スパイダーマン映画交渉について、ソニーがディズニーに、新たに「スパイダーマン映画の収益30%をディズニーとマーベルに分配する」、「ヴェノムのMCU参戦」という条件を追加しました。
これまでの『ソニーとディズニーによるスパイダーマン交渉』の記事はこちら
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の感想もよければどうぞ!(ネタバレ有)
前回の記事では『スパイダーマン映画の収益30%をディズニーとマーベルに分配する』という点について書いたので、今回は『ヴェノムのMCU参戦』に焦点を当ててみたいと思います。
前記事になります。
また、「MCUキャラクターは好きだけど『ヴェノム』は誰だかわからない」という方もいると思いますので、今回のキーパーソンである『ヴェノム』というキャラクターの解説も一緒にしていきたいと思います。
目次
ヴィランの中でも圧倒的人気を博す『ヴェノム』
『スパイダーマン』に登場するヴィラン(悪役)兼ダークヒーロー。
野性的で凶悪な風貌によりファンから絶大な人気を誇っており、1988年とMCキャラクターの中では、新参キャラクターながら『スパイダーマン』におけるライバルポジションを手に入れました。
初期は『悪いスパイダーマン』として描かれていましたが、悪と言いきれない活躍や『カーネイジ』という残虐極まりない敵役の登場に、ヴェノムは悪役というよりライバルポジションになっていきました。
誤解されやすい『ヴェノム』と『シンビオート』の違いは?
誤解されやすいですが『ヴェノム』は『シンビオート』という、宇宙起源寄生生物と人間が合体して初めて成立するキャラクターです。
そのため、宿主である人間の性格に影響され、キャラクターの強さに違いが出てきます。
凶暴で考えが世紀末(四肢をもいで道に転がす等)ですが、無関係の人間や善良な市民は襲わず、むしろ助けることもあります。『原作には悪漢から女性を助けるも、その見た目から怖がられてしまうシーンも』
スパイダーマンとも、カーネイジ(シンビオートが殺人鬼に取り付いた姿)を倒す際に渋々共闘することもあります。
悪役というよりもライバル、もしくはアンチ・ヒーローというイメージが最適です。
弱点もあり、炎や高周波(金属音等)を前にすると宿主と上手く寄生状態を保てません。
野性味溢れる姿、ヴィランなのにどこか憎めない性格から、アメコミヴィランの中でも屈指の人気を誇っているのがヴェノムなのです。
サム・ライミ版の小物ヴェノム
『スパイダーマン3』に登場。宿主はピーター→エディ。
ひょんなことからピーターに寄生したシンビオートは、ブラックスパイダーマンとしてピーターと行動していましたが、抑えられない攻撃性や高揚感を危惧したピーターは、鐘が鳴り響く教会でシンビオートと決別。
たまたま近くにいたエディ(スパイダーマンを陥れようとしたが、上手くいかず逆恨みしていた)に寄生する事でヴェノムとなりました。
誕生経緯や能力の引き継ぎ設定などは、原作のコミック版初代ヴェノムと変わらず、スパイダーマンの能力等を引き継いでいます。
しかし、原作と違うのは外見はスパイダーマンと同じく細身、性格もカーネイジに近い凶悪そのものです。
ファンから「こんなのヴェノムじゃない!」という批判もあったが、サム・ライミ監督自身がヴェノムのことを好きではなく、会社やプロデューサーの意向で無理やり登場させたため、少々小物感が出てしまっている。
ファンの期待に見事応えたルーベン・フライシャー監督『ヴェノム』
映画のタイトルは『ヴェノム』。聞いての通り、この映画にはスパイダーマンは登場せず、ヴェノムが主人公となります。
ファンにとって待ちに待ったヴェノム単独での映画化。サム・ライミ版『スパイダーマン3』での小物ヴェノムから、原作ヴェノムへと期待が高まりました。
主人公エディ・ブロック役のトム・ハーディ氏は、演じる際に肉体改造を行った程のプロ意識の持ち主で、更にスパイダーマンのヴィランの中でもヴェノムが好きであると公言している事から、早くからヴェノム役としての期待が高まっていました。
さらに、次回作には宿敵カーネイジも参戦するとあり、ファンの期待はさらに膨れ上がりました。
『ダークナイト』のような陰鬱な雰囲気漂う予告編に、かなりダークなストーリーかと思われましたが、実際はエディとヴェノムのコミカルな会話シーンや、ちょっとしたギャグシーンもありました。(こういった点から女性視聴者の評価も高い。)
ヴェノムの決めゼリフとも言える “We are VENOM.” がしっかり再現されていたのも、ファンにとっては嬉しい点。
最初は、シンビオートの寄生になれないエディでしたが、どこか気が合い、山あり谷ありな状況(まるで恋愛コメディ)を経て見事ゴールイン。『悪い奴には悪い罰を』のダークヒーローとなりました。
本作におけるヴェノムは、シンビオートの中でも「負け犬」で出来損ないの設定。エネルギーを多く使う為、底なしの食欲で、執拗に悪人の人間の頭を食いちぎろうとする一方、宿主であるエディを健気に守ったり、元恋人との復縁を手伝うなど、人間味ある性格をしています。
世間の評価は様々ですが、『スパイダーマン3』とは違い、原作のヴェノムらしさがちゃんと描かれています。
原作と大きく違うのは、スパイダーマンに一度も寄生していないため、糸を出したりスパイダーセンスは身につけておらず、スパイダーマンの事を恨んだりもしていません。
仲直りしたら参戦するのは2018版の『ヴェノム』
ソニーは独自のユニバース(MCUではない)である、スパイダーマン・ユニバースの計画を進めており、『ヴェノム』がその第1弾だったため、第2弾には、ブラックキャットとシルバーセーブルが主人公の映画も構想されています。
もし、ソニーとディズニーが仲直りをして次の『スパイダーマン』にヴェノムが参戦する際は、恐らく『2018版ヴェノム』が登場するでしょう。
そこには『スパイダーマン』と『ヴェノム』が共闘し、『カーネイジ』と戦う姿があるかもしれませんね。
この願ってもいない『ヴェノム参戦』という提案に、ディズニーはそろそろ折れるのではないでしょうか?
今後も温かい目で見守っていきましょう。
それでは次の記事で!