわざ再登場をする意味があるのか?という疑問の声が多かったですが、『Zガンダム』の最終回の様なガンダムシリーズによくある死者が魂だけで登場するようなオカルトパワーに、新しく論理的・SF的な理由付けをしようとしていると思うと熱い展開だと思います。
最終回の虹色データストームのシーンの何が良かったかというと、あれはすべて生者の幻覚かもしれないというところです。パーメットが放つ輝きの中に、みんなが見たいものをみただけかもしれません。
その証拠に、誰一人自分のみている死者の幻影と、他の生者が話していたり知覚しているような描写がないです。(エリクト以外)
散々パーメットの情報保存するという考察や、データストームについて語っておいて何を言うかと思うかもしれませんが、結局のところ過去や因縁には自分でケリをつけるしかないということです。
レーザーを防げたのも、全てのガンダムにさようならできたのも、スレッタが生きていたからこそです。死者の念を借りてオカルトパワーでどうにか解決するのではなく、死者の想いを受け継いで前に進んでいくというのがかっこいいです。
明確に、エアリアルに生体情報を移しているとされているエリクト以外は、ちゃんといい意味で“データストームの中に本当にいてもいなくてもどっちでもいい”存在として描かれていました。
回収伏線②プロスペラの無念と受け継がれたヴァナディースの理念。
プロスペラもパーメットが魅せた幻影に慰められて改心しました。憑き物がとれたプロスペラは仮面に頼らず、仮面を通さずスレッタと向き合って余生を過ごしていくでしょう。
クワイエットゼロの罪はシャディクがかぶってくれた分、余生ではしっかりスレッタに向き合ってほしいですね。
またヴァナディースのガンドに対する理念はしっかり株式会社ガンダムが受け継いでいるようです。義手や義足などは戦争で傷ついた地球の人たちの助けにもきっとなるでしょう。
回収伏線③ 罪を裁かれるシャディクとミカ姉。
テロ画策と実行、クワイエットゼロの首謀者としてシャディクは罪を裁かれることになりました。死者も大量に出ている事件の首謀者となれば極刑は間違いなく、シャディクも覚悟の上でミオリネにさよならといったのでしょう。
それでもミオリネの情けなのか、故郷である地球で最期を迎えることができたのはせめてもの慰めかもしれません。
また罪をつぐなったミカ姉の再出発と、罪をこれからも償っていくミオリネとシャディクのお付きの女の子達が描かれていて良かったです。
地球の人たちの憎悪はまだまだ強く、これからの苦難は容易に想像できますがそんな姿もかっこいいです。
回収伏線④スレッタの作りたかった学校。
麦場畑でスレッタと子どもたちが遊ぶ姿がほほえましかったですね。
学校つくれて良かった反面、水星の描写もみたかったかな、水星の人たちがスレッタをみて何を思ったのか気になります。
きらりと光る婚約指輪の演出がすごくいい…すごくいいけど、筆者は頭オールドタイプの婚約指輪を付けないで従者であり続ける選択をしたロランが好きなので、あれはあれでいいラストだと思いますが個人的には微妙な感じです。
まとめ。ガンダムらしい終わり方。ホッツさんの救難信号が良い。
パシフィック・リムみたいに2人乗りすることでデータストームに耐えるガンダム出てこないかな。
— アリスケ (@walking_planets) December 30, 2022
企業、ガンダム、差別
物語の中心となっていたものがすべて解決されてわけではなく、みんな幸せの大団円ではありません。
しかし、あの世界のみんながかかえている問題に、みんなが逃げずに向かい合って進んでいくラストにはなっていると思います。
以上まとめると
- アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の二期にてついに最終回を迎えた。
- ガンダムの王道をリスペクトする物語の展開をしてきた「水星の魔女」。
- 最終回ではガンダムシリーズお馴染み死者の魂全員集合。
- 虹色データストームのシーンでみた死者の姿は、すべて生者の幻覚かもしれない。
- ヴァナディースのガンドに対する理念は、株式会社ガンダムが受け継いでいる。
- 義手や義足などは、戦争で傷ついた地球の人たちの助けにもきっとなる。
- ワイエットゼロとテロの首謀者として、シャディクは罪を裁かれることになった。
- スレッタは結婚し学校をつくった?もしくは学校のノウハウを学んでいるラスト
何度も言いますが『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は歴代ガンダムシリーズへのリスペクトがすごいです。
“ガンダムらしくない”という意見をちらほら見かけますが、アナザーガンダムのなかでは個人的に一番ガンダムらしく、一番オリジナリティもある作品だと思います。
最期のホッツさんがチカチカ光るところなんか初代機動戦士ガンダムの最終回を観たときの感動を思い出されてくれました。
もし続編があるならジェターク社建て直しを頑張るグエルの外伝が観たいですね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。